ポカ〜ンとする梅雨の空気
11年前
アユと凛のお葬式の日が終わって
なんだか
身体のどこかがからっぽになって
表面だけジメっとした感覚を思い出した。
あの時
会えなくなってまだ数ヶ月
何がなんだかわからないまま
いろんな事が過ぎて
抜け殻になったみたいに
何もかもからっぽだった。
人の声もなんの音も空気の動きも何もない所に
ただジッとしていたかった。
自分の身体を動かす事も
大変だった。
そんな事をフッと思い出す梅雨の空気
それでも
アユと凛はすぐ近くで笑っている気がする。
ずっと会ってないのにね。
トンネルの中で叫んでるみたいな声が
わーんわーんと鳴り響いていて
だんだん遠くなって行く。
時々近くに来て
時々遠くなるのかな
そんな感じがする。