-勅なれば いとも畏し うぐいすの宿はと 問えば いかが答へむ-
四鏡の一つ「大鏡」の話の中に、出てくる和歌です。
この和歌の出てくる話を、かいつまんで書くと
(あらまし)
-村上天皇の御世に、清涼殿の梅の木が枯れた。
よって「代わりを探して来い」と言われ、
大鏡の語り手の一人、夏山繁樹が京都中を捜し歩き、
ある家に、「良さげな」梅の木を見つけた。
「おお!これだ」と思ったので、掘り返したら、
その家から使いの誰かが出てきて(女の童でも出てきたんでしょうかね?)
文を差し出し、これを付けて、その梅を宮中に持って行けと言う。
何か理由があるんだろうと思って、言われたとおりに、宮中に持って行った。
宮中で帝が訝しがりながら、文を見ると上記の和歌が書いてある。
この家の主は誰だ?と近所に聞いたところ
「紀貫之の娘が住んでいる」とのことだった
-という話です。
この話のキモは
「勝手に、掘り返した」という辺りかなと、思っています。
家主の許可なく、人の家に入ってきて、庭を掘り返す。
今で言えば、
①不法侵入
②器物損壊(梅の木)
③窃盗罪
に該当しますよね。
(家主が許可したので、窃盗罪は成立しないかも。。。ですが)
「風流でなければいけない」平安人が、
しかも
「風流人としても、その頂点に立つべき帝が、何してんのよ!」というお話です。
この話は、いろいろと面白いので、続きます。