アスベスト・ニュース

アスベストに関するニュースとコメントをカテゴリー別に

「ニチアス、関係認めて」 姿勢を住民批判

2008年10月27日 | アスベストとは
ニチアス羽島工場(岐阜県羽島市)の周辺住民の肺がんによる死亡リスクが全国平均の約3倍との調査結果が出た26日、工場近くに住む主婦(73)は「ニチアスには住民の病気と工場の因果関係を認めて、住民への説明を尽くしてほしい」と、口をつぐんだままの同社の姿勢を批判した。

 ニチアスのアスベスト(石綿)健康被害は2005年、大手機械メーカー、クボタ(大阪)の工場周辺で住民に健康被害が発覚したのを機に表面化。羽島工場周辺では確認されているだけで住民2人が中皮腫で死亡している。

 同工場では昨年9月、中皮腫で死亡した女性の遺族にニチアスが、救済金支払いと引き換えに死因や救済金交渉の存在などを口止めしていたことが発覚。被害実態が表に出づらい状況が続いており、住民団体は「被害隠しだ」と憤る。

 「病気の不安やニチアスとの交渉について相談に来ていた住民が、ある時からパッタリと『うちは石綿とは関係ない』と言い出すことが何例もある」。工場周辺で活動する「アスベストに関する地域住民の会」の林三統代表(72)は、同社の住民に対する「口止め攻勢」を苦々しい思いで見詰める。

 大阪府立公衆衛生研究所の熊谷信二生活環境部長が行った調査でも口止めが影響して、周辺の全自治会を網羅できなかった。こうした困難に直面しながらも、今回の調査は石綿と肺がんとの間に一定の因果関係を導き出すことに成功した。

 口止め発覚を契機にニチアス問題にかかわり、熊谷部長の調査のきっかけをつくった関西労働者安全センターの片岡明彦さん(49)は「ニチアスは本当に因果関係がないと思うなら、十分な調査が可能になるように口止め工作をやめるべきだ」と指摘した。

2008/10/27【中日新聞】





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中皮腫「発症」を解明 治療薬向上に期待、愛知県がんセンター

2008年10月27日 | 健康被害
アスベスト(石綿)が原因とされる悪性中皮腫で、細胞外からの増殖信号による発症のメカニズムを愛知県がんセンターの研究グループが突き止めた。現在進められている治療薬の開発に成果が活用できるという。28日から名古屋市で開幕する日本癌(がん)学会で発表する。

 胸膜や腹膜にできる悪性中皮腫は早期発見が困難で、手術が難しい。現在は年間約1000人が死亡。過去のアスベスト使用の影響で、今後20年で死者数が約5倍に増えると見込まれる。

 同センターは今回、細胞膜上にあり、外部から増殖の信号を受け取って細胞内に送る「受容体」が2種類以上、同時に異常活性化していることを突き止めた。現在は十数種類の受容体が確認されているが、これらが異常に活性化すると細胞分裂の信号を勝手に出すようになり、がんなどを発症させる。

 それぞれの受容体に働き、副作用がない薬の開発が進んでいるが、1つの受容体の異常活性化を抑制する薬を使用しても、7-8割以上、細胞が生き残った。しかし、2種類に対する薬を同時に投与すると細胞数は3割以下に下がった。

 研究グループの同センター研究所分子腫瘍(しゅよう)学部の関戸好孝部長は「こうした受容体の異常な活性を個別の腫瘍で見極め、同時に抑制すれば、有効な治療手段になる可能性がある」と話している。

2008/10/26【中日新聞】




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アスベスト:3小中学校の吹き付け材で基準値超--飯田 /長野

2008年10月27日 | 調査状況
飯田市教委は24日、市内の小中学校3校で使われた吹き付け材に、アスベストが国の基準を超えて含まれていたと発表した。

 上久堅小の音楽室▽伊賀良小の階段▽鼎中の音楽室。いずれも天井などに吹き付けられた材料にアスベストが含まれていたという。市教委は「飛散の可能性は少ない」と言うが、飛散の有無を確認した上で、除去工事をする方針。

 05年度にも市内の小学19校、中学10校でアスベスト検査を実施した。その後、国内で使われていないとされた3種類のアスベストの使用例が報告されたため、国の指示で検査を進めていた。【仲村隆】

2008年10月25日【毎日新聞】




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高濃度アスベスト、県の検出方法に問題

2008年10月27日 | 技術
アスベスト(石綿)除去工事中の上越市営上越地域医療センター病院の工事区域外から高濃度の石綿が検出された問題で、検査を実施した県上越地域振興局健康福祉部環境センターの中山久雄センター長が24日、上越市役所を訪れ、「いろいろお騒がせし、ご迷惑をかけました」などと述べ、県側の検査の不手際を認め謝罪した。県は同日、工事の再開を業者に通知、27日にも石綿除去工事が再開される。

 問題の発端は、病院の工事に伴い、県が20日に実施した石綿検査で基準(大気1リットル中10本以下)の13~1・3倍の石綿が検出されたこと。

 これを受け、市が22日に改めて実施した検査では、最大濃度を観測した地点を含め、測定6地点すべてが「0・5本未満」と、基準を大幅に下回った。市側でも、いったんは基準の2・7倍の数値が出たが、環境省のマニュアルに従い、より精度の高い方法で調べた結果、全地点が基準の20分の1未満になったという。

 併せて行った最も精度の高い電子顕微鏡での測定も「1本未満」だった。

 読売新聞の取材に中山センター長は「我々の方法は屋外を測定するもので、屋内では高い数値が出る場合があることを知らなかった。ただちに数値を伝えず、さらに詳しく調べればよかった。ご迷惑をかけた」と話した。

2008年10月25日【読売新聞】





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閉鎖から8年、旧下荒針清掃工場解体始まる

2008年10月27日 | 公共施設等
【宇都宮】跡地に市の資源ごみ中間処理施設の建設が決まった下荒針町の旧下荒針清掃工場の解体工事が、今月から始まった。同工場の解体は、多額の費用がかかることや跡地利用が決まらなかったため、二〇〇〇年の稼働停止から手つかずの状態が続いていたが、やっと動きだした。

 一九七七年三月に建てられた同工場は老朽化が進み、クリーンパーク茂原が稼働したのに伴い閉鎖された。

 当時は施設の更新以外は解体に国の補助が受けられない上、ダイオキシンの除去などに多額の費用がかかるため、市は同清掃工場の解体、撤去を見合わせていた。〇四年、煙突の一部が地震で崩落したため、煙突のみを緊急撤去した。

 同清掃工場が解体にこぎつけられたのは、金沢、下飯田など周辺の四自治会が、市が跡地利用に計画した「その他プラスチック製包装容器等」の中間処理施設の建設を受け入れたため。同施設は、市が一〇年度から取り組むレジ袋など「その他プラ」の分別収集・再資源化の拠点で、圧縮、梱包を行う。

 跡地に同施設の建設が決まったことで、〇五年に国が創設した「循環型社会形成推進交付金制度」を利用できるようになった。同制度は跡地にごみ処理関連施設を建設する場合に適用される。同工場の解体工事費は約二億八千万円だが、事業債を除く市の一般会計の負担は7%程度と大幅に軽減される。

 現在は建物内のアスベストを除く作業が終わり、ダイオキシンの除去に取り掛かっている。三月には建物全体の撤去が終わる。

 同工場北側に住む金沢自治会の高山政夫会長は「新しい施設にはもろ手を挙げて賛成というわけではないが、負の遺産の清掃工場の撤去を早く進めたかった」と話している。

2008/10/25 下野新聞




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産学共同研究開発プロジェクト アスベスト繊維の無害化へ

2008年10月24日 | 技術
市内の中小企業が大学と連携して新技術や新製品等の研究開発を行い、その経費の一部を市が補助する「産学共同研究開発プロジェクト」。今年度は中原区から、有害なアスベスト処理の技術を持つ(株)ストリートデザイン(坂本佳次郎社長)が選ばれた。

 (株)ストリートデザインはコンクリート建造物の補修・補強やアスベスト処理事業をしており、6年ほど前からアスベスト無害化の研究を始め、昨年の8月には『アスベスト封じ込め薬剤』が国土交通省大臣認定を取得した。こうした事業の次の段階である「マイクロ波プラズマによるアスベスト繊維の球状化(無害化)研究開発」を東京工業大学と共同で行い、システムの機械化を目指していく。

 アスベストは1970年代以降、建築物の断熱目的に消費されたもので、肺がんや中皮腫を引き起こすといわれ、半永久的に劣化することなく存在し続ける。現在、回収されたほとんどが埋め立てで処理されているが、飛散などのリスクがあるのが現状。密閉型の電気炉などを使い1,500℃以上の高温で溶かせば無害化できるが、処理コストが高額な上、原子レベルでは残ってしまうという問題点があった。

 しかし、同社はこの問題点を解決。東京工業大学の助教授である関口秀俊工学博士と大学院生が研究しているプラズマ処理技術を使うことにより、アスベスト繊維を球状化し、無害化することに成功した。

 現在、特許出願中の「AEPS(アスベストエコプレミアムシステム)NBCアスベスト無害化・再資源化処理工法」は、およそ700℃で分解でき、加熱温度を大幅に下げられることから、導入する企業も設備費やランニングコストを抑えることができる。また、処理したアスベストを油や建材にリサイクル可能で、環境の面でも注目されている。

 坂本社長は「アスベストは埋め立てても無くなることはない。20年後、30年後の安全性を考えても、これからは大手の企業とも連携してやっていきたい。海外からも問い合わせがきているので、『川崎から世界へ』この技術を発信していきたい」と話していた。

2008年10月24日 タウンニュース



アスベスト:唐津商高で検出、国の基準超える /佐賀

2008年10月24日 | 調査状況
県は22日、県立唐津商業高(唐津市元石町)の管理・特別教室棟の1、2階の防火用シャッターボックスの表面から、国の基準(重量比0・1%)を超える吹き付けアスベスト(石綿)を検出したと発表した。付近への立ち入りを禁止するとともに、同ボックスの周りを覆った。近く撤去する予定。

 県教委によると、検出されたのはクリソタイル。06年7月に行った前回調査では、基準値が同1%だったため、検出されなかったとみられるという。

 シャッターボックスは階段と廊下の間の天井に設置されている。長さ3メートル、幅50センチ、高さ10センチの横長で、巻き上げたシャッターを収納するもの。

 県の再調査でアスベストが確認されたのは6施設目。

2008年10月23日【毎日新聞】






県立高校など5施設で アスベスト使用確認 県教委

2008年10月23日 | 調査状況
県教育委員会は二十二日、県立高校など五施設七カ所でアスベスト(石綿)の使用が新たに判明したと発表した。いずれも損傷や剥離(はくり)などはなく、周辺の空気からアスベスト成分は検出されていないが、使用中止や除去などの措置を取るという。

 県教委財務施設課などによると、県立京葉工業高校(千葉市稲毛区)の設備システム棟の天井、県立成田西陵高校(成田市)と県立東金高校(東金市)の特別教室棟の天井、安房博物館(館山市)の実習棟の天井から微量のアスベストを検出。安房特別支援学校(同)の浄化槽の壁は0・7%のアスベストを含有していた。

 今回の調査は、三月の文部科学省の通知を受け、二〇〇五年度の検査で含有率1・0%以上のアスベストが検出されなかった施設などを対象に九月上旬から実施していた。二十二日現在で五十一施設の調査が終わっており、調査中の七施設、まだ調査を始めていない三十施設も十一月中に終了する見通しという。 (小林孝一郎)


2008年10月23日【県教育委員会は二十二日、県立高校など五施設七カ所でアスベスト(石綿)の使用が新たに判明したと発表した。いずれも損傷や剥離(はくり)などはなく、周辺の空気からアスベスト成分は検出されていないが、使用中止や除去などの措置を取るという。

 県教委財務施設課などによると、県立京葉工業高校(千葉市稲毛区)の設備システム棟の天井、県立成田西陵高校(成田市)と県立東金高校(東金市)の特別教室棟の天井、安房博物館(館山市)の実習棟の天井から微量のアスベストを検出。安房特別支援学校(同)の浄化槽の壁は0・7%のアスベストを含有していた。

 今回の調査は、三月の文部科学省の通知を受け、二〇〇五年度の検査で含有率1・0%以上のアスベストが検出されなかった施設などを対象に九月上旬から実施していた。二十二日現在で五十一施設の調査が終わっており、調査中の七施設、まだ調査を始めていない三十施設も十一月中に終了する見通しという。 (小林孝一郎)

2008年10月23日【東京新聞】







上越の病院でアスベスト検出

2008年10月23日 | 調査状況
上越市は22日、市立の上越地域医療センター病院(南高田町)の4カ所で基準値の最大13倍となるアスベストの飛散が確認されたと発表した。県上越地域振興局が20日、同病院のアスベスト除去作業を前に作業区域外で行った測定で分かった。市は22日から工事を休止した。

 同病院では1階中央廊下の天井裏にアスベストを使用していたことが分かったため、6日から11月8日までの日程で除去工事を計画。実際の除去作業は10月21日に始めていた。

 同振興局が建物の内外8カ所で測定したところ、建物内4カ所で法律が定める基準値の1・3―13倍の値が測定された。いずれも作業区域外で中央廊下とはドアで仕切られている。作業区域内で施工業者が実施した測定では20日まで基準を上回る値は確認されなかった。

 基準値の13倍と最も高い数値が測定された場所は第3病棟への入り口で、同病棟には約40人の入院患者がいる。

 市は建物のひび割れや内部の配管などを調べ原因を究明するほか、22日には別の機関に再測定を依頼し23日に結果を発表する予定。

 今回の工事に際して市は病院の業務を継続し、作業現場周辺を通る際は利用者にマスク着用を呼び掛けてきた。

 同市の野沢朗健康福祉部長は「瞬間的な値としては高いが、影響は今の時点でははっきりしない。高齢患者が多く、移動させるリスクの方が大きいと判断し、現時点では移動などの対応は取っていない」と説明した。

2008年10月22日【新潟日報】







アスベスト:石綿肺の救済拡大 労災以外の患者も--環境省検討

2008年10月22日 | 健康被害
環境省は、アスベスト(石綿)による被害の救済対象に、労災以外の石綿肺患者を追加する方向で検討を始める。石綿肺は労災保険の適用対象だが、労災以外の被害者を救済する「石綿健康被害救済法」の指定疾患ではない。10年度末までの同法改正を目指す。

 石綿肺は、石綿を吸い込むことで肺が線維化し、機能が低下するじん肺の一種。石綿救済法の対象は中皮腫と肺がんの患者のみで、石綿肺は「石綿を使う職場の労働者の発症しか知られておらず、一般環境での発症は考えにくい」(環境省)として06年の法施行時は除外された。

 しかし、建設現場で働きながら労災保険に加入していない「一人親方」と呼ばれる個人事業主に石綿肺患者が多く、支援団体などが同法で救済するよう要望している。

 さらに、環境省が石綿を使用する工場周辺で実施した調査でも、一般住民に石綿肺とみられる患者が確認された。

 21日に同省の専門家による初会合が開かれ、患者の居住環境や職歴、症状などを分析し、石綿肺を同法の指定疾病に加える検討に入る。認定基準や医療費の支給など救済措置についても議論する。

 あわせて、良性石綿胸水やびまん性胸膜肥厚などの石綿特有の病気についても救済対象とすべきか検討する。【江口一】

2008年10月21日【毎日新聞】





再発防止へ県審査会-元県営プール アスベスト

2008年10月22日 | 公共施設等
奈良市三条大路一丁目の元県営プールの屋内プール施設にある煙突にアスベスト(石綿)含有建材が使われているのに、解体工事の入札までに県が見落としていた問題で、県は20日、同日付でアスベスト処理に関する審査会を設置したと発表した。県営繕課は見落としを認め「県民や施設の近隣の皆さんにはご迷惑をおかけし、おわびする。再発防止に向けて審査会を設置することにした」と謝罪した。

 県営繕課の高橋光明課長は、今後の再発防止策として「今後、解体や改修工事を行う施設については、設計時と工事完了時に事業担当課から調査と処理に関する検討結果を受け、(アスベスト含有の内容などが)適正かどうかの審査を行う」と話した…

(2008.10.21 奈良新聞)




アスベスト:石綿肺の救済拡大 労災以外の患者も--環境省検討

2008年10月21日 | 健康被害
環境省は、アスベスト(石綿)による被害の救済対象に、労災以外の石綿肺患者を追加する方向で検討を始める。石綿肺は労災保険の適用対象だが、労災以外の被害者を救済する「石綿健康被害救済法」の指定疾患ではない。10年度末までの同法改正を目指す。

 石綿肺は、石綿を吸い込むことで肺が線維化し、機能が低下するじん肺の一種。石綿救済法の対象は中皮腫と肺がんの患者のみで、石綿肺は「石綿を使う職場の労働者の発症しか知られておらず、一般環境での発症は考えにくい」(環境省)として06年の法施行時は除外された。

 しかし、建設現場で働きながら労災保険に加入していない「一人親方」と呼ばれる個人事業主に石綿肺患者が多く、支援団体などが同法で救済するよう要望している。

 さらに、環境省が石綿を使用する工場周辺で実施した調査でも、一般住民に石綿肺とみられる患者が確認された。

 21日に同省の専門家による初会合が開かれ、患者の居住環境や職歴、症状などを分析し、石綿肺を同法の指定疾病に加える検討に入る。認定基準や医療費の支給など救済措置についても議論する。

 あわせて、良性石綿胸水やびまん性胸膜肥厚などの石綿特有の病気についても救済対象とすべきか検討する。【江口一】

2008年10月21日【毎日新聞】






アスベスト根絶 国際セミナー 北九州市産業医大

2008年10月21日 | 健康被害
■日本の技術生かし アジア連携目指す

 アスベスト(石綿)疾患の根絶を目指す「アジア・アスベスト・イニシアチブ国際セミナー」が1-3日、北九州市八幡西区の産業医科大であり、アジア九カ国の政府・公的機関や学術機関、世界保健機関(WHO)から関係者が参加した。世界で甚大な健康被害を出したアスベストは今もアジア諸国で使われ、被害の拡大が懸念されている。セミナーで報告された現状と課題、被害を抑止する動きを報告する。 (畑山晋作)

 ◆負の右肩上がり

 セミナーは、アスベスト被害の相談窓口や診断・治療に取り組む産業医大が主催し、今後3年かけてアジア各国と予防・治療技術の共有、相互協力を図る目的で開いた。

 燃えない、減らない、腐らない、かつ加工しやすいと重用されてきた天然の繊維状鉱物アスベスト。その便利さから世界中で建材として大量に使われた。だが、繊維を吸い込むと30-40年の潜伏期間を経て中皮腫や肺がんを引き起こす。現在、世界で毎年9万人がアスベストに起因する疾患で死亡しているとされる。


 セミナーの現状報告によると、1985年の世界全体でのアスベスト使用量は約435万トン。当時アジア圏での使用量は84万トンで全体の約19%だった。2000年になると世界では204万トンに減少したが、逆にアジア圏では95万トンに増加、全体の約47%を占めた。今も負の「右肩上がり」が続いている。

 健康被害は、1994-2004年の中皮腫による死者は世界で約4万6500人。アジア圏では約8300人(17・8%)だが、アスベストの使用量と中皮腫発症数は関連性が高い。潜伏期間を考慮しても将来、アジア圏が被害数の大半を占めることになると予想される。

 欧州各国は1980-1990年代、日本も2006年にアスベストの使用を全面禁止した。この年、日本の中皮腫による死者は初めて千人を超えた。

 ◆データない中国

 アジア各国は現在、大まかに(1)長期の使用が続き、既に被害が顕著で、予防や治療技術を持つ国(日本、シンガポール)(2)使用期間が短く被害が顕在化せず、技術も未熟な国(中国、ベトナム)(3)この中間の国(タイ、マレーシア)-に分けられるという。

 中国の場合、国内にアスベスト鉱山があり、年10%ほどのペースで使用量も増加。年に60万-70万トンを使用しているとされる。ただ、アスベスト疾患の発症者、死者数は不明。政府も危機感を抱き始めているが「農村部の正確なデータがなく動向の調査が第一」というのが現状という。

 ベトナムも使用が一定量あるが、禁止には至っていない。05、06年の2年間で約250人が中皮腫で死亡した。研究者は「今後も患者は増える。アジア諸国と情報交換しながら、禁止法の制定を急ぎたい」と話していた。

 シンガポールは国内での生産はなく、2001年以降は輸入もゼロで、使用はない。1996-05年の中皮腫患者は30人ほどで、大学関係者は「今後は潜在的な患者の早期発見と、その後のケアの充実を図る。日本の補償、救済措置も参考にしたい」という。

 世界有数のアスベスト輸入国のタイは、07年に初めて中皮腫患者が確認された。近い将来、国民的な健康問題になると危機感を強め、5年以内の全面禁止を目指すとともに医療技術の向上を目指している。

 今回不参加だったインドやバングラデシュなども使用量、患者は増えているという。

 ◆治る病気にする

 セミナーでは、技術向上のための訓練道具の一つとして、吸引防止マスクの利用法や、中皮腫の診断方法、外科手術の手法を解説したビデオが配られた。

 日本では中皮腫患者が増えた半面、治療技術の研究は進んでいる。中皮腫を「治る病気」にする目標をたてている。

 「その技術をアジア各国で生かせば、予防につながる。それには各国に専門家を育成することが急務だ」と産業医大の高橋謙教授(環境疫学)は強調する。

 今後、各国から研究者を招くか、日本の医師らを派遣することなどを検討中という。そのためには技術者、学者、政府が一体となった人材、資金の支援が求められる。

 WHOの小川尚・西太平洋地域アドバイザーは「これまで各国が別々に取り組んできたアスベスト問題で、連携を図ろうという新たなきっかけづくりになった、今回の取り組みは有意義で評価できる」と期待を寄せる。

【写真説明】「アジア・アスベスト・イニシアチブ国際セミナー」で意見を交わすアジア各国の関係者=3日、北九州市八幡西区の産業医科大

2008/10/20【西日本新聞朝刊】




新種アスベスト検出 東部工業用水道管理事務所車庫 /佐賀

2008年10月21日 | 調査状況
佐賀県は20日、県東部工業用水道管理事務所(鳥栖市)の公用車車庫から基準値(0・1%)を超えるアスベスト(石綿)を検出したと発表した。検出したのは、トレモライトとアクチノライトで、県内での検出は初めて。

 トレモライトとアクチノライトはこれまで国内では未使用とされてきたが、今年に入って東京都などで検出。これを受けて全国で石綿の再調査が実施されている。

 公用車車庫の屋根裏の吹きつけ材から見つかり、含有率は0・59%で基準の5・7倍に当たる。施設は1975年前後に建設されている。

 15日に調査機関から石綿含有の可能性が報告されたため、同日から車庫のシャッターを閉めて目張りするなど飛散防止措置を実施。吹きつけ材は今後、撤去する。

 トレモライト、アクチノライトは、茶石綿や青石綿と同じ角閃(かくせん)石の一種で、これまでのクリソタイルなどと毒性も同等とされ体内に蓄積されると中皮腫になる恐れもある。

2008年10月21日【佐賀新聞】




アスベスト講演会:影響知ろう、健康管理に役立てて 田村副院長が羽島で講演 /岐阜

2008年10月20日 | 健康被害
◇国立病院機構奈良医療センター・田村副院長が講演
 羽島市竹鼻町の市文化センターで18日、アスベスト(石綿)による健康への影響を知って健康管理に役立ててもらおうと、国立病院機構奈良医療センターの田村猛夏・副院長が「石綿による健康障害について」と題して講演した。市民ら約100人が参加した。

 羽島市は07年度から環境省の委託を受けて、ニチアス羽島工場の周辺住民への影響や石綿ばく露地域などを把握するため、健康リスク調査を実施している。田村副院長は、医師や専門家で構成する「市石綿ばく露健康リスク調査専門委員会」の会長を務めている。

 田村副院長は、3種類のアスベスト繊維のうち、青石綿、茶石綿、白石綿の順に危険度が高く、青石綿と茶石綿はそれぞれ、白石綿の500分の1、100分の1の量で中皮腫を発症させると説明した。また、肺がんや良性石綿胸水などのアスベスト疾患のしくみや症例、治療法などを解説し、「石綿ばくろのある喫煙者は、石綿ばくろのない非喫煙者より、肺がんが発生するリスクが50倍高い」などと話した。

 最後に、今年6月に公表された昨年度の健康リスク調査で、羽島市では工場での職歴や立ち入りなど、具体的な石綿ばくろ歴がなかった103人にも医学的所見があり、うち41人から石綿特有の病変「胸膜肥厚斑(きょうまくひこうはん)」が見つかったことを説明した。

 田村副院長は「周辺住民への影響が認められ、長期にわたる健康管理体制の構築が必要だ。国が元従業員に対して行っている健康管理手帳制度を、周辺住民に拡充するのも一つの方法だ」と指摘した。

 会場からは、「胸膜肥厚斑と診断されているが、急激に悪化することはないか」といった不安の声や「元従業員より、周辺住民への保障を優先すべきだ」といった憤りの声も聞かれた。

 羽島市は引き続き、今年度の健康リスク調査協力者を募集している。問い合わせは市健康管理課(058・392・1111、内線2812)。【鈴木敬子】

2008年10月19日【毎日新聞】