わが人生 初めての大病である。
人工透析を受け始めて3週間になり、その間9回受けた。
簡単に言えば透析とは体から血液と水分を取り去り、それをアナライザーと称する浄化機械で、汚れた血液を浄化し、水を取り去り、その血液をもとの体に戻すことなのである。
他人の血液と入れ替えるのではなく、自分の血液をきれいにし、余分な水を除去することなのである。
「透析センター」という名前は使わずに葉山ハートセンターは「血液浄化センター」とわかりやすい名称にしてある。
治療といってもこのことだけである。
血液と水をとる注射針を左手の腕に差し込み きれいにした血液を送り返すために別の1本を注射する。都合2本を打つのである。
針は少し大きめなので差し込むときはチクっとし痛い。それを緩和すために2時間前に局所麻酔用のテープを張り、注射する個所を不感症にしておく。そうすれば痛みが和らぐ。
そしてえんえん4時間 ベッドに寝たまま動かせないのである。
小水はでない。体から尿となって排出される水を注射で取り去るのが 透析だから、小水は出ないのである。
水分を抜くので体重は減る。私の場合は63Kから58キロに減った。
これより減らさないように食事と水分で調整するのだそうだ。
ドライウエイト<適正体重>を決め、それに合わせてゆくのである。
その4時間をどう過ごすのか、それが実は大問題なのである。
体はまだ腎臓を除けば健康で、頭もボケていないのであるから4時間もじっとしているのは、苦痛だ。
本を読むにしても、左手には注射針が2本ささっているので、動かせない。
右手しか動かせないので、本のページをめくれないのである。
ハートセンターには幸いベッドごとにTVを置いてあり、自分でチャンネルを操作できる。
スマホは操作が難しい。ラジオはいいのだが、自分はまたない。
8時から12時まで、TVしか見るものはないので、朝 櫃の番組に精通する感も知れない。
このようなことが死ぬまで続くのである。