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中学校教師 生き残り術

平凡な中学校教師が、中学校現場の「小技」「知恵」「うまくいったエピソード」「失敗例」を紹介します。

(94)イエスセット 懇談の入り口

2008年05月03日 | 生徒指導
生徒と懇談をするときに、生徒の言葉を促す方法、イエスセットです。
カウンセリングの勉強会で学びました。

口げんかをして泣いている男の子とがいました。
まずは興奮がおさまるまで、個室でそっとしておきました。
落ち着いたところで、学級担任の私が話を聞き始めました。

「泣くほど悔しいことがあったんだ?」
生徒はうなづく。
「友達から何か言われたんだね?」
生徒は小さな声で「うん。」
「それで悔しかったんだね?」
「うん。」
そして、事情を尋ねる質問をしました。
「なんて言われたの?」
生徒は、顛末を話し始めました。
私は「そうだったんだ」「そうだね」と生徒の話を聞きました。

生徒に語らせるための方法、イエスセットです。
主訴をすぐに話したい生徒もいますが、口を開き難い生徒もいます。
話してくれそうにない生徒との懇談のはじめに、教師が「はい」と言わせる質問をします。
生徒は「はい」と言う行為を通して、次第に主訴を語りやすくなります。

(86)校内徘徊をしてしまう生徒の教科担任

2008年04月25日 | 生徒指導
授業中に校舎内を徘徊してしまう生徒の教科担任をしたことがあります。
彼らは時々、私の授業に参加してくれます。
そのとき、当然彼らは教科書、ノート、筆記用具を用意していません。
もともと学習習慣が身についていない彼らです。
用具がないから、当然学習になりません。

私はこうしました。
彼らの教科書、ノート、筆記用具を私が預かり、授業教室に持っていく。
彼らが着たら、授業用具一式を渡す。
授業が終わったら、用具一式を私が預かる。

このことを、彼らの同意の元に行いました。

こうする彼らが授業に来たときに、用具がないという状況は改善されます。
そしてさらにいいことがありました。

学校でも番長格の卓君(仮名)。
気が向くと授業でノートに書きます。
授業に毎回出ていたわけでもなく、出たとしても何もしないときもありました。
しかし、私がノートを管理していたので、1冊のノートに、気が向いたときに書いたページが積み重ねられていったのです。
ノートの半分くらいまで、彼の手によって書かれ、ワークシートも張られています。
ノートを見ると、「勉強したなあ」と思えるのです。

卓君にノートを見せて「ほら、勉強したねえ」と言うと、卓君は照れていました。

卓君の保護者と学級担任との懇談会に同席させていただく機会がありました。
私は卓君のノートを保護者に見せました。
保護者は喜んでおいででした。

授業用具を教科担任が管理する。
甘すぎると批判されそうですが、このような事実もあります。
参考になれば幸いです。