アスベスト・ニュース

アスベストに関するニュースとコメントをカテゴリー別に

アスベスト:札幌訴訟 元従業員側が逆転勝訴 高裁、ホテルに賠償命令

2008年08月30日 | 健康被害
札幌市中央区のホテル(今年6月閉館)で約40年間、設備係として働いた男性がアスベスト(石綿)粉じん吸引による悪性中皮腫で死亡したのは職場の対策が不十分だったためだとして、遺族がホテル経営会社に約4100万円の損害賠償を求めた訴訟で札幌高裁(末永進裁判長)は29日、請求を棄却した1審・札幌地裁判決(07年3月)を取り消し、会社側に約3200万円の支払いを命じた。会社の安全配慮義務違反を認めた逆転勝訴判決。原告側によると、工場など石綿を日常的に扱う職種以外で雇用企業の責任を認めたのは全国で初めて。

 末永裁判長は、ホテル経営会社が石綿を扱う労働者の被害予防を具体的に義務付けた72年改正の旧労働省令「特定化学物質等障害予防規則」(特化則)上の「使用者」や「事業者」に当たると判断。「法令上要求される措置を講じていたと認められない」と述べた。

 訴えていたのは、02年4月に60歳で死亡した札幌市の一宮次男(つぎお)さんの妻美恵子さん(59)と長女貴子さん(29)。次男さんは1964年に札幌ロイヤルホテルを経営する「札幌国際観光」に入社し、ホテルの機械室やボイラー室で勤務。01年6月に悪性中皮腫と診断され11月、札幌中央労働基準監督署に石綿による労災と認定された。

 1審判決は「潜伏期間を考慮すると85年ごろまでに吸引した石綿が原因」と因果関係を認めたが「一企業に安全配慮義務違反を認めることはできない」として請求を棄却した。【芳賀竜也】

2008年8月30日 毎日新聞




環境省、石綿肺研究に3100万 09年度概算要求

2008年08月29日 | 健康被害
アスベスト(石綿)による健康被害の問題で、環境省は二十八日、石綿肺などを新たに石綿健康被害救済法の対象疾病に加えることを視野に、症例研究などの事業費用三千百万円を二〇〇九年度予算の概算要求に盛り込んだ。同法は、労災保険が適用されない自営業者や一般住民の救済を目的につくられたが、現在は対象が肺がんと中皮腫に限られている。

 石綿肺は、アスベストが原因で肺が線維化するじん肺の一種で、被害者団体などが対象疾病への指定を訴えている。今年六月に環境省がまとめた尼崎市などの健康リスク調査では、労働現場など明確な暴露歴が確認できない住民からも肺が線維化するなどの所見があった。ほかのじん肺との判別が難しく、今春の同法改正の過程でも対象拡大が見送られた。

 今回の事業は、全国の労災病院などから症例を集め、判別法や石綿暴露歴の証明法を研究。指定疾病に加える場合の認定基準づくりに生かす。石綿肺のほか、良性石綿胸水、びまん性胸膜肥厚も対象で、同法の見直しが予定される二〇一〇年度までに結論を出す予定。

 石綿対策全国連絡会議の古谷杉郎事務局長は「自営業者にも療養が必要な石綿肺患者は間違いなくおり、指定は必要。深刻な症状になる前の健康管理の問題も併せて研究が必要だ」と話している。(永見将人)

2008/08/28 神戸新聞



公園含む1128施設で石綿使用 環境省集計

2008年08月29日 | 調査状況
環境省は28日、全国の自然公園や同省所管で、地方自治体が設置・運営する廃棄物処理施設など計1128カ所でアスベスト(石綿)が使われた可能性があると発表した。

 2月の厚生労働省通知を受け従来、国内で未使用とされてきたのに、建物からの検出が相次いだ「トレモライト」などを含めた石綿6種類について調べたが、どの種類の石綿が使われているかなどの集計はしていないという。

 ごみ焼却施設や粗大ごみ処理施設のほか、国立公園や国定公園にある案内所や休憩所、大気測定施設など計1万1846カ所を調査した。

 使用の可能性がある1128カ所の内訳は、廃棄物処理施設が834カ所、公園施設など270カ所、大気測定施設24カ所。

 石綿を除去したり封じ込める作業は235カ所で終了。作業が終わっていない63カ所は、立ち入り制限などの対策を講じた。139カ所は既に施設を利用していない。約60%に当たる691カ所は、石綿使用の可能性はあるが確認に至っておらず、環境省は確認を急ぐよう都道府県に通知した。

2008/08/28 【共同通信】



ストック形成に力点 国交省・重点政策を発表

2008年08月28日 | 政策
国土交通省はこのほど、「国土交通政策のこれからの方向性(重点政策)」を発表した。
それによると、07年8月に公表した「これからの重点政策」に引き続き、政策展開のための視点は「改革」「信頼」「連携」「発信」「挑戦」の5点。同時に、政策の柱として、「世界の成長と活力を我が国に取り込む基盤づくり」「自立した活力ある地域づくり」「歴史、風土などに根ざした美しい国土づくりと観光交流の拡大」「安全・安心で豊かな社会づくり」「地球環境時代に対応したくらしづくり」の5点を継続して立てている。

 具体的内容をみると、住宅関係ではストック形成に向け、新たに次の3項目を提示した。(1)住宅取得の支援、リフォーム等による良質な住宅の整備、既存住宅流通の活性化など、住宅投資の促進と豊かな住生活の実現(2)社会資本ストックの長寿命化計画策定の推進など、予防保全的管理への転換に向けた戦略的維持管理の推進(3)分譲マンションの適切な維持管理と老朽マンションの再生による将来世代にわたって安心して居住できる良質なマンションストックの形成――。

 また、「耐震改修助成事業の拡充・強化などによる住宅・建築物の耐震改修の促進など、地震対策の強化」を「耐震改修とアスベスト対策の一体的実施など、住宅・建築物の安全・安心対策の強化」に改訂。

 「住宅セーフティネットの構築」には、「ケア付き住宅の整備促進などによる高齢者の居住の安全確保」という言葉が新たに盛り込まれた。

 今後は、この重点政策に基づき、新しい国土像を示す「国土形成計画」や、これを実現するために必要な基盤整備の方向性を定める「社会資本整備重点計画」を踏まえ、政策を展開していく。

2008年8月27日 asahi.com


法人2税100億円不足 景気減速影響/福島県

2008年08月27日 | 公共施設等
 景気減速による企業業績の悪化を受け、福島県は26日、本年度の法人二税(法人事業税、法人県民税)の税収が当初見込みより約100億円減る見通しを明らかにした。県は、一般会計予算の税収を減額するとともに、不足する約100億円を県債発行などで埋め合わせる補正予算案を県議会9月定例会に提出する。

 税収減の内訳は法人事業税83億円、法人県民税17億円。県は本年度予算で法人事業税763億円、法人県民税131億円の総額894億円を計上していた。

 福島県では法人二税の納税額上位20社のうち4分の3を製造業などの進出企業が占める。米国の景気減速や原油高騰などの影響から企業業績が急速に落ち込む中で、業績見通しを下方修正する企業が相次ぎ、当初見込みの税収を望むのは困難な状況となった。県内に原発10基を立地し、毎年突出した税収をもたらしている東京電力が赤字となる見通しとなったことも影を落とした。

 税収不足で県は、県債発行と前年度繰越金からの充当、主要基金の取り崩しで対応する。金額の割合などの調整を急いでいる。
 ただ、本年度予算全体では、県議会9月定例会で増額補正する。県有施設のアスベスト調査や学校の耐震対策などで迅速な対応が必要なため、補正額は最大で約18億円に上る見通しだ。

2008年08月27日 河北新聞社


「石綿肺」も救済対象に、環境省が法改正を検討

2008年08月27日 | 健康被害
環境省は、アスベスト(石綿)による被害救済を目的とした石綿健康被害救済法(石綿新法)で、現在は指定疾病となっていない「石綿肺」についても新たに救済対象にする方向で検討に入った。

 2010年度までに予定されている同法改正に盛り込むことを視野に、全国の労災病院から症例を集めて分析するなどして救済方法の検討に入る。

 石綿肺は、じん肺の一種。アスベストを吸ったことによって肺が繊維化し、肺機能が低下する。全国で毎年数十人が死亡し、肺がん発症の危険も倍以上に高まるとされる。

 アスベスト被害を巡っては、労災保険が、仕事を通じてアスベストを吸ったことが確認された労働者について肺がんと中皮(ちゅうひ)腫(しゅ)、石綿肺などを救済対象としているが、労災保険が適用されない一般住民などを対象にした石綿新法では肺がんと中皮腫の患者に限定している。

 環境省などが全国のアスベスト取り扱い工場の周辺住民を対象に実施した健康調査で、明確な曝露(ばくろ)歴のない住民から肺が繊維化するなど石綿肺が疑われる症状が確認された。このため同省は、石綿肺を同法の指定疾病に加えることを視野に、石綿肺の診断方法や、医療費・検診費の支給などの救済措置について、石綿新法の見直し期間と定められている10年度までに結論を出す。09年度予算の概算要求に、症例研究の費用など、アスベスト対策関連費約3億円を盛り込む方針だ。

2008年8月26日 読売新聞




養父市議会:行革委が報告 補正予算案など、25案件を提案へ--開会 /兵庫

2008年08月27日 | 公共施設等
養父市議会は25日開会。27日までに約7億円の今年度一般会計補正予算案など25案件を提案する。初日は市議会行政改革調査特別委員会(北尾行雄委員長、8人)が調査報告書を発表した。会期は9月19日までの26日間で、3~5日に一般質問がある。

 一般会計補正予算案は市庁舎など27カ所の公共施設と6小中学校・幼稚園のアスベスト調査(計約440万円)、3小学校の耐震診断(計987万円)など。また氷ノ山国際スキー場の駐車料金を車種に応じて500~2000円引き下げる条例改正案も含まれる。

 一方、調査報告書は繰り上げ償還などによる起債残高(約350億円)の縮小を最優先に挙げ、人口1人当たりの人件費11万3042円の抑制▽企業誘致による税収増▽事務事業の選択と集中▽職員削減と組織の一体的見直し--などを提言している。【吉川昭夫】

〔但馬版〕

2008年8月26日 毎日新聞  地方版



産廃1400キロを不法投棄 福井県警、容疑の3人きょう逮捕

2008年08月26日 | 犯罪
アユ釣りの名所として知られる九頭竜川が流れる福井県勝山市で、プラスチック廃材や金属片が大量に埋められる事件があり、県警生活環境課と大野、勝山両署の合同捜査班は26日朝、廃棄物処理法違反(不法投棄)の疑いで、廃棄物処理会社の実質的経営者で同県大野市の鉄工会社社長(67)と、廃棄物処理会社の社長(58)と取締役(67)の計3人を逮捕する。

 調べでは、この廃棄物処理会社は、焼却許可しか受けていなかったにもかかわらず、2005年10月から11月にかけて、勝山市平泉寺町岩ケ野の産廃焼却施設の敷地内にプラスチック廃材約900キロを、また07年3月、焼却後の灰約500キロを、それぞれ県知事の埋め立て許可を受けずに埋めた疑いが持たれている。

 現場はJR福井駅(福井市)から東へ約25キロの山間部で、近くに九頭竜川がある。掘り起こした土砂からは、軽油を不正に製造する際などに出る強酸性で毒性のある廃棄物「硫酸ピッチ」のほか、アスベストも確認されている。合同捜査班や県河川課は環境への影響を「現時点で確認していない」という。

 合同捜査班は今年1月に違法産廃を内偵捜査。4月に関係先数カ所を家宅捜索。5月22、23の両日、処理施設の敷地を掘り起こして約3トンに及ぶ建築廃材のプラスチック板(厚さ1ミリ弱)などを確認していた。

2008年8月26日 【中日新聞】




総額は17%増の2621億 環境省の概算要求

2008年08月26日 | 健康被害
環境省の2009年度予算の概算要求案が25日、分かった。総額は前年度当初比17%増の2621億円で、地球温暖化対策として太陽光発電の普及策や、資源の有効利用に向けた希少金属(レアメタル)の回収推進策などが新規事業の柱。28日に発表する。

 太陽光発電では、ドイツに奪われた発電量世界一の座を取り戻すための戦略策定費として1億円を計上。携帯電話など希少金属を含む小型廃家電の効率的な回収方法を検討するモデル事業費に1億円を盛り込んだ。

 このほか、温暖化防止などの環境対策と経済成長が両立する社会を目指し、環境対策のコストや効果などを分析する費用として6億円。製紙会社による古紙配合率偽装問題を受け、政府が調達する文房具などについて偽装の有無を調べるサンプル調査費に8億円を計上。

 水俣病問題では、被害者の高齢化に対応した地域福祉推進事業費などとして109億円。アスベスト(石綿)対策では、健康被害救済法の対象に、中皮腫と肺がん以外の疾病も追加するかどうかを検討する症例調査事業費3000万円も求める。

2008/08/25 【共同通信】





瀬田高の石綿健康被害なし 県教委、調査結果公表

2008年08月25日 | 調査状況
県教委によると、使用が確認された校舎棟、特別室棟の各室で空気1リットル当たりの石綿繊維は0・3-0・1本で、通常の大気と同程度の濃度という。国の基準では、空気1リットル当たり石綿繊維10本以上で健康被害の危険性があるとしている。
また、石綿使用の可能性があった大津商業高(大津市)と守山養護学校(守山市)では不使用が判明し、施設の使用禁止を解除した。

2008年8月23日 京都新聞





【Re:社会部】光あれば陰も

2008年08月24日 | 健康被害
石綿は戦前から、さまざまな国際機関や研究機関により、その危険性が指摘されていました。しかし、耐熱性に優れて加工がしやすく、かつとても安価だったため「奇跡の鉱物」ともてはやされ、高度成長期の日本で建設資材などに広く利用されました。

 裁判に原告として参加している建設作業員の平均年齢は約70歳。およそ半世紀前から、建設現場に従事し、都心の著名なビルを手がけてきました。日本の高度成長を支えてきた労働者たちは、その陰で確実に体をむしばまれていたわけです。

 ある原告を取材した際、「世の中のために一生懸命働いてきた結果が、肺がんだった」と悲しそうに話していたのが印象的でした。こうした言葉を耳にするにつけ、光があれば必ず陰もあるということを伝える重要性を痛感します。(助)

8月24日 産経新聞




3施設でアスベスト検出 レイ・ウェル鎌倉 深中・今泉小

2008年08月22日 | 公共施設等
調査が行われたのは、市役所本庁舎を含む、29の公共施設で57カ所。その内、深沢中学校の昇降口(未使用のもの)・視聴覚室、今泉小学校の第一家庭科室・第二理科室・多目的室・和室、レイ・ウェル鎌倉のホールで「クリソタイル」が検出された。天井部など、建物の一部で検出されたことを受け、鎌倉市が7月31日に業者へ委託して行った大気中のアスベスト濃度調査速報結果では、3施設とも基準(空気1リットル中に10本以下)を下回る空気1リットル中0・1本以下(実際は検出されておらず最低値)。市では健康の影響はないとするも、経年劣化といった理由からの飛散防止のため、該当施設を使用中止とした。深沢中と今泉小では、夏休み期間中に除去工事を行い、生徒・児童が登校してくる2学期までに終了させる予定だ。レイ・ウェル鎌倉に関しては、対応を検討している。

 公共施設でのアスベスト調査は05年にも行われたが、当時、公式な分析方法がなかった「バーミキュライト(ひる石)」という物質について今回、今年6月に改正告示がされたJIS規格での分析方法によって、7月4日から実施された。このバーミキュライトから「クリソタイル」が検出された。

タウンニュース (鎌倉版)






アスベスト:ニチアスへの指導、県や王寺町に要請--退職者労組 /奈良

2008年08月21日 | 健康被害
県労働委員会が先月31日、ニチアスが元従業員らの組合と団体交渉を拒否しているのは、不当労働行為に当たると認定したため、団交実現に向けて行政に協力を申し入れた。県によると、ニチアスは指名願を提出していないため、実際には入札に参加できない。
 庄田誠治・同組合執行委員長(68)は「県も協力して、交渉に応じよという姿勢を示してほしい」と話していた。【高橋恵子】
8月21日 毎日新聞





石綿被害で30年後死亡に労災認定

2008年08月21日 | 健康被害
出稼ぎ先でアスベスト(石綿)を扱う作業をし、約30年後の06年7月に中皮腫で死亡した山形県大蔵村の佐藤忠次さん=当時(75)=に対して川崎南労働基準監督署が労災認定し、遺族補償年金などの支給を決定していたことが20日、分かった。認定は14日付。石綿被害者を支援する神奈川労災職業病センターは「今回の認定は、同じような出稼ぎ労働者の救済の一歩になる」と評価している。
2008年 08月 20日(共同通信)




アスベストとは

2008年08月20日 | アスベストとは
アスベスト種類 蛇紋石群 角閃石群
白石綿・温石綿
クリソタイル
青石綿
クロシドライト
茶石綿
アモサイト
直閃石
アンソフィライト
透角閃石
トレモライト
緑閃石・陽起石
アクチノライト
硬   度
比   重

比熱(kcal/g/℃)
抗張力(kg/c㎡)
比抵抗(MΩcm)
柔軟性
表面電荷(ゼータ電位)
耐酸性
耐アルカリ性
脱構造水温度(℃)※
耐熱性
2.5~4.0
2.55
0.266
31,000
0.003~0.15




550~700
良、450℃位からもろくなる
4
3.37
0.201
35,000
0.2~0.5




400~600
クリソタイルと同様
5.5~6.0
3.43
0.193
25,000
500未満




600~800
クリソタイルよりやや良
5.5~6.0
2.85~3.1
0.210
24,000
2.5~7.5
良~不良



600~850
アモサイトと同様
5.5
2.9~3.2
0.212
5,000未満

良~不良



950~1,040
クリソタイルより良
6
3.0~3.2
0.217
5,000未満

良~不良



450~1,080
不良