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11年度の貿易収支、過去最悪の赤字 輸出減・輸入増の「二重苦」直面

2012年04月20日 | 日記
 財務省が19日発表した2011年度の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は4兆4101億円の赤字で、石油危機を受けた1979年度を上回り過去最悪になった。輸出減と輸入増のダブルパンチに見舞われたためで、赤字転落は08年度以来3年ぶり。12年3月の単月でも2カ月ぶりの赤字に転じており、輸出で稼ぐ「貿易立国」日本にとって逆風が続いている。

 11年度の輸出額は、前年度比3.7%減の65兆2819億円で2年ぶりに減少。輸入額は11.6%増の69兆6920億円と2年連続で拡大した。東日本大震災や歴史的な円高、欧州債務危機などの影響で輸出額が落ち込んだ一方、原発停止に伴い火力発電用の液化天然ガス(LNG)などの輸入額が増えた。

 過去の貿易赤字をみると、1979年度は石油危機で原油価格が高騰し、輸入額を押し上げたのが主因。2008年度はリーマン・ショックを発端とする世界同時不況で輸出が急減した。11年度は輸出と輸入の両面で不利な「二重苦」に直面しただけに赤字は大きく膨らんだ。

 11年度と同時に発表された12年3月の貿易収支は826億円の赤字。輸出額は前年同月比5.9%増の6兆2042億円で6カ月ぶりに増加したが、財務省は「震災で落ち込んだ前年3月からの反動増もある」とみている。

 貿易収支は1月が過去最大の赤字、2月は5カ月ぶりの黒字と一進一退の展開だが、季節要因を除いたベースでは3月まで13カ月連続の赤字だ。しかも、3月は赤字幅が2月よりも拡大しており、市場では「貿易収支の基調は依然として赤字が続いている」(野村証券の岡崎康平エコノミスト)との見方が多い。

 先行きも、一時の緊迫状況を脱したとされる欧州問題はここにきてスペインの国債の利回りが上昇(価格は下落)するなど、危機再燃の火種が残っている。日本の最大の輸出先である中国経済が減速傾向を強めていることも輸出面の不安材料だ。輸入面では原発停止に伴うLNGの輸入増大が続く公算は大きく、貿易収支は赤字基調からの脱却が見通せない状況だ。

 貿易収支に海外投資などの取引状況を加えた経常収支は1月に3年ぶりの赤字となったが、2月は黒字に戻しており、11年度は何とか黒字を維持する見通し。海外から得られる利子や配当などの所得収支の黒字で貿易赤字を穴埋めしているためだが、貿易赤字が拡大を続ければ、経常収支の赤字転落も現実味を帯びる。

 そうなれば、国内のお金が海外に流出して企業や家計の貯蓄に支えられた国債の国内消化も行き詰まり、主要国で最悪の日本の財政に対する市場の不信も高まりかねない。国債が売り込まれて価格が急落し、長期金利が跳ね上がって企業や家計の資金の借り入れ負担が増大する心配も出てくる。財政再建を進めるとともに、海外投資の加速で稼ぐ力を維持する産業構造への転換が急務だ。(本田誠)

引用元:yahoo ニュース


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