新年度になりました。
早いものですね。
2023年度初日は土曜日です。
職場によっては、今日が新年度初日というところもあるでしょう。
土日が完全に休みの場合、明後日の3日(月)からスタートというところもあるでしょう。
土曜日スタートの場合、明日休めるから何か気が楽ですね。
月曜日スタートの場合、2日間休めるからなんか得した気分ですね。
学校の場合はどうでしょうか。
1日に入学式をする学校も一定数ありますね。
でも、6日とか7日頃に始まるところも多いですね。
こども達は、今どういう気持ちになっているのでしょうか。
さて。
つい、先日、あるくくまもんは、とても面白い、でも恐ろしい漫画の存在を知ってしまいました。
ほぼ1年前2022年の4月7日に亡くなられた漫画家の藤子・不二雄Ⓐ先生の書いた短編
今日の記事の題名にもなっている
「明日は日曜日 そしてまた明後日も……」です。
元々は今から50年以上前、1971年に発表された作品だ。
できれば、「藤子不二雄Aのブラックユーモア」で検索して、読んでみてほしい。
今日時点で、デジタルセレクションというサイトで試し読みができる。
どんなストーリーかというと
★★★★★★★★★★★★
主人公はちょっと小太りの大卒男子の田宮坊一郎くん
過保護な母親と厳格な父親に育てられた彼は、大きな会社に就職することが決まっていた。
出社初日、満員電車での通勤で押しつぶされそうになり、苦しみ
ようやく会社に辿り着いたものの、守衛さんが怖くて会社になかなか入れず
11時になったことを知ると、上司に怒られることを怖れて、公園に行き、そこで独り母親から渡され弁当を食べる。
夕方帰宅し、両親から初日出勤お疲れさまとお祝いをされて、余計に重圧を感じ
2日目も家を出た後、駅のホームや電車の中で時間を過ごす。
そして、家に会社から電話がかかってきて、坊一郎が出勤していないことを知った母親は、後日坊一郎を病院に連れて行く。
そして、医者から
「坊一郎は、協調性に欠けていて、組織の中で生きようとすると心を閉じてしまう病気である」ことを告げられる。
舞台は一気に変わって、おそらく数十年後
高齢になった父親が、仕事から帰ってくる。
「坊一郎はどうした?」と母親に尋ねると
「今日も2階でじっとしているだけ」と答える。
そして、自分の部屋で一人座ったまま、ぼーっとしている坊一郎の姿が映り
明日も日曜日、そしてまた明後日も……明明後日も……
そしてまた次の日も 次の日も 次の日も 次の日も
そんな言葉で終わりを告げる。
★★★★★★★★★★★★
1971年の時点で、後に顕在化してくる発達障害や引きこもりの問題を的確に指摘した作品として後に再評価されたということを、最近になって知った。
今になって読むと、2023年の世界では「よくある日常の光景」なんだけど
本当によく、この時代に描けていたなぁと改めて尊敬の念を抱いてしまう。
きっと今日
もしくは、明後日
この漫画の坊一郎のような社会人1年生が日本中のあちこちで見られるんだろう。
坊一郎のようにならずに、社会適応できた人は構わない。
あまり細かいことは気にせず、そのままその職場で頑張ってみればいい。
坊一郎のようになりかけている人は
ちょっと自分に問いかけてみるといい。
「この職場が、自分には合ってない」のか?
「自分自身が、社会人としてやっていけない」のか?
「この職場が、自分には合ってない」のであれば
職場からしたら、いい迷惑なんだけど
思い切って辞めちゃうのもアリだろう。
そして、自分に合った職場を探してみるといい。
それで、他の職場であれば適応できるのであれば、十分だ。
時間はかかったけれど、自分に合った職場に巡り合えて良かったね、となる。
だけれど、短い期間働いては転職を繰り返すようであれば・・・
いつかは「社会の問題だ」ではなく、「自分自身の問題でもある」と受け入れた方がいいとは思う。
受け入れれば、きっと多くの人があなたの助けになってくれるはずだから。
「自分自身が、社会人としてやっていけない」と思うのであれば
今すぐに、誰か信頼できる人に相談してみるといい。
本当に理解のある人であれば、あなたに真実を言ってくれずはずだ。
不安なら、何人かに同じ相談をするといい。
「ダメ」と思っていても、しばらく仕事をしているうちに慣れて、波に乗って、日常になることもあるし。
本当にダメな場合もある。
そうだ、まずは自分一人で抱え込んで逃げるのではなく、誰かに言ってみる。
これが、自分自身を救う重要なきっかけなのだ。
それは忘れないでほしい。
生きる道はいくらでもある。
ただ、自分一人では、その道を見つけられないこともある。
50年前と違うのは
「男は家で働き、女は家庭を」と言われていた時代と違うため、20歳前後の女の子の中にも坊一郎が現れる可能性が高まっている。
その一方で
「坊一郎はおかしい。ダメだ。人間のクズだ!放置しておけ!」と考える人も確実に減ってきている。
いくらでも、坊一郎が生きられる道が存在することが分かっているし、周囲の理解も少しずつだけど増えてきている。
今は2023年
50年前とは何もかもが違う。
あなたの心の中に、坊一郎がいた場合
逃げることなく、闘うことなく
誰かの助けを借りながら、一緒に仲良く生きて行く道を選んでほしい。