すぐそこに。

テニスとヴァイオリンの2大趣味を中心に毎日を楽しく過ごしています。

言いたいこと、言えないこと

2006-05-30 02:00:26 | just thinking...
電話でお友達と話しをしていたら、ふと、その子がため息をついて、
「あさって、悩みなさそうだよねえ~」
と言いました。

そもそも相談の電話をしてきたのは彼だったのです。戦略コンサルティングの会社で人事部に勤めて4年になる彼は、仕事に対してやる気を失いかけているのです。去年まで3年間ずーっと社員のみなさんの給与計算をし続け、それに飽きて「給与計算なんて、時間をかければ誰にでも出来る仕事はもうやだー!!」と騒いだら、上司の人が「じゃあ、今年から採用活動やれば」ということになり、やる気満々で「良い学生来ないかな」と楽しみにしていました。しかし、学生を選ぶのは彼ではなくもっとえらい人で、彼はといえば説明会やらセミナーに忙殺され、何百枚というエントリーシートを読み、筆記試験の用紙を配ったり時間を計ったり、面接のときに学生さんを面接の部屋に案内したり、という業務ばかりです。そのうえ一番つらいのは学生さんに不合格の連絡をするときなんだそうです。で、まあ、相談と言うか愚痴をこぼされたわけです。

で、まあ、なんとか元気付けようとお話しているうちに、言われたのが冒頭のせりふだったのです。いわく、「あさのように、なんでも言いたいことを相手に言えたら、ストレスもたまらないんだろうねえ。」

あ・の・ね!
あたしが、言いたいことなんでも言う人だったら、「愚痴こぼすんじゃねえ」「いやならやめれば」って言い捨てて電話切ってますよ!

言いたいことはいっぱいある。
だけど、自分と相手は違う。
相手には、自分の分からない考えがあり、感情がある。
意見をぶつけあって議論することが大事って思う人もいるけど、
それをして悪感情が残らない保証がどこにある?
ひとつ意見があって、もうひとつ反対の意見があって、
それを議論しようと思ったら、相手の意見を否定するところから入るでしょ。
理論で言い負かすことができても、感情的にはわだかまりが残る。
「あの人は私の意見を否定した」という気持ちだけが残る。
それが「あの人は私を否定した」に変わらないっていえる?

だから、私は久しぶりに連絡してきた相手が愚痴をこぼすだけでも我慢しました。
「あたしは明日も仕事なんだよ、大の男が相手の迷惑も考えず愚痴こぼしてんじゃねえよ」と感情のままに言って相手の気分を害することよりも睡眠時間を犠牲にして彼の話を聞き、元気付けることで相手を満足させ友人関係を壊さないほうを選んだのです。

その結果が「悩みなさそうだよねえ~」。
悩みがないのはどっちだよ・・・。

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