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中学校教師 生き残り術

平凡な中学校教師が、中学校現場の「小技」「知恵」「うまくいったエピソード」「失敗例」を紹介します。

(69)一人でも自分を嫌う人がいると 失愛恐怖

2008年04月08日 | Weblog
昨年度の話です。生徒名は全て、仮の名前です。

学校体制の取り組みの一つとして、授業成立に困難な教室を参観しました。
授業中に、光男君と祐樹君の私語があまりにもうるさかったので、教室の後ろから指導しました。
感情的に怒鳴らないことに気をつけ、低い声で毅然と言いました。
「私語をやめなさい!この授業の遅れをあなたたちはどう責任をとれるのですか?」
学級全体が落ち着きを取り戻し、授業は再開しました。

さて、この授業が終わってから、授業をまじめにやっていた仁志君の様子がおかしい。
学級担任のところへ行き、なぜ私が授業参観に来たのかと不満を言いました。
私に聞こえるように「帰れ!」と教室で何度も叫んでいました。
中学生特有の嫌がらせの技です。

私は学担を介して、仁志君と懇談をしました。
私が授業中の私語について指導したのは仁志君の事ではないこと、仁志君が授業でまじめに学習していることを私は見ていることなどを話しました。
仁志君は、懇談の終わりまでふてくされたような態度でした。
しかし、「すみませんできた」と頭を下げて退室しました。

この懇談を機に、私と仁志君の関係はよくなりました。

仁志君は、このような思いがあったのかもしれません。
「一人の教師(私)が自分を悪い生徒として見ている。」

私たちはたった一人の人に嫌われていると感じるだけで、その場に行きたくもなくなるものです。

仁志君もこのような気持ちだったのかもしれません。

「構成的グループエンカウンター事典」(総編集 國分康孝 國分久子/図書文化)に次のように書かれていました。

失愛恐怖:自己保存本能からくる、人から拒否されると生きてはいけないのではないかと思う気持ち。


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