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蓄音機でジャズを聴く!

蓄音機とジャズを中心に、日々の出来事をつづる。

さようなら、渋谷陽一さん

2025-07-23 12:05:51 | 雑感
今朝、渋谷陽一さんが亡くなったことを知りました。

私が中学生のころ、姉がどこからか持ってきた「ロッキング・オン」というペラペラの雑誌が渋谷さんとの出会いでした。

もしかしたら、NHKラジオ「若いこだま」のDJの方が先だったかもしれません。

ロッキング・オンはそれまで読んでいた「ミュージック・ライフ」の対極にあるような雑誌で、写真は殆ど無くなんだか難しい内容の文章だけで埋め尽くされている印象でした。

しかし、書かれている対象は好きなロックのことなので、分からないながらも
何とか理解しようと読んでいました。

ただ、松村雄策さんと編集長の渋谷さんの文章は読みやすく「救い」になっていました。

大学に入って段々とロックを聴かなくなるにつれて、ロッキング・オンともDJ渋谷陽一とも疎遠になっていきましたが、時折書店で立派になった同誌を見て手に取ることもありましたし、ラジオをつけて偶然渋谷さんの声に接することもありました。

具体的にどうこうと言うことはできませんが、中高生のころに読んだロッキング・オン誌が私の人格形成に影響を及ばしたのは確かなことのように思います。

松村さんに続いて渋谷さんまでもがこんなに早く亡くなってしまうとは思いもよらないことでしたが、自分もそういう年齢に差し掛かっているのだということを改めて感じました。

渋谷さん、ありがとうございました。

さようなら。




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さようなら、松村さん

2022-07-20 07:54:03 | 雑感
昨日、松村雄策さんが3月にお亡くなりになっていたことを知りました。

私が松村さんを知ったのは、中学生のころ姉が持ってきた「ロッキング・オン」という薄っぺらいの雑誌でした。

それまで読んでいた「ミュージックライフ」とは違って、グラビアは一切なく長文がたくさん載っている文集のような手作り感満載の本でした。

掲載されている文章は、岩谷宏さんを筆頭に当時の私には難解なものがほとんででしたが、その中で松村さんの文章は読みやすく笑えるところもあって救いでした。

ロッキング・オンに感化されて、松村さんたちが結成したバンド「イタ―ナウ」のカセットも買いましたし、NHKでのライヴパフォーマンスも見ました。

「イタ―ナウ」はよく聴いて、40年以上たった今でもほとんどの曲を口ずさめます。

その後ジャズファンに転向したので、ロッキング・オンとも松村さんとも疎遠になりましたが、昨年図書館で彼の「ビートルズは眠らない」を見つけて借りました。

今もお元気でいらっしゃることを嬉しく思っていたのですが・・・。

松村さんの言葉で思い出したものがあります。

「友達なんて裏切ったり裏切られたりしながら、続く相手とはなんとなく続いていく・・・」といった内容だったと思います。

その頃はマンガやドラマで「親友」とか「友情」などが暑苦しく描かれていたので、新鮮に響きました。

ここ数年は学生のころに親しんでいた方々が次々に亡くなり、そのたびに寂しい思いをします。

年をとるということはこういうことなのか、と思う昨今です。

さようなら、松村さん。








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この一枚:「シカゴⅡ」

2022-05-21 11:27:22 | 雑感


私が最初に買った(買ってもらった)LPレコードは、ビートルズの「アビーロード」、2枚目が「サージェントペパーズロンリーハーツクラブバンド」でした。

確かこのアルバムは3枚目で、祖母に買ってもらったのではないか、と思います。

最近、これをはじめシカゴの「Ⅲ」、「Ⅴ」をよく聴きます。

といっても、録音したカセットテープをラジカセで聴いているのです。

我が家には乗馬マシーンがあって、それに乗りながら昔のロックやポップスのテープを聴いています。

シカゴの他、CCRやビートルズ、ビリー・ジョエルやボズ・スキャッグスなど20巻ほどのテープをほぼ毎日とっかえひっかえかけています。

ですから、月に一度くらいは順番が回ってくるわけです。

持っていたレコードはとっくの昔に手放したので、テープの録音元はCD(をとりこんだPC)です。

昔、レコードからテープに録音した「音」はイマイチだった覚えがありますが、最近は「いい音だなあ!」と感心しています。

音源がちがうからか、私の耳が衰えたのか?

さて、中学の頃に聴いていたアルバムですが、「長い夜」や「ぼくらに微笑みを」くらいしか記憶に残っていませんでした。

それもそのはずで、こうしたヒット曲以外は洋楽を聴き始めたばかりの私がとても興味を持てないようなものばかりです。

今改めて聴いてみると、2枚組だけあってバラエティーに富んだ内容でけっこう楽しめます。

半世紀を経て、ようやく私も「シカゴ」というバンドを隅から隅まで味わえるようになりました。
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世界大音楽全集

2016-09-25 11:15:02 | 雑感


1968年から72年まで5年に亘って定期刊行された全30巻のクラシック音楽の全集です。

本とレコードを合体した、今でいうと「ディアゴスティーニ」が販売しているような商品です。

各巻に詳細な作曲家の生涯、曲目解説などの読み物があり、LPレコードが2枚付いています。



装丁は豪華で、重く、重厚長大を良しとした高度経済成長時代の産物です。

当時は全何十巻にもなる百科事典が一般家庭にも普及したような時代です。

音楽版の百科事典を、という発想はあって然るべきものだったでしょう。

企画・制作は河出書房新社という出版社で、レコードはビクターと「新世界」というソ連系のレーベルが中心です。

その頃は社会主義に夢を抱く人もまだ多く、また実際東欧・ソ連には優れた演奏家が多かったのでしょう。

時代を感じさせます。

さて、我が家にあるセットは家内が実家から持ってきたもので、お父上が購入された思い出の品だそうです。

余りに場所をとるので、最初は「処分すれば良いのに。」と思いましたが、聴いて(読んで)みると、なかなか良いことに気がつきました。

私はクラシックは門外漢なので、ジャズを聴き始めたとき同様、何を聴いて良いのかサッパリ分かりません。

初心者にとって有無を言わさず聴くべきレコードがあり、手元にその解説等が用意されている、というのは大変便利なものです。

収録されている演奏は、必ずしも当時の決定的名演というわけでは無いようですが、初心者には演奏の良し悪しなど分かりませんから問題ありません。

それにしても金のかかった素晴らしい装丁です。



「もの」として最高品質のものを作ろう、という制作者の思いが伝わってきます。



一般家庭がこんな贅沢な「もの」を揃えていたとは、なんと豊かな時代だったのでしょう。

安っぽい装丁のCD、いや形すらない配信で満足している現在は心の貧しい、不幸な時代だと思います。

さて、ある巻こんなチラシが入っていました。



東芝の「マイスター・ジンガー」というセパレートステレオです。

コンポが登場する以前のスピーカーだけが分離できるセットです。

「河出デラックス」と銘打って購読者特典で特価販売(4割引き:79500円)とあります。

家電メーカーがタイアップするくらいなので、この全集はかなり売れたのでしょう。

とは言っても、1巻2500円(巻より2800円)は、当時の大卒初任給30600円からするとなかなかの金額ですから、1億総中流社会以前では購買層は限られた筈です。

以前、渋谷のレコファンに行ったとき、この全集の数巻が1巻100円で売られていました。

需要を考えればそんなものでしょう。

私だってこれから買おうとは思いません。

ただ、それを見て、ますます手放す気はなくなりました。

保管場所がある限り持ち続け、時々聴こうと思います。



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