goo blog サービス終了のお知らせ 

あや乃古典教室「茜さす紫の杜」

三鷹市&武蔵野市で、大学受験専用の古文・漢文塾を開講しました。古文教師の視点から、季節のいろいろを綴ります。

鶯宿梅(おうしゅくばい)①

2013-02-24 00:55:39 | 

-勅なれば いとも畏し うぐいすの宿はと 問えば いかが答へむ-

四鏡の一つ「大鏡」の話の中に、出てくる和歌です。
この和歌の出てくる話を、かいつまんで書くと

(あらまし)
-村上天皇の御世に、清涼殿の梅の木が枯れた。
よって「代わりを探して来い」と言われ、
大鏡の語り手の一人、夏山繁樹が京都中を捜し歩き、
ある家に、「良さげな」梅の木を見つけた。

「おお!これだ」と思ったので、掘り返したら、
その家から使いの誰かが出てきて(女の童でも出てきたんでしょうかね?)
文を差し出し、これを付けて、その梅を宮中に持って行けと言う。

何か理由があるんだろうと思って、言われたとおりに、宮中に持って行った。

宮中で帝が訝しがりながら、文を見ると上記の和歌が書いてある。
この家の主は誰だ?と近所に聞いたところ
「紀貫之の娘が住んでいる」とのことだった
-という話です。

この話のキモは
「勝手に、掘り返した」という辺りかなと、思っています。

家主の許可なく、人の家に入ってきて、庭を掘り返す。

今で言えば、
①不法侵入
②器物損壊(梅の木)
③窃盗罪
に該当しますよね。
(家主が許可したので、窃盗罪は成立しないかも。。。ですが)

「風流でなければいけない」平安人が、
しかも
「風流人としても、その頂点に立つべき帝が、何してんのよ!」というお話です。

この話は、いろいろと面白いので、続きます。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。