
前作「トリビュート・トゥ・デューク・エリントン」以来2年ぶりのビッグバンド作品です。
タイトルから容易に想像がつくように、このアルバムは広島の善正寺住職の委嘱を受けて作曲した同タイトル曲を初演した2001年8月6日、広島厚生年金会館での実況録音盤です。
タイトル曲「ヒロシマ・ライジング・フロム・ジ・エイビーズ(ヒロシマーそして終焉から)」は3楽章からなる43分にもおよぶ大曲です。
第1楽章:無益な悲劇
第2楽章:生存者の語り
第3楽章:希望
1楽章では爆発のすさまじさをジョージ・川口氏のドラムソロが表し、公募で選ばれた広島県立船入高等学校演劇部員によるナレーションが当日の悲劇が語られます。そのバックには韓国を代表する民族楽器奏者である元長賢氏の笛が物悲しく響きます。
3楽章は、一月後に起きた同時多発テロ事件を受けてその後コンサートの度に演奏されることになりました。
アルバムには、オープニング・テーマの「ロング・イエロー・ロード」と「ウィッシングピース」(1986年)も収録されています。
秋吉さんはこの後ライヴアルバムを1枚のこしてビッグバンドを解散します。