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あや乃古典教室「茜さす紫の杜」

三鷹市&武蔵野市で、大学受験専用の古文・漢文塾を開講しました。古文教師の視点から、季節のいろいろを綴ります。

内侍⑦

2013-07-07 00:47:24 | 内侍&蔵人
さて、内侍司の女性達は、
元々は、後宮の事務を仕切る「事務屋さん」ですが、

平安時代も下るにつれ、次第に、
長官の尚侍(ないしのかみ)は、
帝の后妃に準ずる扱いを受けるようになってきました。

また、
次官の典侍(ないしのすけ)も、
天皇の侍妾としての性格を備えていることが、
多くなってきました。

内侍⑥

2013-07-06 00:27:32 | 内侍&蔵人
日本史選択以外の方の為に、単語を補強しますと、
古代日本の官職制度では、最初に制定されたお役所群があり、
その後、時々の時代の必要性に応じて、
お役所が追加されていきました。

追加されていったお役所群を、
令外官(りょうげのかん)と言います。

このブログで取り上げる蔵人所(くろうどどころ)も、
最も「有名」とも言える、令外官(りょうげのかん)です。

また、古代日本の官職制度で、最初に制定されたお役所群では、
お役所トップを「かみ」、お役所ナンバー2を「すけ」、
3番手を「じょう」、4番手を「さかん」と称しました。

面倒なことに、各役所ごとに、
「かみーすけーじょうーさかん」を表す<漢字>が異なりますが、
読みにすると、同じです(かみーすけーじょうーさかん)

ちなみに、蔵人所のトップは、
「蔵人頭(くろうどのかみ)」と言います。
こんなトップの名称一つでも、
令外官(りょうげのかん)であることが、窺えます。

内侍⑤

2013-07-04 12:05:41 | 内侍&蔵人
内侍司は、お役所なので、
内部にいろんな役付けが存在するわけです。

今のお役所や組織(部署)だって、
部長ー課長ー主任ー役付けなし の、
いろんな人で構成されていますよね。
同じことです。

内侍司内部の役付けとして、
長官-次官-3番手-4番手 と、ありました。

長官を、尚侍(ないしのかみ)、
次官を典侍(ないしのすけ)、
3番手を掌侍(ないしのじょう)あるいは、
単に内侍(ないし)とも呼びました。

日本史選択の人には、ここで気付いてほしいことがあります!

律令制下の、
四等官制(かみ、すけ、じょう、さかん)に、
極めて類似した構成になっていますが、
4番手の「さかん」を欠き、
また律令制に明記された役所でもありません。

内侍④

2013-07-04 00:38:20 | 内侍&蔵人
また、内侍所(ないしどころ)の仕事の一つに、
帝の身の回りの世話をしたりする、
あるいは、取次ぎをしたりするということがありました。

さらに、内侍所(ないしどころ)の仕事の一つに、
三種の神器の一つである、八咫鏡(やたのかがみ)を模した、
ご神鏡を守護するのも、内侍司の女官の役目でした。

そのご神鏡は、
温明殿の一角に設けられた賢所に奉置されており、
そのため、温明殿のことを、内侍所とも言ったりします。

清和天皇の御世では、
温明殿の女御と称された女性がいたことから、
温明殿は女御の居所であったろうと推測されますが、
時期は不明ながら(宇多天皇の頃という説あり)、
その後、温明殿に賢所が設置されています。

内侍③

2013-07-02 10:59:21 | 内侍&蔵人
枕草子なんかを見ていると、
中宮定子の兄弟は、よく遊びに来ているので、
親兄弟の出入りはOKだったのかな?とも思いますが、
後宮の更にプライベート空間には、
基本的に、帝以外の男性の出入りは厳禁です。

「帝以外の男性の出入りは、厳禁」とは言っても、
後宮にも、細々とした用事は発生するわけですし、
表向き(後宮の外の用事)を、
取りついで後宮に伝えてくれる人も必要なわけです。

さりとて、この時代に、官職に付いている人は、
基本的に男性ですが、
その男性を「仕事」で後宮に出入りさせるわけには行きません。

では、女房は?と考えても、
女房は、専属の家庭教師みたいなものなので、
後宮全般に関わる庶務や雑事には、関与しません。

そこで、内侍司(ないしのつかさ)や、内侍の登場となり、
そんなわけで、彼女らは、古文の世界に、
年中出てくる「謎」の女性たちとなるわけなんです。

内侍③

2013-07-01 14:39:59 | 内侍&蔵人
では、古文には、年中出てきておきながら、
いまひとつ、役割が見えてこない、
内侍という、謎の女性群は、何?というお話です。

最近では、河合塾が、
浪人生にサブテキストに配っている古文資料集に、
極めて簡易的な解説が載るようになっています。

河合塾~(叫)
私が浪人の頃は(河合塾に通いました)、
そんなサブテキストもくれなかったし、
内侍の説明を受けた覚えもない~(叫)

この内侍という女性達は、
内侍司(ないしのつかさ)という、
宮中のお役所で仕事をしていた女性たちです。
後宮における事務全般を仕切る役職のようなもの、
と言えば良いでしょうか。

後宮を機能させるために必要な諸々の役所として、
十二の役職がありました。
後宮十二司(こうきゅうじゅうにし)と言い、
全て女性で構成されていました。

後宮十二司とは、
内侍司、蔵司、書司、薬司、兵司、闡司、
殿司、掃司、水司、膳司、酒司、縫司です。

内侍司(ないしのつかさ)は、そのうちの一つで、
諸々の事務、庶務、雑事を担っていた役所のことで、
そこで働いていた女性たちのことを、内侍と言います。

内侍②

2013-07-01 14:38:58 | 内侍&蔵人
帝のお妃さん達の一群がいますよね。
「女御・更衣あまたさぶらい給ひける中に」ではありませんが、
皇后-中宮-女御(多数)-更衣(多数)です。

例えば、清少納言の枕草子では、
いわずと知れた、中宮定子がたびたび、登場しますね。

帝のお妃さん達に、
お仕えしているお世話役(家庭教師?ふふ)も、いますよね。
女房(にょうぼう)と言われる人たちです。

例えば、清少納言、紫式部、和泉式部などなど、
皆さん、お馴染みの方々です。

内侍①

2013-07-01 14:37:19 | 内侍&蔵人
今月は、内侍と蔵人を中心に、
古文の時代の官職制度について、主に平安期を対象に考察します。

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ところで。内侍(ないし)。
古文で、年中出てくる単語ですが。
この「内侍(ないし)」って、一体、何!?というお話です。

古文に出てくる女性たちとして、まず真っ先に思い浮かぶのは、
どんな女性群でしょうか?