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排水垂れ流し深刻…中国政府、企業への監督強化を通知

2005年11月30日 | 中国とその周辺
 【北京=竹腰雅彦】石油化学工場爆発が松花江汚染という重大な環境問題を招いたのを受け、中国国家環境保護総局は28日、全国の関係機関に、表面化していない環境汚染事故を探し出し、汚染物を排出する企業への監督を強化するよう求める緊急通知を出した。

 中国当局の強い危機感を示すもので、背景には、現時点で観測所のある川の7割が「汚染河川」とされている恐るべき実態がある。

 緊急通知は、「隠れた汚染」の摘発を特に重視。「全面調査を即時始める」よう求めた。また、企業の監督強化では、「事故発見後の速やかな地元政府への報告」を強調した。地方当局や企業の隠蔽(いんぺい)体質が、環境汚染を深刻化させてきたとの認識がある。

 政府系ネット「中国環境資源網」によると、中国では工業排水の3分の1、生活汚水の9割以上が未処理で直接河川に流れている。観測所のある全国1200河川のうち、「汚染河川」数は850に上る。深刻な有機物汚染を受けた飲用水の利用人口は、1億6000万人に上るとされる。

 長江では、工業、生活排水、農薬や化学肥料などを含んだ汚水が、年間約256億トン流入。約500都市の飲用水を脅かしている。

 黄河には、こうした水が少なくとも40億トン流入している。流域の汚水処理施設は25か所に過ぎず、生活排水の処理率は13%だ。農村部では、事態はより深刻だ。新華社電(電子版)によると、広西チワン族自治区の村では、マンガン採掘と加工に伴う排水垂れ流しが続き、汚染は、環境基準の30倍以上に達している。住民は、「川が澄むのは(工場が操業停止する)正月など1年に2日だけ」と訴えているという。

 汚染は、川から海にも広がる。環境保護総局が昨年行った調査によると、近海の海水の約50%が環境基準に達しておらず、約35%が深刻な汚染と判定された。また、全国の湖の75%に富栄養化現象が現れている。

(読売新聞) - 11月29日23時55分更新

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