映画と周辺

レンタルDVD映画の勝手なインプレッション。車や音楽、その他もろもろ脱線予定。。。池袋の定点観測もする。

カーズ

2006-07-18 13:46:11 | 映画
ストックカーレース界の新人“ライトニング”マックウィーンは、伝統あるピストン・カップに出走するために、トレーラーで移動していた。しかし思わぬ事故でトレーラーから放り出されてしまい、たどり着いた先はルート66沿いのラジエーター・スプリングスという、時が止まったようなオールドタウン。町の道路や施設を破壊したという罪でボランティア作業を余儀なくされる・・・。


「トイ・ストーリー」のジョン・ラセターが久々の監督復帰ということでも話題の今作。ピクサーの前作が比較的大人向けのプロダクション・デザイン(ニモとかと比べてってことね)だったこともあって、ラセターがどう出るのか非常に興味があった。
結果としては、非常にバランスのとれた作品で、予想通りといえばそうなのかもしれない。ストーリー自体はかなりベタなもので、憎たらしいライバルや引退真近のトップレーサー、伝説のレーサーとの出会いあたりは、出た出たという感じ。実は自分仕事で、車がレースの世界で生きていくようなゲーム(もちろんしゃべるし恋もする)を作ったことがあって、ああ考えることは大体同じなんだな、という気がしてちょっと安心した。だから車がしゃべるのにも全然違和感無かったし、フロントウィンドウの目も、ああこの手があったかと思ったほど。ヘッドライトを目に見立てちゃうと、車のデザインにキャラが左右されちゃうんでキビシイ。ひとつ難点は窓の目とグリルの口とヘッドライトの位置バランスによっては、どうやってもヘッドライトに目がいっちゃう車もあったりして。

仕事柄もあるが、CGに関してはそうは驚かない体質になってしまっているが、この作品のCGはかなり出来がいい。車の接地感というかそのへんの表現が見事に再現されている。広大な風景の空気感も素晴らしい。話の展開として美しい風景を眺めるシーンがあるが、もちろんフルCG。でも確かに美しく見えてしまう。作り物なのに・・・。


車の知識やもっと言うとNASCARの知識があると、倍は楽しめると思う。アメリカン・フィフティーズへの造詣なんかもあるとなおよし。意外とマニアックなネタも多く、その辺のバランスがやっぱりピクサーは巧い。ただ、話の肝になってるドライビング・テクニックが<カウンター・ステア>(※要は逆ハン)って微妙だな。それって頭で考えなくても体が勝手に反応するレベルのことだと思うんだが・・・。


オープニングで「One Man Band」っていう短編ムービーが上映されるが、これもさすがという感じ。ピクサー作品を「Tin Toy」あたりから見てる人には懐かしさがこみ上げる。