五木寛之企画「昭和万謡集」1000年先まで残る100曲を選ぶ
文芸春秋が呼びかけ 各界からアンケート。4月発表
文芸春秋11月号でこの企画が掲載されています。
昭和時代の歌謡曲を愛する人にとって 意義深い企画です。
文芸春秋11月号によると
企画趣旨
昭和歌謡の大きなカラー広告をよく目にします。大々的に一面を使って「懐かしきあの頃の名曲を!」「黄金時代のヒットソングが甦る」といった見出しで、石原裕次郎や美空ひばりなど往年の歌手たちのCDボックスを販売している。これほど頻繁に広告を打つからには、音楽業界も相当、需要があるのではないでしょうか。
では、なぜ、令和の時代にここまで昭和歌謡が関心を集めるのか。私なりに考えてみると、イヤホンを耳につけ、じっくり昭和歌謡を聴く習慣が、かなり広く浸透しているからだと思います。コロナ禍で、大勢の観客が集まるコンサートが悉く中止になったことも、ひとりで音楽に浸る習慣に拍車をかけたはずです。
耳を澄ませて一対一で歌手と向き合うと、メロディーやリズムの良さだけでなく、歌い手の表情やこぶしの回し方など、それぞれのパフォーマンスまでもが目に浮かぶように伝わってくる。
また、これまで聞き流していた歌詞の重みにも気づくはずです。当時の作詞家は、身を削るようにして歌詞を書いていました。大御所の星野哲郎さんが作詞した美空ひばりの「みだれ髪」(1987年 作曲:船村徹)という歌がありますが、「春は二重に巻いた帯 三重に巻いても余る秋」という歌詞があります。
一見、今の若い人には分かりにくい詞ですが、相手のことを想うあまり、春から秋にかけて帯を三重に巻いても余るほどに痩せてしまったという意味で、じっくり聴けば、しみじみ、その味わい深さを感じられるでしょう。
つまり、今、昭和歌謡の聴き方が、大きく変質しているのです。そして、深く聴き込まれることで、昭和歌謡が本来持っていた歌の力が世代を超えて再発見され、再評価されている。古びたかに見えた「昭和歌謡」という音楽のジャンルが、今、一つのブームを形成していることが、非常に興味深く感じられるのです。
日本には能や歌舞伎 茶道など伝統文化は数多くありますが、民衆の中に息づいている真の日本的な文化はやはり歌謡曲しかありません。そう意味で「昭和万について謡集」を編む試みの意義は大きいといえます。
同社では10月に「後世に遺したい昭和歌謡」アンケートを各界の人々に送り
その結果を2024年2月号で掲載し、さらに昭和歌謡に精通した方々に集まってもらい
「昭和万謡集100曲」を選び2024年4月号で公表する予定です。
五木寛之の歌謡界への思い入れ
藤圭子の唄を「怨歌」と評した。
彼の予言通りの人生になった
五木寛之さんは,私の記憶に間違いがなければ、今は亡き女性手藤圭子の唄を
「怨歌」とよんで 当時絶好調だった演歌の女王の暗い側面をあらわにした作家です。
「新宿の女」「圭子の夢は夜ひらく」などをきくと その地声がドスがきいてて、とても
10代の歌手の唄とはとても思えない迫力があったのです。
文芸春秋11月号に掲載された五木寛之さんの「昭和歌謡で万葉集を編もう」によると
藤さんを本当は明るい人なんだよ、と評するひともいましたが、私にはそうは思えなかった。
「ここにあるのは艶歌でもなければ援でもない。これは正真正銘の「怨歌」である
と毎日新聞に書きました。「これは一挙に燃焼した一瞬の閃光であって、彼女に酷使され
商品として成功し、やがてこのレコードのなかにあるこの独特の暗く鋭いかがやきを失うのでないあるまいか」
と書いたのです。
本当に 後年 その通りになってしまったようにおもえます
<藤圭子さんは50代でマンションから飛び降り自殺しています>
最大のヒット 「旅の終わりに」
五木さんの歌謡界への思い入れは多くの作詞をしてレコーデイングされているのです。
女優松阪慶子さんがヒットさせた「愛の水中花」がベストテンになっています。
そして昭和の終わりに立松の名前で作詞した「旅の終わりに」が30年を経過した現在でも
カラオケで歌われております。この歌はテレビドラマ「海峡物語」の中で歌われていたものです。
五木寛之が作詞した歌。
「旅の終わりに」 冠二郎
藤圭子が歌うとこんな風に
ドラマにしても映画にしても なんなのでしょうか。こころをうつ作品が ありません。相手の心情を理解するような 歌がありません。
≪…「愛の水中花」…≫の本歌取り、
[ i (アイ)の一つ]
点も 一つ △も 一つ ▢も 一つ 〇も 一つ
だって一つ なるものよ ふえないなんて
そっと スピン で 一つ を とかしてみたいわ
〇の中の 一つ の スピン のなかで
もっとたくさん 一つ を 数えている
かわいたこの 〇 に スピン をあたえてください
さざなみ の i (アイ) をひとつ
〇 にしぼってください
ヒフミヨ は 一つ の さざなみ
点も 一つ △も 一つ ▢も 一つ 〇も 一つ
だって 一つ なるものよ はぐくめないって
そっと 地球(このほし) の 一つ をそだててみたいわ
そうよ 一つ なんて モノ じゃないわ
だからいまのいまは せめて 〇 をみている
かわいた この 〇に スピン をあたえてください
さざなみ の を i (アイ) を一つ
〇 にそそいでください
ヒフミヨ は 一つ の さざなみ
点も 一つ △も 一つ ▢も 一つ 〇も 一つ