【 自動車保険が変わります 】
損保ジャパンを始め多くの保険会社で2012年10月以降に契約が開始する自動車保険のノンフリート等級別料率制度を改訂しました。
そもそも自動車保険の等級は20段階に分けられ、契約日から1年間無事故で保険を使わなければ等級が進み割引率がアップし保険料は安くなり、逆に事故で保険を使うと3等級ダウンし月々の保険料が高くなります。
これまでのノンフリート等級別料率制度では、事故を起こした人でも無事故の人でも同じ等級であれば同じ割引率でしたが、今後は事故を起こした人には向こう3年間“事故有係数”という特別に割高な保険料体系が適用されることになりました。(契約期間が2年以上の長期契約は、別個にルールが定められています)
また、これまでの自動車保険では「等級据え置き事故」というものが存在し、盗難や火災、台風、飛び石などによる窓ガラス破損、落書き被害を被った時には、車両保険を使用しても等級が下がりませんでした。
今回の改訂で今後はこの様なケースで自動車保険を用いてクルマを修理したら、1等級ダウンしさらに事故後1年間は“事故有係数”が適用されて割高な保険料を支払わなければならないペナルティー期間の対象になりました。
【 保険会社の言い分は「リスクの公平分担」 】
この背景は同じ等級の契約者でも前年に事故がなかった人より、あった人の方がその後における事故のリスクが高いことが統計上明確で、両者が同じ保険料だと事故のあった契約者のリスクに応じた保険料を、無事故の契約者が肩代わりしている側面があったと言われていました。
この実情を是正し、公平性を保つための施策が今回の改訂で「リスクの公平分担という保険本来の考え方に近づいた」というのが保険会社側の根拠と言われています。
【保険を使用するかしないか?それが問題です】
今回の制度改定で、自動車事故発生時には保険使用した場合の契約更改後の影響をより考えざるを得なくなったのは確かです。
万一の事故発生時は従来通り保険代理店・保険会社に事故報告を行い事故処理を進めてもらい、これと平行して向こう3~5年先を見据えた保険料負担の試算も平行して依頼して保険を使用せず自己負担で解決するか、保険使用するかを判断するのが賢明です。
保険を使用するかどうかは事故直後に決定する必要はなく、保険使用のメリットとデメリットを代理店とも相談し冷静に判断しましょう。
【金 子】