
このレコードのことはすっかり忘れていました。
どういう経緯で購入したのかは定かではないですが、確かに以前持っていました。
ジャケットはこれとは違ってイラストのものでしたが、結構気に入って何度も聴いた記憶があります。
モダン系のレコードを大量処分した際に手放したのは間違いありませんが、それ以来なぜか記憶から削除されて、「私的名盤百選」選考の際にも思い浮かばなかったようです。
最近になって、図書館でケニー・ドーハムの「アット・カフェ・ボヘミア」を借りてきて、このワンホーンのアルバムを思い出し、ディスクユニオンの店舗受取で再購入しました。
価格は680円でしたが、受け取りに行った吉祥寺ジャズ館にジャケット違いの480円という盤があって、すこし凹みました。
レコードの内容は「コートにすみれを」が入っていたことぐらいしか記憶になかったのですが、久しぶりに聴いてみると素晴らしいものでした。
まず、リズム隊が新鮮です。
ピアノはトミー・フラナガン、ベースがジミー・ギャリソン、そしてドラムがピート・ラロッカという他ではあまりお目にかからない面子です。
ピアノは説明不要の名人ですが、他の二人はより若い世代で当時の「新しいジャズ」に属する人たちと言って良いでしょう。
この人選が、いわゆるハードバップのリズムセクションとは違うフレッシュさを感じさせます。
曲は、「コートにすみれを」と「クリフォードの思い出」以外はモントローズのオリジナル5曲で、ワルツありブルースありラテンリズムあり、とバラエティーに富んだ構成です。
テナーサックスのワンホーンアルバムの中でも、これは個人的には1・2を争う名盤ではないか、と思います。
「100選」に加えたい一枚です。