春の野に ぽつんぽつんと 花が咲く
色彩の無い 自然の中に 花が咲く
色とりどりの 色鮮やかな 花が咲く
木々の枝にも 花が咲く
あちらにも こちらにも
あたり一面 花が咲く
それは母なる自然の 命への讃歌
そしてそれは 命の喜び
～～～～～～～～
春爛漫の 豊かで美しい 自然の中にいる
それだけで 魂のすべてが満たされるのだろうか
何か足りないものがあると 感じる
遠くの方に 人々の笑い声が聞こえる
懐かしく
彼らと 心から笑い合うことができたなら
この自然の中に
そうすればきっと すべてが満たされる
私の魂が確かに そう感じるのだ
～～～
何ものにも 頼ることなく
強く たくましく生きる
すべて己一人の力だと 信じて生きる
この広大な宇宙に浮かぶ 小さな地球の中に
その母なる地球の 優しさの中に
赤子のように 生きる
人智を超えた 大いなる力の中に
すべて己一人の力だと 信じて生きる
愚かしくも
～～～～～～～～
批評するということ
そこには己の中に 正しいと信じるものが
なくてはならないだろう
風雨に耐え得るほどの
しかし 実際のところ
それが本当に 正しいかどうかわからない
人間である限り
神ではないのだから
我々の誰もが この世に
発展途上の人間として 生きている
魂の豊かさを 求めながら
真実の光を 求めながら
もし 批評というものに意義があるとしたら
それは 我々が目指すべき方向に向かって
進んでいるかどうか
それを 指し示すことにあるのではないか
水先案内人のように
それが 誤りであるとしても
～～～～～～～～
知識人というもの
彼等が纏う
思想や 哲学や 理論
それらを剥ぎ取れば
そこに頼りない 一個の人間があらわれる
それこそが この世にこうして生きる
本当の 人間の姿
嘘偽りのない 魂の姿
～～～
草間彌生の 水玉模様
人の心の 中にも
人と人の 繋がりを求めて
シャボン玉のように 浮遊する
大気の中に あふれるほどに
すべての人との 繋がりを求めて
水玉模様が
大気の中を 浮遊する
～～～～～～～～
春の光が 命の光となり
あたりに 満ち溢れる
母なる自然の 永遠なる宇宙の
命の波動を 感じる
大いなる 命の力を
～～～～～～～～
春爛漫の 陽光の中に
桜が 満開になる
小鳥の歌声が 木々にこだまする
今やすべての命が 目覚める
しかし 人間社会に
ウィルスが 蔓延する
命を 奪うほどの
この平和な 風景の中に
俄かに 信じられぬほどに
それでも自然は 変わることなく
ただ美しく 佇むばかりだ
～～～
「死について考える」という 遠藤周作の本が
私の本棚から 四冊も出てきた
おそらく昔 本屋に立ち寄り
この本を目にするたびに 買い求めたのだ
死というものに 深い関心があったために
しかし その本を読むことなく そのまま
本棚の奥深くに 押し込んだのだ
そうして 四冊も溜まったのだろう
しかし今 この本をじっくりと読む
作家としての キリスト教徒としての
遠藤周作の真摯な姿が 見えてくる
人はこの世に 何のために 何を求めて生きるのか
心弱く 頼りない一個の人間として
神を求めながら 光を求めながら生きる
遠藤周作の真摯な姿が 見えてくる
そして 死というもの
それは 誰も逃れることのできない 人生の最も大きな問題
遠藤周作は言う
人は死んでも 魂は滅びることなく存在し続けると
それは 現代の科学では到底 解明できないけれど
数多くの信頼するに足る 学術的な臨死体験の調査が
それを 証明しているという
我々の魂が 永遠なるものであるのなら
我々が この世にこうして生きていることは 偶然ではなく
悠久の大地に 途絶えることなく流れるガンジス川のように
我々の魂は 永遠なる世界の中に 生き続けているのだ
人智を超えた 大いなる宇宙の摂理の中に
魂の豊かさを求めながら
～～～
野に咲く花が 美しいと
あなたは 言う
心から
微笑みながら
あなたの その声が
私の心に 沁み透る
その花の 美しさと共に
何層倍にもなって
～～～～～～～
詩というもの
そこに 力がなければ
心を 動かすことはできない
魂の宿った 言葉の力が
～～～～～～～
世界の富と力を集めた アメリカ文明
その映画と 音楽と 芸術
それは 社会の表層が沸騰して 生まれたもの
社会の 魂の 奥深くを動かすことなく
この先に人間の 人類の 目指すべき光はあるのだろうか
多くの人々が取り残された その先に
～～～
