きょうも映画館通い by Banzong

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2017.12.10 池袋で溝口健二監督『元禄忠臣蔵』前篇・後篇を一挙に観る。「大忠臣蔵映画祭」(すごい企画だ!)の一本です。

2017-12-10 | 映画レビュー
朝から池袋で溝口健二監督『元禄忠臣蔵』前篇・後篇を一挙に観る。新文芸坐はいま「大忠臣蔵映画祭」開催中(12日まで)なのです。

映画祭にかかっているのは合計17本。邦画各社のオールスター大作が多く、それぞれ結構長いのですが、この映画も合計233分という長編。前篇は1941年の太平洋戦争直前に、後篇は翌年に公開されています。80年にリバイバル公開されているのですが、観逃しました。

先輩にいただいたDVDを持っています。導入部を観て、これは映画館で観るべきだ、と思い、おあずけにしました。というのは、売りものが、江戸城松の廊下のセット。戦争直前の厳しい時代にもかかわらず、監督が「元禄時代の江戸城通りに造れ」と命じて作られました。その費用だけで軽く映画一本が作れるという豪華なものだったといいます。クレジットをみると、建築監督新藤兼人とあり、若き日の巨匠はそのセット担当だったことがわかります。新文芸坐の大画面で観てよかった。本物の迫力はやはりちがいますね。

真山青果の新歌舞伎が原作。史実にもとづいたストーリーだそうです。こうして通して観て、大石の京都での遊蕩など初めてわかったことが多く、勉強になりました。

前進座を中心としたキャストで、内蔵助は河原崎長十郎。戦後の映画でおなじみの役者さんもいます。もともと歌舞伎俳優だった市川右太衛門は徳川綱豊という儲け役。中村翫右衛門とのやりとりは見せ場です。河津清三郎もお殿様役、加東大介がちらっと出てました。女優では映画賞に名を残す山路ふみ子、高峰三枝子。高峰さんは意表をついた出方でした。

4Kデジタル・リマスターにしてくれないかなあ。特に後篇、細部がきれいだろうな。ぜひ観たいです。



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