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蓄音機でジャズを聴く!

蓄音機とジャズを中心に、日々の出来事をつづる。

この一枚「トゥデイ」アート・ペッパー

2023-12-17 14:23:24 | ジャズ


先日久しぶりにレコード店に寄りました。

家庭の事情がありまして、店頭でゆっくりレコードを見るのは1年(以上)ぶりです。

とても楽しい時間だったのですが、改めて価格の高騰ぶりには驚いて(あきれて)しまいました。

もはやブルーノートの作品なんか、高すぎて買う気がしません。

普通の中古盤なんですから、高くても3000円がいいところだと思うのはセコイ考えなんでしょうか。

それでも、まだまだ安い盤はあるので2枚購入できました。

1枚はルーレット盤「カウント・ベイシーとトニー・ベネット」で580円。

以前CDを持っていましたが、処分してしまった盤です。

もう一枚が、このペッパーのギャラクシー移籍後第1作で、初めて聴くレコードです。

ちなみに1100円でした。

ピアノとベースが、愛聴盤「ワン・セプテンバー・アフタヌーン」と同じスタンリー・カウエル(p)、セシル・マクビー(b)で、ドラムが大好きなロイ・ヘインズ、というのが購入動機でした。

収録曲は、1「スイート・ジョージア・ブラウン」のコード進行を借りたオリジナル「ミス・フー?」、2ライヴ盤に収録されている「マンボ・コヤマ」(ジャズ評論家の小山紀芳氏に捧げた曲)、3「恋人よ我に返れ」、4オリジナル「パトリシア」、5スタンダード「ジーズ・フーリッシュシングズ・リマインド・ミー・オブ・ユー」、6オリジナル「クリスズ・ブルース」、です。

やはり「ワン・セプテンバー・アフタヌーン」と同傾向の演奏で、ペッパーお気に入りのピアニスト:ジョージ・ケイブルスも良いですが、このスタンリー・カウエルのピアノもフレッシュで、当時のペッパーには会っていると思います。

ペッパーにはまだ聴いたこののない作品も多いので、またチャンスがあれば入手したいと思います。


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秋吉作品を聴く「リメンバリング・バド~クレオパトラの夢」

2023-10-14 15:48:30 | ジャズ


前作「フォーシーズンズ」の直後に録音されたクラウンレコード2作目です。

タイトルから分かる通り、敬愛するバド・パウエルへのトリビュート作品です。

言うまでもなく、パウエルは、若き秋吉さんが必死に研究したジャズピアノの師です。

また、渡米後も交流があり、パウエルも秋吉さんを高く評価し心の支えともなった存在です。

パウエルにしてみれば、遠い東洋から来た女性が自分が産み出したスタイルで見事に演奏するのに驚き、感動し、何より嬉しかったことでしょう。

さて、このアルバムでは、パウエルの作品①「クレオパトラの夢」③「ウン・ポコ・ロコ」④「オブリビエーション」⑤「シリア」⑥「アイル・キープ・ラヴィング・ユー」⑦「パリジャン・ソロフィア」⑧「ブードゥー」⑨「テンパス・フュージット」⑩「異教徒たちの踊り」に加え秋吉さんの②「リメンバリング・バド」全10曲が演奏されています。

日本で人気の「クレオパトラの夢」については、以前秋吉さんは「そんなにいい曲かしら?」と否定的に語っておられたのでクラウン側の意向で選ばれたのでしょうが、「さすが」と思える仕上りてす。

余談ですが、私は最近、以前手放したモダン系のレコードを一部買いなおしているのですが、昨今のレコードブームで価格が高騰していて思うようにいきません。

特に、ビル・エバンスとブルーノート盤が人気で、普通の日本盤で4、5千円するものもあります。

そんな中でバド・パウエルの「シーン・チェンジズ」だけはタマ数が豊富で、ディスクユニオンのオンラインショップでも30枚くらい在庫があり、値段も千円台からそろっています。

これは多分テレビCMでも使われた「クレオパトラの夢」故のことで、日本での同曲の人気ぶりが分かろうというものです。

レコード会社としては、この曲を外すわけにはいきませんね。

さて、唯一のオリジナル「リメンバリング・バド」は1982年録音の「メモワール(ヨーロッパの思い出・・・戦争と平和)」に収録されていた曲です。

秋吉さんにとってパウエルの作品集は初めてですが、これまでにレコーディングしたパウエル作品は意外にも1977年「デディケーションⅡ」収録の「テンパス・フュージット」のみのようです。

この曲は、秋吉さんが「クレオパトラの夢」よりも「テンパス・フュージット」の方がずっといいと思う、と仰っていたお気に入りです。

サイドメンは、①⑨⑩がレイ・ドラモンド(b)+ルイス・ナッシュ(drms)、②④⑤がジョージ・ムラーツ(b)+アル・ヘアウッド(drms)、③⑥⑦⑧がジョージ・ムラーツ+ルイス・ナッシュの組み合わせです。

ジョージ・ムラーツとルイス・ナッシュは前作「四季」のメンバーです。

レイ・ドラモンドは1980年代になって名前を耳にするようになったので、ウィントン・マルサリス(tp)らと同世代だと思っていましたが、1946年生まれということで、当時すでに30代だったと初めて知りました。

アル・ヘアウッドはカーティス・フラー(tb)の名盤「ブルースエット」をはじめ、ブルーノート・レーベルでも活躍したベテランです。

秋吉さんのピアノトリオ作品としては、1990年以降の代表作だと思います。



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秋吉作品を聴く「四季(フォーシーズンズ)」

2023-08-04 16:55:23 | ジャズ

1990年7月録音のピアノトリオアルバムです。

クラウンレコードの91NinetyーOneレーベルでの第1作は、コンコード盤「インタールード」以来2年半ぶりのトリオでの吹込みとなりました。

ライナーノーツによると、クラウンレコードへは長く親交のある石原康行氏の紹介だったそうです。

石原氏は秋吉さんが渡米以前からの知り合いで、1953年のデビュー作のディレクターもされた方です。

この後秋吉さんはこのレーベルで、様々な編成・企画で次々とコンボ作品を発表していくことになるので、ファンとしては石原氏に感謝しなければなりません。

さて、タイトル通り季節に関する曲を集めたこのアルバムのメンバーは、84年の「タイムストリーム」以来の共演となるジョージ・ムラーツ(b)と当時31歳のルイス・ナッシュ(ds)という新鮮な顔ぶれです。

「スプリング・イズ・ヒア」、「サマータイム」、「インディアン・サマー」、「オータム・リーブス」、「サンタが街にやってくる」というおなじみの曲と、私には馴染みがなかった「サドンリー・イット・イズ・スプリング」、「ウィンター・ワンダーランド」、「スプリング・タイム・フォー・ヒットラー」に1980年録音の「フェアウェル」にも収録されていたオリジナルの「オータム・シー(秋の海)」を加えた全9曲が演奏されています。

秋吉さんのレコードでこれだけスタンダードが演奏されているものはそれまでなかったかもしれません。

そういった意味でも興味深い作品だと思います。
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テクニクスSL-10(追記)

2023-07-30 15:03:07 | ジャズ
前回「SL-7の上蓋は中央1箇所で固定される」と書きましたが、その後でよく見ると10同様左右2箇所で固定されていました。

上蓋中央に「push」のシールが貼ってあり、いつもそこを指1本で押して閉めていたので勘違いしていました。



とはいえ、10の方がガッチリと固定されることには変わり有りません。


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秋吉作品を聴く「ファンタジー(砂漠の女)」

2023-07-16 16:42:52 | ジャズ


トシコ・アキヨシ・ジャズ・オーケストラ・フィーチャリング・ルー・タバキン(ニューヨークバンド)の通算4枚目にして、コロムビア2枚目(そして最後)のアルバムです。

前作がカーネギーホールコンサートのライブ録音だったので、スタジオ録音は1986年(「ウィッシングピース」)以来実に7年ぶりです。

毎年のように新作を発表していたLA時代と比べるとあまりに寡作です。

このような状況になってしまったのは、ジャズをめぐるビジネス環境がますます悪化したことが影響しているようです。

つまり、バンドメンバーが生活のための仕事に忙しく、固定したメンバーではツアーはおろか一回きりのコンサートでさえ難しくなっている、ということです。

幸いにもこのアルバムは録音前にサンフランシスコへの10日間のツアーができたので、同メンバーでレコーディングが可能だったようです。

さて、収録曲は「ハーレクイン・ティアーズ、デザート・レディー:ファンタジー、ハンギン・ルーズ、ヒロコズディライト、ブロークン・ドリームズ」といういうオリジナル曲に、ディジー・ガレスピー作の「ビバップ」を加えた全6曲です。

オリジナル曲の内「デザート・レディ―」と「ブロークン・ドリームズ」はルー・タバキンの作曲によるものです。

ちなみに「ヒロコズディライト」のヒロコとは、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカの社員でコロムビアとの契約(カーネギーホールコンサートの録音)に尽力された方だそうです。

メンバーの方は前作との相違は少ないですが、大事なところではフランク・ウェスが抜けてジェリー・ドジオン(as)が加わっています。

久々のスタジオ録音ではありますが、内容は変わらず素晴らしい秋吉サウンドを堪能できるアルバムです。
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