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基準超す石綿、市民会館閉鎖 旭川市

2008年10月20日 | 公共施設等
■05年調査で見落とし
■急きょ中止の公演も


 旭川市民文化会館で、ロビーなどの空気中から国の基準値を超えるアスベスト(石綿)が検出され、同会館が全面閉鎖された問題で、同市は17日会見し、05年の調査でアスベストを見落としていたことを明らかにした。公演などイベント中止が相次ぐ中、高瀬善朗副市長は「市民の安全・安心を第一に判断した。当時の判断が甘かった。誠に申し訳ない」と陳謝した。


 今回の調査は、国が規制する種類が追加されたため実施。しかし基準を超えた5カ所は、いずれも以前から規制対象だった種類のアスベスト。アスベスト問題が相次いだ05年の調査時、この5カ所は「図面に見あたらない」などと調べていなかった。


 アスベストが検出されたことを受け、17日朝から緊急閉鎖された旭川市民文化会館大ホールは収容人数1500人。市内最大規模の会館だ。ほぼ連日イベント予約が入っており、関係者は対応に追われ、公演中止を余儀なくされるイベントも出ている。


 18日夜、「旭川ポリフォニー2008」というコンサートを予定していた実行委事務局に市から連絡が入ったのは16日夜。1500円のチケット約1500枚は完売しており、市内のホテルに代替会場を依頼し、17日朝までに開催のめどをつけた。同ホテルによると、座席を最大に入れても約1200~1300席。実行委は「まさか、こんなことになるなんて。立ち見も出ると思うが緊急事態なので、観客に理解を求めたい」。


 あまりに急な閉鎖だったため、21日の「鳥羽一郎コンサート」、22日の「梅沢武生劇団・梅沢富美男魅力のすべて」は公演中止、払い戻しを決めた。29日の「小椋佳・歌談の会」は「なんとか開催をしたいので会場を探している」という。東京の企画会社の担当者は「『明日から閉鎖』なんて話は聞いたことがない。補償について聞いても詳しい話はしてくれない」と市の対応に不満を漏らした。


 毎月、市民会館が満員になるほど会員を集める「旭川青年大学」の講演会は30日に予定が入っていた。17日朝から緊急会議を開いた事務局は「1500人収容の会館は市内にはほかにない」と困惑ぎみ。市教委によると、電話が5回線ある同文化会館には終日、問い合わせが相次いだという。

2008年10月18日【asahi.com】