ある思い出

忘れられない映像

子供の頃の記憶


犬をたくさん飼っていた少女

友達がいない子だった

何故か私を家に招いてくれた

私は犬が好きだったので

犬と少女と一日遊んでいた

学年が変わり

いつか姿を消した

今も元気でいるんだろうか

幸せだろうか

きっと大勢の子供と

にぎやかに暮らしているんじゃないだろうか


おでこの女の子

礼儀正しくて

素直な大人しい子だった

書道が上手だった

国語だけは私と成績上位を争っていた

良く図書館で一緒になった

別にしゃべりもしなかったけど

二人とも本に夢中だったから

きっと上品な奥様になっているだろう


人気者だった少年

良くザリガニ釣りに誘ってくれた

スポーツ万能で

確かにカッコ良かった

ザリガニの飼い方を教えてくれた

何故かいつも味方してくれた

私が本を読んでいるのを

邪魔しようとしたワルガキを

とても怒ってくれた

私の方が驚いて

お礼を言うのも忘れていた

カブトムシをあげたら

とても喜んで

大事に飼っていた

二人ともカブトムシがあんなに生きるなんて知らなかった

なんで偏屈な私に

親切にしてくれたのだろう

ひょっとすると彼は、私の障害のことを

知っていたんじゃないだろうか？



みんな不思議な思い出。

あの頃は何も分かっていなかった。

いまも何も分からない。

それでも私は生きていく。

命の限り。

可能性の限り。