家の裏に 家に寄り添うように
八重桜の木が 立っている
普段 気にとめることもなく
ひらひらと舞う 花びらに
ふと 見上げれば
そこには 満開の八重桜
こんなにも 美しかったのかと
しばらく そこに佇む
最も身近にいる 母親の愛情に
やっと気づいた 子供のように
~~~~~~~~
四角いブロックを 積み重ね
高みに 至らんとする
ブロックを一個ずつ 上へ上へと積み重ねて
しかし その不安定さのために
わずかな衝撃にも たちまち崩れ落ちる
少しの高みに 至ることもできずに
広大な 四角い基礎の上に
ブロックを一段ずつ 積み重ねていく
大量のブロックを ピラミッドの形に
そして ピラミッドの頂点に 高みを獲得する
五千年も 揺らぐことのない高みを
広大な 基礎の上に
~~~~~~~
大いなるものの中に
すべての命が 生きている
~~~~~~~
野良猫が一匹 草むらの中を じっとうかがっている
ずっと 一時間ほども
一食の食事を得るために これほどの時間をかけて
わずか十分で片づけた 我が食事のことを思うと
そして余った時間で こうして野良猫を観察している
緊張のない時間の中に
今も野良猫は 一食の食事を得るために 真摯な時間の中にいる
どちらの命が より輝いているのだろう
~~~