スペースが開いてしまったので、つまんない物語を書いてみた。
大きな工場の片隅に、ぽつんと置かれたロボットがあった。
人の形をしていたので、冬には首元にマフラー代わりの毛布が巻かれ、
工場の従業員からかわいがられていた。
一番かわいがっていたのは、このロボットを操作していた一人の老人だった。
彼は普通の会社を定年後、アルバイトでこの工場に勤めていた。
彼には息子が居たが、事故で亡くした。妻は病気で入院暮らし。
孤独な彼には、このロボットの姿が唯一癒してくれる温かい友人だった。
この毛布のマフラーも、麻袋の帽子も、みんな彼が作って持ってきたものだった。
「今日も、お疲れ様」
そんな言葉をかけながらロボットに油を注し、工場を後にした。
翌朝。
工場長から彼に、ロボットの型が古くなって危険なので交換するとの話があった。
彼はじっとうつむいて、その話を聞いていた。
そしてロボットを見ると、ロボットは今日も同じように作業を開始していた。
健気なロボットに彼は、寂しさを隠せなかった。
何もしてやれない。どうすることもできない。
彼はただ、ロボットを操作してやることしか出来なかった。
「ごめんな、俺がもっとしっかり油を注して、
ずっと綺麗にしていてあげていたらな・・・。ごめんな」
そのとき、一羽の鳥が工場に侵入してきた。
それはどこかの家から逃げてきて迷い込んだ、黄色い小鳥だった。
小鳥はバタバタと暴れるように工場内を飛び回り、
やがてコンベアの上に止まった。
「あぶない!」
彼は小鳥を逃がそうと、コンベアの近くに駆け寄った。
小鳥は彼から逃げるように、天井に向かって飛んでいった。
(よかった・・・。)
そう思った瞬間だった。
彼の操作していたロボットのアームが上から降りてきたのだ。
ここはロボットの作業区域。
床には黄色い線で立ち入り禁止の文字があった。
「逃げろ!」
工場長の大きな声が響いたが、彼は恐怖で動けなかった。
ガン!!!
さらに大きな音が工場に響き渡った。
彼はロボットのアームの下にいた。
アームは、ほんの数センチのところで止まっていた・・・。
マフラーの下から白い蒸気が噴出した。
ロボットは、彼を守るかのように自らの寿命を終えていた。
彼はロボットに駆け寄り、大きな声をあげて泣いた。
「ありがとう・・・ありがとう・・・」
何度も何度も、彼はロボットに話しかけた。
ロボットが彼に操作されて働くことはもう・・・なかった。
大きな工場の片隅に、ぽつんと置かれたロボットがあった。
人の形をしていたので、冬には首元にマフラー代わりの毛布が巻かれ、
工場の従業員からかわいがられていた。
一番かわいがっていたのは、このロボットを操作していた一人の老人だった。
彼は普通の会社を定年後、アルバイトでこの工場に勤めていた。
彼には息子が居たが、事故で亡くした。妻は病気で入院暮らし。
孤独な彼には、このロボットの姿が唯一癒してくれる温かい友人だった。
この毛布のマフラーも、麻袋の帽子も、みんな彼が作って持ってきたものだった。
「今日も、お疲れ様」
そんな言葉をかけながらロボットに油を注し、工場を後にした。
翌朝。
工場長から彼に、ロボットの型が古くなって危険なので交換するとの話があった。
彼はじっとうつむいて、その話を聞いていた。
そしてロボットを見ると、ロボットは今日も同じように作業を開始していた。
健気なロボットに彼は、寂しさを隠せなかった。
何もしてやれない。どうすることもできない。
彼はただ、ロボットを操作してやることしか出来なかった。
「ごめんな、俺がもっとしっかり油を注して、
ずっと綺麗にしていてあげていたらな・・・。ごめんな」
そのとき、一羽の鳥が工場に侵入してきた。
それはどこかの家から逃げてきて迷い込んだ、黄色い小鳥だった。
小鳥はバタバタと暴れるように工場内を飛び回り、
やがてコンベアの上に止まった。
「あぶない!」
彼は小鳥を逃がそうと、コンベアの近くに駆け寄った。
小鳥は彼から逃げるように、天井に向かって飛んでいった。
(よかった・・・。)
そう思った瞬間だった。
彼の操作していたロボットのアームが上から降りてきたのだ。
ここはロボットの作業区域。
床には黄色い線で立ち入り禁止の文字があった。
「逃げろ!」
工場長の大きな声が響いたが、彼は恐怖で動けなかった。
ガン!!!
さらに大きな音が工場に響き渡った。
彼はロボットのアームの下にいた。
アームは、ほんの数センチのところで止まっていた・・・。
マフラーの下から白い蒸気が噴出した。
ロボットは、彼を守るかのように自らの寿命を終えていた。
彼はロボットに駆け寄り、大きな声をあげて泣いた。
「ありがとう・・・ありがとう・・・」
何度も何度も、彼はロボットに話しかけた。
ロボットが彼に操作されて働くことはもう・・・なかった。