夏への扉、再びーー日々の泡

甲南大学文学部教授、日本中世文学専攻、田中貴子です。ブログ再開しました。

悲しいお知らせです

2010年08月30日 | Weblog
 かねて高齢による認知症をわずらっておりましたくりこが、今日8月30日午前11時

頃に永眠いたしました。老衰と思われます。享年15歳。お誕生日を迎えた直後でした。

 くりこはここ数ヶ月、猫格が変わってしまったかのように食事に執着し、ごはんばか

りねだっておりましたが、それがまったく栄養となることなく、痩せ続けていました。

食欲のあるうちは大丈夫かと思ってはいましたが、ここ数日まったく食事を受け付けな

くなり、歩くことさえままならぬ状態に陥りました。十分な介護のできぬまま、昨夜

昏睡状態となり、今日、眠るように静かに逝きました。

 思えば阪神大震災の年に生まれ、2度の引っ越しを経験し、私が海外に行くときも

シッターさんの言うことを聞いてお留守番した、とてもよい子でした。15年は長いよう

で短いようで、私が原稿を書きで徹夜したときもいつもそばにいてくれました。きなこ

との同居がやや負担になったことは本当に申し訳なく思います。

 今日の夕方、西の空が紫に染まる頃荼毘に付し、今はちいさな骨壺に入って永遠の

眠りについています。

 このブログで最近くりこの登場がなかったのは、彼女の姿がかなり衰弱していたから

です。くりこファンのみなさま、厚かましいお願いですが、どうぞ一瞬だけ、彼女のこ

とを思い出してくださいませ。

 明日からはきなこと二人の生活が始まります。このブログも続けて行きますので、お

引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。

 

ぼくの夏休み日記

2010年08月27日 | Weblog
 ○年×組 田中きなこ

 きょうは、ママと箱であそびました。箱にはあながあいていて、ママがゆびであそん

でくれます。ぼくは、箱がすきです。箱オトコとママはよんでいますが、そのいみは

よくしりません。

 ことしのなつはとってもあつかったです。ぼくはずっとクーラーのおせわになりまし

た。ママはあついので、おおきなものはつうはんで買っていました。すると、箱がたく

さんたまります。ぼくは、ママが箱をあけるたびになかにはいってかくにんするのです。

 もうすぐなつやすみがおわります。ぼくは、たべて、ねて、おしっこして、ねて、た

べて、ねていました。あつくてほとんどあそんでいません。もっとすずしくなったらも

っとあそぼうとおもいました。

またまたmurder pollen のピアス

2010年08月27日 | Weblog
 先日、ぐり茶々母さんにお目にかかりに、銀座松屋で開催中のmurder pollenの催事に

行ってきました。今回はピアスを入手しようと思います。いいのがあるかな?

 いつもながらファッショナブルなぐり茶々母さんとぐりちゃん、茶々ちゃんのお話な

どしながら、ピアスを選んでもらいました。で、お薦めの針水晶をまず試着。ほかにも

いろいろほしいものがあったのですが、結局ラブラドライトに決めて、その場でつけか

えて打ち合わせの場へ向かいました。

 天然石の荒削りな魅力と、洗練されたデザインとがとけあった今回の催事もよかった

です。ぐり茶々母さん、お忙しいときにありがとうございました。

 帰宅してきなこに針水晶を「ふんふん」させて写真を撮ろうと思ったら、くりことも

ども「ごーはーん」の大合唱だったので、後日を期しました。

キナコデラックス?

2010年08月21日 | Weblog
 きなこが窓辺でうっとり涼んでいます。顔の大きさはあまり巨大ではないのですが、

胴回りが「デラックス」。

 ちなみにこのとき聞いていた音楽はシャーデーの「ラブ・デラックス」でした。

*きなこ、耳がこういうふうになっているときは「スター・ウオーズ」のヨーダなのです
が、耳を上に持ち上げてウサギにすると、あら不思議、ピーターラビットに変身するのです。毛色が似ているからでしょうか。ほかにも、宮沢喜一さんとか、似た感じがする・・。




ご隠居さん?

2010年08月20日 | Weblog
 きなこがいつものスタイルで窓の外を楽しんでいます。しかし、そのしぶい感じの顔

と丸まった背中(猫だからね)がいかにも「ご隠居さん」ふうに見える・・・。隠居に

は早いのに。

 さて、昨日は夕方、細雪の姉君が平城京へ行って来たというので京都駅で待ち合わせ、

食事しながらいろいろお話を聞きました。私が大学へ通っているときには「平城宮址」

という大きな石碑しかなかった原っぱが、今はテーマパークのようになっているらしい。

平城京のCGと遣唐使船が見所ありということで、涼しくなったら行ってみようかと思い

ましたが、ここって、近鉄電車の線路が真ん中を突っ切っているので、やや危険ではと

いらぬ心配。

 平城京1300年も案外がんばっているものだと思いつつ、帰宅したらくりこときなこと

がご飯くれーの合唱で迎えてくれました。

 夜は、解説を書くために近藤ようこさんの漫画を再読し、メモをとりました。詳しく

は解説に譲りますが、中世後期のお話に新たな登場人物が加わって、不思議な味わい。

これは「中世日本紀」に似ていると思いつつ、メモは完成。あとは書くだけです。

 いつもの寝床読書は中川越氏『文豪たちの手紙の奥義』(新潮文庫)。「ラブレター

から借金依頼まで」とあり、実例豊富なのですが、おもしろいのはこの本、手紙の書き

方教室ふうになっているところ。「私たちも参考にしたい「手紙の心得」」という章が

あったりして、三島由紀夫の『レター教室』をふと思い出しました。

 ラブレターですごいのは、斎藤茂吉の「道ならぬ恋」の手紙。恋人の写真をじっくり

眺め、「くいつきたい」と書く茂吉に、これもふと、茂吉は鰻が好物であったことを思

い出し、鰻食べているとこうなるのか、などと阿呆なことを考えつつ就寝。

 だんだん夏がなくなってゆく・・・。宿題してない子どものような気分です。

スキマスイッチきなこ

2010年08月16日 | Weblog
 猫は隙間が好きですね。この暑さですが、クーラーで涼みすぎたら、きなこはキャッ

トタワーと壁とのスキマに入り込んで寝ています。頭の上にあるのはコードです。危険

なのでこの後は取り外しましたが、おつむの上に乗っていてもかまわず熟睡。ちょっと

ウルトラマンの頭に似ています。

 きなこは実のお母さんがペルシャのせいか、ちょっと毛が長めです。スキマをちゃん

と掃除しておかないと、きなこの毛が「掃除」してしまうので、要注意。

 最近、ちょっと鼻ぐずぐずになったのでお薬を飲んだくりこ。ところが、そのままで

は飲んでくれないので、猫缶にまぜまぜしてスプーンで食べさせたら、それが習慣にな

ってしまい、私は毎日4回、きなこにスプーンでごはんを食べさせる羽目になりました。

これは乳母日傘としかいえませーん。おかげで私は朝4時に起こされます。

 睡眠時間を難とかしなければ・・・。もう、うちのぼんぼんったら。

残暑お見舞い申し上げます

2010年08月12日 | Weblog
 あっというまに8月も半ばになってしまいました。今年の猛暑で夏ばてのうえ、くり

こが食欲の権化になって「くれーくれー」とつきまとうので、ちょっと疲れ気味。

 さて、『思想』のヘイドン・ホワイト特集は充実の読み応え。今、じっくり読みこんで

います。歴史のある種の「欺瞞」について考えさせられることしきり。歴史と文学との

関係にも大きな示唆がなされています。
 
 高田公理氏『語り合うにっぽんの知恵』(創元社)は、以前朝日新聞大阪版で連載

していた「にっぽんの知恵」をまとめた第二弾。私は「音の風景」で高田氏、中川真氏

と語り合ったのですが、それも入っています。ほか、「女子大生」で某女史が、女子大

の未来はセレブの妻養成機関、などとすごいことをいうたはるのが見物です。さて、誰

でしょう?ふふふ。

特製きなこバッグ

2010年08月11日 | Weblog
 二ヶ月ほど前に、転写バッグというのを申し込んでいたのですが、このたび出来あが

りました。もちろんきなこの写真を使っています。背景にいろいろな画像を組み合わせ

られたのですが、「NYっぽい道路」だと「捨てられた猫」みたいになるし、「LAっぽい

海岸」だと「漂着した猫」みたいだし、やはりここはイングリッシュローズ咲き乱れる

「ええしの猫」ふうに決めました。これはうちの自宅ではないので念のため。

 表面にビニールカバーがかかっているので、あんまりきれいに写らなかったのですが、

雨の日なんか便利そうです。なんとかA4が入る大きさで、サブバッグ用かな。

 写真のデータを持参して作ってもらうのですが、きなこの鼻横にちょっと目やにがつ

いていたので、「修正」をしてくれました。女優さんの肌もこうやるのや~、と納得。

 きなこ本人に感想を聞いてみたところ、匂いをかいだだけでした。ちなみに、これは

京都伊勢丹でのフェアで作ったもので、デパートのバッグ売り場で定期的に行われてい

るそうです。

キナメカ文明展ポスターモデル候補

2010年08月09日 | Weblog
 キナメカ文明とは、紀元前5000年前にいったん滅びたといわれる「鼻の低い猫」を

活仏として祀る高度な文明であった。人間によって活仏が愛玩されたり、犬の脅威

に負けたりしながらも活仏は細々とその命を長らえ続け、ついに1980年代のアメリカ

で、活仏そっくりな猫種「エキゾチック」が生まれるに至ったのであった。その伝播

のすさまじさは筆舌に尽くしがたく、全世界の猫好きを席巻しつつ、活仏の血脈を受け

継ぐ猫たちが人間の生活に浸透していったのである。そして、ここ日本西部の町では

ことさら活仏に似た鼻のめり込み方の激しい猫が、密かに「キナメカ文明」を再興し

ようと企んでいたのだ。彼、きなこは「オルメカ文明展」のポスターを見たとき、思

った。「ボクの血が神話の世界を呼んでいる」と。オルメカ文明展と同じく、きなこは

キナメカ文明展の開催を企図した。そして、その浄財はこの濁世に再び活仏を祀るため

の資金として使われるべく、「ねこども銀行」へ貯金されることになる。もちろん

ポスターのモデルは、オルメカくん(とよんでええのか?)に代わることのできる自分

だと、きなこは信じているようである。


*念のためですが、これは全部フィクションです。

誰かに似ている・・・

2010年08月09日 | Weblog
 現在、京都文化博物館では「オルメカ文明展」が開催されています。そのポスター

などに頻繁に登場されているこの方・・・あれ? ちょっとお絵かきしたら誰かに似て

いませんか? とくにへこんだ鼻あたりなど。

 ああ、「キナメカ文明展」だったようですね。