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艶やかなフランスの才能

2007-10-28 | 考古学とは何か
ベルト・モリゾ展 家族の絆 幸福の姿
2007.10.27 SANKEI WEB

フランス印象派を代表する女性画家、ベルト・モリゾ(1841~95年)の画業を紹介する回顧展が、東京・西新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で開かれている。自然や人間に温かいまなざしを注ぎ、魅力的な絵画作品を残したモリゾ。約70点の作品を通して、その生涯と画業が浮かび上がってくる。(生田誠)

 「モルクールのリラの木」(1874年)は比較的初期の作品で、姉のエドマと2人の幼子を描いている。富裕な家に生まれたモリゾは、姉のエドマとともに絵を学び、サロンに入選した。エドゥアール・マネと知り合いになり、印象派展には第1回から参加。この絵が描かれたのは第1回印象派展が開催され、モリゾが婚約、結婚した年でもあった。

 彼女は、マネの名作のモデルをつとめたことでも有名だ。家族ぐるみのつきあいから、弟のウジェーヌ・マネと結婚し、母となった。「夢見るジュリー」(1894年)は成長した娘の肖像画で、的確な筆遣いによる安定した構図が見られる。そこに悲しみの影が漂うのは、夫の没後わずか2年の作であり、自らが亡くなる前年に描いたからだろうか。
「テラスにて」(1874年)に代表される、大胆な構成(構図)の作品も残している。決して臆病(おくびょう)な画家ではなかった。ただ、あくまでも自らの身近な題材を選び、表現には女性的なつつましやかさを保ち続けた。好ましい色彩で画面を埋めていくことが特徴でもあった。

 このやさしさがモリゾの魅力だろう。彼女が大切にし、人生の中で浸っていたであろう時間の断片(瞬間)。いまは失われた時間を作品を通して追体験することが、鑑賞の喜びでもある。

 当時の絵画は、19世紀のパリの街角、そこで暮らす人々の日常生活の延長線上にあった。絵の表現には、モリゾのように自らの心情を反映させた、私小説的な魅力を持ち込むことも可能だった。

 人目を驚かす色使いのゴッホ、理想の形を眼前に出現させたセザンヌ、光を自在に操ったモネ…。彼らの作品と比べると、モリゾの絵に不足するものも見えてくる。しかし、家族の絆(きずな)、幸福の姿を表現した作品の魅力は、決して色あせることはない。

 11月25日まで。月曜休館。問い合わせは(電)03・5777・8600。
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ジャポニズムの影響を受けながら自然発生した印象派。

今も素晴らしい輝きを留めていますね。

マネの作品に黒い衣装と黒い帽子を身につけたモリゾの肖像画があります。

繊細で力強いタッチはモリゾの心の豊かさ、優しさを良く表現しているように思われます。

家庭の暖かさ。

個人主義の発達したフランスだからこそ、尊重されるものなのかも知れません。

真に豊かな個性は安定した家庭の文化からこそ生まれることがあるのですから。


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