
「91(ナインティ―ワン)」レーベルでの8作目は、1990年の「リメンバリング・バド」以来9年振りのピアノトリオ作品で、タイトル通り日本に縁のある曲集です。
以下の7曲が収録されています。
1「キョート・パラドックス」
「モノポリーゲーム」に収録された「琴とジャズ・オーケストラの組曲」の第1部の曲です。
2「チルドレン・イン・ザ・テンプル・グラウンド」
原曲は相馬民謡「かんちょろりん節」で1965年「トシコの子守歌」に収録され、その後1975年のビッグバンド作品「ロング・イエロー・ロード」で「チルドレン~」名で発表されました。
3「鶴崎踊り」
大分民謡の「鶴崎踊り」を元にした新作です。秋吉さんが1998年に大分県から「かぼす大使」に任命されたことへの返礼だそうです。大分県は中国から引き揚げてきた秋吉さんがまず落ち着いた場所(別府)であり、またジャズピアニストとしての第一歩を踏み出したところでもあります。
4「毬と殿様」
2と同様「トシコの子守歌」に収録されていたおなじみの童謡です。
5「リポーズ」
1996年発表の「フォー・シーズンズ・オヴ・モリタ・ビレッジ」収録の同名組曲の第1部(冬)です。
6「プレイヤー」
1991年の「カーネギーホール・コンサート」収録の「鴻臚館組曲 」パート2です。
7「グルービン・イン・ヨコハマ」
トランペットの原朋直とアルトサックスの山田穣を加えたクインテットによる初録音の曲です。フロントの二人を思い浮かべて書いたそうです。
リズム陣は、ベースが「モノポリーゲーム」に参加していたフィリップ・アーツ、ドラムスは1960年の「トシコ=マリアーノカルテット」のメンバーで1987年「インタールード」にも参加したエディ・マーシャル(6だけカール・アレン)です。
「日本人である自分のジャズ」を貫いてきた秋吉さんが、日本をテーマにして制作した初めてのアルバムです。