心のままに

おもいを言葉に

年の瀬の

2019-12-26 01:19:01 | 日記

 

  年の瀬の ストーブのついた 台所の食卓

  よく味のしみ込んだ ぶり大根の夕餉

  妻と静かに 一年を振り返りながら

  外はしんしんと冷える 冬の夜

 

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  我々は日本人として この現代社会に生きる

  様々な問題を抱えながら

  しかし 人間の根本的な問題に比べれば

  それは 表面的な問題に過ぎない

  人間として この世に生きている限り

  どんなに時代を経ようと 変わることのない

  人種 国籍 言語が違っていようと

  我々が ここにこうして生きている

  その 本質的な問題に比べれば

 

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  思い通りにならない 心の働き

  次から次へと 湧き出る心

  しかしそれは 何かしら濁っている

  どうしようもなく

  清水に 魚が棲まないように

  我々の心も 濁りの中に生きている

 

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  真実の声 

  それが 人の頭を通って 

  文字になると 濁る

  ただ黙って 真実の声を聞く

  ありったけ 心を開いて

 

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どんなに

2019-12-22 16:24:40 | 日記

 

  どんなに 思いを巡らしても

  人間には 見えてこないものが あるのではないか

  ちょうど 地を這う蟻が 頭上に 

  広大な空があることに 気がつかないように

 

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  生物の歴史は 淘汰の歴史

  強いもの 環境に適応したものが

  生き残っていく

  同じように 人間も淘汰されていくのだろうか

  もしそれが 自然の法則であるのなら

  我々は 何と悲しむべき存在であることか

  生き残っていくものと 淘汰されていくもの

  生き残っていくものの先に 本当に

  人間の豊かな未来が あるのだろうか

  誇るべき

 

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  天文学の発達によって 地球と同じように

  宇宙に生命が存在することが わかってきた

  仮に 人類のような知的生命のいる星が 銀河にひとつあるとすると

  宇宙に おそらく数千億ある銀河と 同じ数の知的生命がいることになる

  宇宙の中で人類は 特別な存在ではないということである

  そして それぞれの知的生命には それぞれの神がいることだろう

  それぞれが信じる それぞれが求める 神が

  そのすべての神が集まった その祈りの先に

  大いなる宇宙の 生命の真理が きっとあるに違いない

 

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いつの日か

2019-12-13 16:46:04 | 日記

 

  ひと彫り ひと彫り 

  木を削る のみの跡

  その ひと彫りひと彫りは

  詩の言葉の ひとつひとつ

  いつの日か 

  仏を 彫り出すための

 

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  少年のような 夢をみる

  超人となった 夢を

  忍者のように

  疾風のように 走り去り

  ましらのように 飛び跳ね

  ムササビのように 滑空する

  誰よりも 強く

  正義の味方となって

  嗚呼 人生がそんな風に

  無邪気なものであったなら

 

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  この世に生まれ

  いろいろ着飾って生きたところで

  しょうがない

  人生の最期を迎え

  そのすべてを 脱ぎ捨てた時

  それでもなお そこに残るもの

  それこそが 何よりも大切なもの

 

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  風鈴を鳴らすことのない風が吹く

  力のない 空虚な風が

  命に働くことのない風が

  社会の中に

  だから 風鈴を鳴らす風を 探し求める

  生きている命に働く風を

 

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  ある詩人が ひとつの詩をつくるのに

  どれほどの 時間をかけることかと言う

  技巧に 技巧を重ねて

  どのようにも 変わり得る

  それによって 真実が変形していくことに

  気がつくこともなく

 

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小春日和の

2019-12-04 13:28:05 | 日記

 

  小春日和の よく晴れた日

  村の小径を 歩けば

  あちらからも こちらからも

  笑顔が 返ってくる

  その ひとつひとつが

  思い出として 心に刻まれる

  人生の 宝石のように

 

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  満天に 星がまたたく

  文明から 遠く離れた山の上に

  宇宙の奥深くから

  太古の姿のままに くっきりと

  しかし 文明の明かりに近づけば

  その姿が おぼろになっていく

  宇宙の奥深くから

  その声の弱まり 聞こえることもなく

 

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  詩人という 職業があるのではない

  真実の人生を 生きたいと願う心

  誰もが 人々と共に 人々の中に 

  それが 詩となる

  人間としての

 

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憂鬱な

2019-12-01 09:27:51 | 日記

 

  憂鬱な 心を抱え

  空白の時間を 為すこともなく

  ただじっと アメイジング・グレイスを聞く

  その豊かな 女声の歌声が 心に響き

  心が安らいでいくのを 感じる

 

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  冬の 氷点下の朝

  田畑一面に 降りた霜が

  山の端より 顔を出した

  太陽の光に 解ける

  寒々と澄み渡った 大気の中に

  農婦が一人 洗濯物を干す

  そして 太陽の光の中に

  思いっきり 手足を伸ばし

  大きく 息をはく

 

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  我々の中心を貫く 一本の太い光がある

  過去から未来へ 向かって

  宇宙の真ん中から

  しかし 現代社会の空気に触れると

  その光は 屈折し 歪曲する

  中心からそれて

  そして いくつもの細い光に 枝分かれしていく

  線香花火のように

  そして その光の先は 闇の中に消えていく

  未来へ突き進む 力をなくして

 

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  現代社会においては 頭の良い者ばかりが増えていく

  彼らの声が 社会の表層を波立たせる

  その底深くを 動かすことなく

  心を 伴うことなく

 

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