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【香港:社会】9/20老舗レストラン「ユッカデラック」閉店

2005-09-21 16:49:32 | 【香港:社会】
ニューテリトリー・馬料水の丘にある古いレストラン「ユッカ・デ・ラック (Yucca De Lac: 雍雅山房)」が21日午前0時をもって門を閉め、42年の歴史に幕を下ろした。




雍雅山房の最後の営業日は夕方6時から駐車場がいっぱい。多くは昔からの同店のファン。不動産業の「中原地産」が30万ドルで借り切り、パーティー形式で最後の夜を迎えた。このため、招待されていない人は「最後に食事したい」と思っても入場できず外で眺めるのみ、しかたなく入り口で写真を撮って帰る人も多かった。




 1963年に瀟洒なレストランとして開店し、香港映画のロケ地として知られる。ここでよく撮影をした往年の映画スター、胡楓さんはこの夜も招待され来店。昔よくここでお茶を飲んだものだと懐かしがった。
また招待客のひとり梁耀忠・立法会議員は、「子どもの頃、家は貧しくて、ユッカデラックになんてそうそう来られはしなかったが、いま閉店と聞くと、寂しいものがある」と語った。

また熟年タレントのマリアさん(肥媽)は、「昔はね、デートでここへ連れて来てお茶飲ませてくれなかったら、『遅れてる~』と男を下げたものよ」と当時の青年たちの思い出を語った。

 3億8千万香港ドルで個人名義でユッカデラックの土地を購入した百樂集團の羅家寶会長も出席。07年までに、低密度超高級住宅を建設をして分譲すると計画をぶちあげた。また同店のスタッフへ、退職のはなむけとして一人あたり現金5000ドルのチップを差し上げると発表した。

不動産の中原地産は、「ここのすばらしい眺めがあれば新マンションの相場も1スクエアフィートあたり17000~18000ドルは楽勝でしょう」と予測する。

同店のマスター、彭鑒汀さん(79)もなじみの客達と昔話に花を咲かせた。5時にはこれまで一緒に頑張ってきてくれた40名以上のもスタッフをねぎらうため、アワビ、子豚の丸焼き、「名物・子バト丸焼き」などで宴席を持った。

彭マスターは、青春のすべてをこの店に注いでいたと振り返る。当時としては新しい「露天のカフェ」をするのにこの場所が最適だと直感したのが最大の原因だったという。「お客様がいらっしゃってくれたからこそ、ここまでやってこられた」と感謝のことばを語った。

19歳からユッカで働いてきた盧志平さんは、もともとバイトで入ったのが、長期契約となり、そのうち部長になって、ずっとユッカの歴史を見続けてきたという。今夜で終わりかと思うと、胸にこみ上げるものがあると語った。「わたしは家にいるより、ここに立っている時間のほうが長かったよ。ここはわたしの家みたいなもんだ」。

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