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【香港】香港企業、インドに熱い視線

2005年11月29日 | 香港/マカオ
 人口10億人、国内総生産(GDP)成長率7~8%――。中国に匹敵する巨大な市場を持つインドが、香港企業の間で注目を集めている。インドは来年にかけて関税を大幅に引き下げる見込みで、香港の輸出商にとっても大きな商機が広がると期待されている。メガバンクHSBCも、インドに保険事業で進出することを明らかにしている。

 HSBCホールディングスのジョン・ボンド会長はこのほど、インドの生命保険業務や債権購入業務に進出する意欲があることを明らかにした。同社はインド現法にさらに資金注入する構えで、リテール、中規模企業向けサービスに注力する方針だ。

 過去12カ月間で、同国のクレジットカード業務は約20%拡大。HSBC(インド)は国内に42支店を抱え、今年3月末の総資産は2,790億インド・ルピー(476億HKドル)に上る。同国内の住宅ローンやクレジットカード、消費者ローンなどの需要は日増しに拡大しているという。香港でのライバルであるスタンダード・チャータード銀行は、同国最大の外資系銀行だ。

 ■将来は3大経済圏に

 ゴールドマンサックスは同社のリポートの中で、インドのGDPは2011年には1兆米ドルになり、2050年には27兆米ドルにまで膨らみ続けると指摘。米国、中国と並んで3大経済圏を構成する見通しとしている。

 香港上海銀行のサビル・メハル・インド工商業務部長は「インド人口の54%は25歳以下。欧州全体を上回る莫大な中産階級を形成するとみられる」としている。インドの借り入れ金利は当初の16%から10%に低下。関税も平均30%以上低下したという。

 またインド工業連会(AIAI)によると、インドは小売業がGDPの14%を占める最大の産業。今後5年間で業界の平均成長率は25~30%といわれる有望業界という。女性用アパレル部門が全体の37.5%を占め、市場規模は39億米ドルに相当するという。

 ■香港とインドの貿易、26%増

 中国とのつながりも小さくない。中国とインドは先に、経済関係強化の合同研究会を設置。2国間貿易協定の締結をめざしている。インドは2008年には生産高が675億HKドルに上るともいわれるソフトウェア市場を持ち、同時に中国から大量のハードウェアを輸入している。

 中国工商商会によると、昨年の中国とインドの貿易総額は前年比79%増と136億米ドルに上った。さらに今年は1~9月だけで、既に138億HKドルと昨年通年を上回っているという。インドが中国から輸入する製品は、電子機器、機械設備、シルク製品、家具やガラス食器など多岐にわたるという。

 香港とのつながりも密接だ。今年1~8月の香港とインドの貿易総額は50億3,000万米ドルと26%増加した。香港からインドへの輸出は38%の大幅増。香港が輸出拡大を見込めるのは、パソコンや通信設備、電子部品、時計、紡織品などという。またインドの玩具市場や宝飾品市場も潜在力があるという。

 ■「外資に門戸拡大を」

 インドのチダムバラム財務相は27日、ロイター通信に対し、同国政府は外資系企業にさらに門戸を広げなければならないとの見方を示した。同国与党が保険業界などで外資企業の投資規制緩和案を発表していたが、野党側の反対にあっていた。

 最近では、携帯大手ノキアが同国北部での1億4,100万米ドルに上る携帯ネットワーク事業を受注したほか、英ロールスロイスが同国バンガロールにエンジニア子会社を設立することを発表している。

(NNA) - 11月29日10時29分更新

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