東日本大震災から今日でちょうど1か月。なんだか落ち着かない日々を過ごしているうちに、あっというまにひと月たってしまったというのが正直なところです。2週間が過ぎて、ようやく地に足がついたように感じて。ここ2週間ほどでようやく非日常から日常に戻ってきたような感じ。
今日も大きな余震がありました。皆さん、どんなふうに過ごされていますか?
直接被災していない、東京の私たちですら大きな余震が来るたびにとても不安になるのに、被災地で日々を過ごされているみなさんがどんな気持ちでいるのかと思うと涙がとまりません。自分に何ができるのか、何をすべきなのかをただひたすらに考えた1か月でした。
そんな日々の中で、気持ちを支えてくれたのが大好きなバーバラ・クーニーの絵本「ルピナスさん」。
主人公のアリスが幼いころおじいさんに言われたこと、それは
「世の中をもっと美しくするために、なにかしてもらいたいのだよ」という言葉でした。
いますぐにでも被災地に向かって、現地で何かできないのか?現地に向かったとしても技術のない自分ではかえって迷惑になってしまう。そんな気持ちの間で揺れていた地震直後の自分を支えてくれた言葉の一つでした。
世の中をもっと美しくするための何か。
自分が全力を尽くして、出来る何か。
それを通して被災地のためにできることを続けていくこと。2年3年、5年10年と思いをこめて向き合っていくこと。
そんな風に日々を重ねていきたいと思っています。
今自分が向かおうとしている方向が、本当に世界を美しくする何か、につながっていくかわからないし、まだ悩んでもいるけれど。
とにかく進んでみようと思って、4月からご縁を頂いた夜間大学院に仕事をしながら通うことにしました。
地震の後の混乱した気持ちで、気持ちを語る私の言葉に耳を傾けてくれて、背中を押してくれた夫にとても感謝しています。いつもありがとう。
そうやって、応援してくれる家族や友人の気持ちに報いるためにも頑張りたいな、と思います。今できることにとにかっくまっすぐに向かって道を開いていくことが、また何かにつながっていくと信じてみたい。
そして、もう一つ今回の地震をきっかけに自分の深いところから出てきた言葉は
中学1年生の春に見た映画「ベンポスた子ども共和国」の理念でもある「強いものは下に、弱いものは上に、子供はてっぺんに」
という言葉。
今回、こんなに大きな犠牲を払ってまで、私たちが気が付かなければいけなかったのは、いまいのちを頂いている私たち一人一人の生き方や在り方だと思うのです。次の世代にきちんと受け渡していけるものがあるのか。
次の世代の子供たちが胸を張って元気に生きていける世界を私たちは今作れているのか。
今回の地震で、自分が今の仕事に至ったいろいろな思いを思い出しました。本当にサポートを必要としている人たちに、届く仕事をしたいと思っていた
学生時代のあの熱い気持ち。いろいろ挫折したり、当初思い描いた道とは違うところにいたりもするけど、一番根本にある思いは変わっていないんだなと思いだして嬉しくなったりして。
変な言い方かもしれないけど、もうあの地震を体験しなかった時には戻れない、そんな気持ち。
ルピナスさんが、村をルピナスの花でいっぱいの美しい村にして「世界を美しくする何か」をかなえたように。私もがんばりすぎず、でもあきらめずに自分にできる「世界を美しくする何か」に向かっていきたいな、と思います。
こんな時だからこそ、何があっても、淡々とめぐっていく季節のように、あきらめず前を向いて皆で手を取り合って進んでいきたいですね。
どうか、今夜もみなが護られて在りますように。