映画と周辺

レンタルDVD映画の勝手なインプレッション。車や音楽、その他もろもろ脱線予定。。。池袋の定点観測もする。

Mr.インクレディブル

2005-10-01 01:31:44 | 映画
「スーパーヒーロー」は、その有り余るパワーのせいで活躍を禁じられ、一般市民として生活することを余儀なくされた。市民を守る正義感との葛藤に思い悩む元スーパーヒーローの物語。

大前提としてスーパーヒーローの存在とその苦悩に真実味を持たせる必要があるのだが、その辺の前フリはしっかりやっている。反面、その前半が退屈なのは皮肉だね。客がこの映画に何を期待してるのか。ファインディング・ニモであり、モンスターズ・インクだと思うが、そういう意味ではピクサーのチャレンジが感じられるのも確か。明らかに今までの作風とは違う。
まず人間が主人公、というか出てくるキャラクターはほぼ人間。
あと、何人も死ぬ。
背景設定が子供向きじゃない。

オープニングやエンドタイトルのカッコ良さは目に付く。古きよきスパイ映画をモチーフに楽しんで作ってるのが感じられてGOOD。ただ本編は、スパイダーマンとスパイキッズを足したような設定で、新しさは感じない。コレ、実写映画だったらかなりしょぼい映画だろうなー、と思う。物語はよく練られてて、確かにそこそこは面白い。でもとりたてて、どうこう言う映画でもない。

「スパイダーマン」の主人公は、普通の人になりたいけど、でもこの授かった才能を持て余すことに対して苦悩する。誰に相談することもできない、深い深い自分だけの悩み。この苦悩は、こうやって書くだけでも共感できる。ぱっと見、キラキラしたSFX満載の娯楽ムービーだが、実はかなり深いところで勝負している映画だったりする。

一方この映画の主人公は、自らの生きがいをお上に取り上げられて苦悩し、こっそりヒーロー活動なんかやっちゃったりする。そこに家族が絡んできて、結局は家族を守るために悪者と対峙する。悪者をバンバン殺し、家族を必死で守ろうとする。
これって、いかにもなハリウッドアクション映画が目指す手法。そこにピクサーは足を踏み込んでしまった。

確かにアクションシークエンスは痛快だし、ピクサー風CGのスタイルは確固たるもので安心して観ていられるんだけどな~。
たぶんピクサー的には、今以上に突き抜けた何かを模索するためにコレを作ったような気がする。次回作はおなじみのラセターが指揮をとるということでもそれは伺える。

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