ありがとうから始まる♪

まずは、ありがとうって言ってみよう、そこから変わる事もあるかも・・

引っ越し

2022年06月13日 | つぶやき

「引っ越し」

ありがとうから始まる♪こちらに→ https://blog.goo.ne.jp/arigatokara 引っ越し中です。
もしよろしければ引き続きお付き合い下されば嬉しいです(笑)。

やっとpink spider が引っ越し完了でやれやれ・・ふぅーーです。
あれですわ文字化けやら、ページが飛んだりで・・。

本当はteacupさん凄く居心地が良くてずっといるつもりだったんですが、
諸事情で閉鎖されるそうなので仕方ないですね・・残念。

あとプロフィールをいれて・・あとの過去のつぶやきやら本の紹介・・ま、新情報をいれて行くという事で過去の分はいいかななんて
考えています、もし間違って残して欲しいというリクエストがあれば随時引っ越しする事のしましょうか(^^;。

8月までは、同時更新として行きますので、ま、特にね・・
ただただ個人的な隠れ部屋みたいなサイトなので・・よければお付き合いください(笑)。

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酒吞童子

2022年06月12日 | pink spider

第十一話「俯瞰」
________

「酒吞童子」
_______________________________

「こんな状態で寝れるわけねぇ!!」
「だって俺!!三つ目になっちまったんだぞ!!・・」
「半狂乱になるのって!!ふつうだべさ!!・・」
身に起きる出来事を冷静に受け止める事をできるほど心の大きい人間ではない・・うん。

「はいはい・・ふふ・・」
結衣ははいはいと言った感じで顔で僕の狂いぶりを見ている、いや、こいつ楽しんでいる・・。
暫く眺めていたが、思いついたように小声で歌い始めた・・。

「かぁごめがごめ♪がごのなぁかのとりぃわ~~♪」
「いついつでぁ~~る♪・・・♪」

結衣が囁くように小声で歌い始めた・・その声に吸い込まれるように僕は瞼を閉じ何時しか深いに眠りに落ちかけた・・
でも悔しいぞ!!あまりにも簡単に・・くぅ何時か仕返ししてやる・・zzz。

「ここは?・・どこだ?・・」
「あっそうっか・・結衣の歌声で眠りにはいった・・ん???」
「夢の中にいる自分??・・確かに体は見当たらん・・」
フワフワしてとても心地よい空間に浮かんでいる感じがする・・随分前に立岩上空を舞っていた感覚に似ている。

よく理解はできないが下に地上があるような感覚に捕らわれた、本能だろう、足元に目線は行く、真っ白な雲が永遠に広がる。
ゆっくりと下降をしているのは理解できた。
広大な景色は僕の恐怖心を忘れさせていた、いや夢だと思っているからだろうか・・・。
少しすると、足元の雲の小さな割れ目のあたりまで下降してきた、地上の景色が少しづつ見え始めた。
僕はどうやら、どこかの山頂付近の上空に降りようとしている。
ドローンで映し出すどこかの番組のようにとても綺麗な風景だ、山林の緑は鮮やかで少し視線を広げると遠くに海も見えてきた。
随分地上に近づいて行く感じは不思議なくらい心地よい。
足元から自分が舞い降りようとしている付近に神社のような建物が見え始めた。
それは近づけば近づくほど勘違いだと理解した。
屋根はないものの、城石が積み上げられそれで囲い込む先には洞窟の入り口のような穴が見えた。
その近くの景色が見渡せるくらいの上空までくると下降が止まった。

山のふもとからそこにを目指す二人の人影が視界に入って来た。

少し場面が変わった、洞窟の中に立て込んだ立派な屋敷があり奥に独りの武将のような青年が目を閉じその修行僧の様子を心の目で追いかけている、
そして指を握りなにやら呪文のような囁きを始めた・・するとどうだろうあたり一面は霧に覆われはじめ、二人の修行僧は途方に暮れ始めた、
しかし修行僧は錫杖を振りながら、お経を唱えた・・それと同時に霧は払われて行く。

「ふむ・・ま、この程度で引き下がる者でもやはりないか・・」
青年は呟くと、両手を空にかざし何やら叫んだ。あたりに雷雲が立ち込め激しい雨と雷があたり一面に振り出した。

呪文を駆使しようとも、山の中の雨と落雷には行く手を阻まれた二人の修行僧は流石に慈悲を叫んだ。
「若狭の王ょ、我等は救いを求めてやってまいりました・・是非、是非慈悲を・・」

その青年はにやりと微笑んで、雷雲と雨を止め、洞窟の入り口までの道のりを霧を晴れるように導いた・・
「やはり、只者ではないか・・よかろう・・」

僕は少し思い出した、この後若狭の王は騙し打ちにあい酒吞童子という鬼に変化し、今や最強の敵となってしまった景色だ。
この修行僧は源頼光に勅命を受けた藤原保昌達だった。

「人は憎しみに覆われると鬼になるの・・・・」
「若狭の王はとても霊力の強い武将だった・・だまし打ちを受けて封印され続けたけれど・・」
「良心という念と憎しみという念を分けて時の流れに流したの・・」
「時を経て酒呑童子の良心という念を猫さんに授けたってわけね・・」
「ちょっとまった!!、若狭の王つまりは今の酒吞童子と同じになった??って理解で良いのか?」
「彼の首は立岩に、そして体は眞名井神社に・・その全てが整った時・・鬼獄稲荷神社で一つになる・・」

「という事は・・敵はクビ部分でこの第三の目は体って・・??いや、反対か??」
ま、どちらにしてもこれで互角に戦えるって事か・・なんか難しい気がするがそういう事になる・・・アハハハ・・。

「ちょっと待った、結衣!!この幻想から解き放してくれんと・・忘れてしまうかもしれん!!」
「大丈夫だょ、起きたら覚えているはず・・へへへ・・。」
結衣の意味深は微笑みは、今もって信用にならんが・・あ、この目は自動解除?・・
「少し両目を閉じて、息を深く吸いこむと第三の目は開くはずだょ・・」

その声を聴きながら、幻想の中の僕は意識を失った。

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覚醒

2022年06月12日 | pink spider

第十一話「俯瞰」
________

「覚醒」
_______________________________

「起きろ!!・・狙われている!!・・」
「わぁーーー!!」

条件反射で僕は飛び起き身構えた!!いや、そのはずだった、
独り分の寝袋の中で完全封鎖をされた体は、起きる動作を阻止するには充分な空間であった、
相対性理論の応用だ、発せられたエネルギーはその力を吸収しゼロ、ニュートラルに戻すという原理が働く、
従って、勢い行く起こした体は、寝袋という障害物に阻まれ、その力は比例して逆の方向へ、
同じエネルギー量でゼロに戻る、つまり、勢いよく後頭部を地面にたたきつける事になった。

真の苦痛を味わうとしばらくの無の空間に支配され、意味不明の音声が脳裏、
いや脳みそ全体に鳴り渡っていく、一瞬の空白は激痛という感覚によって消されて行く。
予想通り数秒後に声をも発する事の許されない苦痛が襲ってきた。
「ジーーン!!ジーーン!!」
絶えられない苦痛の中にどれくらいいたんだろうか・・
少し、耐えられる痛みに変化すると、僕の本能はあれを欲した、
こう言う場面では絶対に必要なあれだ・・。

頭を押さえ、ようやく寝袋のチャックを自分で開閉するという作業ができたのは、それから数秒後だった。
「結衣の奴、顔の部分にまで寝袋をかぶせやがって・・ぅぅうー。」
「いってぇーーー!!」
声を発したつもりが、声もでない・・
ガサガサ・・同じポケットを三度も手をねじ込んだがみつからない・・無造作に寝袋のチャックを開けたものだから、
チャックが裂けてしまったが、それよりもあれを・・あれを取り出さなきゃ・・

手当たり次第にチャックをあけポケットはひっくり返し散乱状態の錯乱状態だったが、
一刻も早くあれを・・そして自分を取り戻さなきゃ!!
人はパニック状態に陥ると意味不明な思考と行動を起こすものだ・・
やっと冷静に思考が稼働を始めた・・。

予想通り、意味深に楽しそうな結衣が目の前でフワフワ浮いてこちらを見ていた。

僕はそんな事よりあれだ、あれを・・欲している。

さんざん探したが気がつけば、手にジッポと何時もアメリカンスピリッツトを握りしめていた。
もちろん右手は頭を押さえたままだが。

もう少し頭の中の痛みは消えていないが、そんな事よりもあれを・・その本能が勝利した時、
硬直した両手を無理矢理動かして、ジッポに火をともし、何度も落としながらタバコを口にした。

「ふあ~~♪」
タバコの煙を吐き出すとまだ痛みがついてくるが、それでも冷静になれるきがした・・。

まだ薄暗いが、地平線の向こうに太陽が顔を出そうとしているのが解る・・
夜明け前かな・・風が少し流れて行くのを肌が反応してくれる・・。

余分な音が消され、葉からは新しい空気が吐き出され、
時折、鳥の鳴き声がする、霧が世界全体を覆い、誰もいないこの空間が成立する贅沢な時間と空間だ。
神がくれた一瞬の僕だけの世界、そこに吐き出したタバコの煙がゆらゆらとバラードを奏でるように流れていく。

まてょ、何気にあんなにパニック状態になったんだ?
タバコを深く吸い直し、煙をゆっくりと吐き出しながら・・少し考えれた・

僕は地平線のない大地にいた、足元には綺麗な名もなき雑草が芝生くらいの高さで一面を覆い、
空にはまばらな白い雲があるけれども晴天だった・・
時折、風が僕の体を優しくなでながら通り過ぎて行く。

そんなに遠くない場所に結衣と菊姫は寝ころんで大の字になって永遠に広がる空を笑いながら見ている・・
僕は感じていた、この時間が永遠に続きますようにと・・。

あっ、思い出した、僕の前に急に鏡が現れたんだ・・
そして鏡に映った僕は急に叫び出したんだ・・
「起きろ!!・・狙われている!!・・」

自分の声で飛び起きたんだ・・え・・?

額の真ん中、丁度眉間あたりが何かもぞもぞする・・
まだ頭痛は収まっていない・・ん?

僕の視界が少しおかしいのだ・・片目をつぶってもまだ景色が半分にならない・・
思い切って両目をつぶってもまだ、景色は見えている、僕の大好きな景色は暗闇にならない・
タバコを地面に置いて眉間あたりをさすってみた・・

「痛っ・・」
生めん玉に触れた痛さだ・・思わず目を閉じた、もちろん世界は真暗になる・・
しかし変な感覚はまだある、涙が額からも流れているような気がする。

結衣が近づいてくる。
「猫さん、あきちゃんのお経の効果と菊姫に出会うことで・・覚醒がはじまったょ。」
「は!・・結衣!どう言うこと!!」
「へへへ・・少し目を閉じて・・遠い景色をイメージしてみて・・」
「はっ???」
「いいから、目を閉じて、少しゆっくりと息をしてみてよ・・」
「えーーえーー真名井神社が見える!!」
「じゃ、目を開けてみて・・」
「うわぁーーーなんじゃこりゃ!!ーーっ。」

目の前に居る結衣が見える、が、別カメラで差し込んだような風景が同時に見えるのだ・・
そ、眞名井神社の景色も同時に見えている・・。

「うわぁーーー!!」と叫びつつも、
も一度後頭部を打つのは嫌と条件反射が働き、両腕は後頭部をかばいエビのように瞬間腹筋をして回避した。

「結衣!説明してくれ!!早く!!・・いや説明して下さい!!お願い!!・・」

「そ、その感覚は第三の目が開いたの・・」
「でも安心して、きっと人間には見えないから・・」
「あ・・おいらは三つ目になった・・って・・妖怪じゃない・・妖怪になった!!・・・げえーー!!」
「いいじゃない・・特殊な人間になったと思えばさ!!」
「他人事だと思ってさ・・ん????」
「で、何さ、特典ってあるの??・・ある??の・・」
「人間には全ての景色を球体で認識するという俯瞰という思考がある・・これは解る?」
「もちろん、思考の視点の持ち方、つまり自分の立ち位置ではなく相手の視点で考えたり、」
「全体像の中の自分の立ち位置を考えて自分の位置を見る視点の在り方を俯瞰して見るって言うけど・・」
「そ、そのリアル版・・アハハ!!」
「それでね、日常生活においては三つ目を閉じておかないと大変だから練習してね・・ふふふ・・」

「猫さんは第三の目で、予感したのょ、眞井神社に行く前に襲われると!!」
「それが特典ね・・凄い凄い!!」
「結衣、やっぱなんかしたよね!!絶対なんかしたに違いない!!」

結衣は笑ったまま質問に答えようとしてくれない・・
「あきちゃん、みゆきと猫さんは皆の為にがんばったから、眞井の神さんがご褒美くれたんだょ・・」
しかし、この結衣のつぶやきは僕には聞こえなかった・・

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2022年06月12日 | pink spider

第十話「鬼族」
________

「絆」
_______________________________

僕の運転には癖がある、エンジンを一度空ぶかししてからギアを入れる・・
自分の癖に気がついたのは結衣が何時も指摘するからだが・・

今日は何も言わず、菊姫と結衣はお互いが見つめ合い沈黙を保っている。
僕には心の会話をしているように思えた、割り込む隙もないので放置することにした。

みゆきは何時ものふざけもなく、ただただ菊姫を静かな、少し意味深な目線で見つめているだけだ。
助手席のあきちゃんは・・座り込むや否や寝込んでいる。
そりゃそうかもしれない、結構今回は大活躍だったからな・・。

少し走ると漁港添いにアスファルトを無理矢理突き抜けそんなに高くはないが2~3mの高さの樹木が生えている。
歩道のど真ん中にあってあえて歩道は広げてあり、その樹木を迂回して歩くそんな不自然は光景が視界に入ってきた。

結衣はふと、僕に呟いた、
「届かぬ思いは、やがて神に語り掛け始める・・その声を聴こうと神が意志を示した時、そこに樹木が芽生える」
そう言い終わるとまた沈黙に戻った。

「わっ聞こえたのか!!」と思ったが、
この雰囲気の中で僕は質問を辞めた、悪ふざけのない車中は初めてだったからだ。

突然お腹がなった、そして現実に戻った。

「今日は何月何日で、今何時だ・・。それより腹へった!!」
「あぁーーーそして眠い!!」
「結衣、俺らなんやかんやいって2日間この騒動で寝てないぞ・・」
「このまま眞名井にいってまた事件が起きたらさ・・俺ら餓死!!餓死する!!」
「それに1時間もしたら夕方になっちまう!!」

僕の叫びで沈黙は破れてしまったが、菊姫は沈黙を保ったままだ。

「そうね、人間は食べて寝なきゃ死んでしまうもんね・・フフフ♪」

そんな嫌味聞いている余裕は僕にはなかった、
信号で運よく止まったので、右に指示器をだした、まさに本能ってやつだろう・・
ミップルという4Fくらいあるスーパーがあり駐車場もあり、
フェンス越しではあるが港も見える場所がある事に僕は思い出した。
人は追詰められると限界を超えるというが・・ま、大袈裟だな・・。
でも、次を思いだしていた・・
2Fに確かマクドがあった!そう閃いた僕はアクセルを強く踏んだ・・
「なんか食べに行くのか!!・・」
あきちゃんの寝言がこだまする・・起きたのかと思って横を見ると寝息を立てていた。
思った事を寝ながらききやがった・・悟りの成果か・・
ま、どうでもいいや人間食べなきゃ寝なきゃね・・。

ウィンカーはカチカチとなり信号は青になった。
ブンと空ぶかしをしギアを2に入れ走り出す。

数分で駐車場にたどり着いた、ダッシュで2Fに走りこむ、
丁寧な挨拶をしてくれる店員さんに早送りの魔法をかけたい気持ちを抑えながらセットを四人分注文した、
本能は怖いものであきちゃんは2人分食うと瞬間に判断したからだ。
その足でキャンプ用のテントも買い込んだ、人間追い込まれるとゾーンに入るらしい。

買い物が終わりやれやれと車まで帰ってくると、ギラギラした目で僕を待つあきちゃんが待っていた、
これは今流行りの名なんとかの呼吸ってやつか?

駐車場のフェンスの向こうにちょっとした公園があり動物組はシートを広げ休憩する事にした、
みゆきは一応人間組?に入れておこう・・ま、食べるしな・・。

飲み物まで気が回らなかったので3人共コーラにしたが、不満は出なかった、
もっとがっついて食べるかと思いきや、やっぱりハードだったんだ、2人もゆっくりとかみしめるように食べ始めた。
良い時間だ、このまま時がとまれば良いのにとつくづく思った。

僕はアメリカンスピリットを取り出し、最近お気に入りの龍の彫が入ったジッポを取り出し、
そのままあおむけになって火を灯しタバコをふかす。

太陽は少しづつ海に近づいていた、その向こうで時折波の音が聞こえる。

過去から現在にいろんな争いがある・・
人類が始まってから今に至るまで終わらないチキンレース・・
僕はあのソロモンの知恵に触れた事があった事を思いだした、
この星の誕生は、太陽の爆発で飛び出した、粒子と粒子がぶつかり合いそれが光源となり光を誕生させた、
そしてそのぶつかり合いは回りの粒子も巻き込み引力となっていろんな原子を取り込んで科学反応を引き起こし、
鉄、マグネシウム、ウランなどの加工物を生成させながらどんどん自転がはじまり球体化していった、
今で言う核連鎖だ、原子力発電のような出来事がこの暗黒の宇宙で始まった。

しかし、ここで大事な事はこの粒子のぶつかり合いには一つの意志によるものだ、偶然やたまたま始まったものではない、
少し表現が難しいがここでは神の意志としておこう。

ぶつかりあった粒子と化合物の化学反応は膨大な熱を発生させるが、宇宙のマイナス温度はそれを急激に冷やした、
故に表面が冷えちょっとした卵の殻のように膜ができた、それが僕等がいる大地の始まりだ。

ある思考で始まったこの塊は、地表に創造物をどんどん具現化させて行く、
山、海、森・・そして意志を持つ生物・・。
そこでいろんな挑戦を始めた、創造の連鎖だ、そうやって地球という星になっていった。

争う事ない平和な世界・・きっとこの星はぶつかり合う事で生まれてきたが、虚しさも感じ始めてきたのかもしれない、
感情というものを創造し、勝ほう負ける方、両方の気持ちも理解できるようになってきたんだろうきっと、
地球を産んだ意志はこれに興味を抱き幾度となく挑戦することが始まった。

爬虫類に最初は託したが、それは破壊しか誕生しなかった、そこで新しい生物に託す事にし人類を創造したが、
おしい所までいって共に奪い合うようになる、
しかし地球を産んだ意志は1%未満の可能性ではあると感じたがそれにかけてみることにした、
何度も文明を栄えさせ、そして最後はお互いが殺し合うという繰り返しを見つつも、
人類にまだ可能性を感じていてくれる。

それは僕等に輪廻転生というステージをくれた、そこで沢山の失敗と経験を貯蔵するデータバンクのような世界だ、
そのお陰で僕等はリセットを繰り返しながらも次のステージに進めていられる。

でも近年、そのデータバンクと繋がる事の出来る人類も創造するようになった、
それが、ゆき、であり結衣だろう。

その出会いは、桔梗のようにづっと過去から現在まで絆で繋がっていて、
彼(地球)の夢を叶える為今も戦っている・・・。

そんな事を考えながら、何時しか僕は眠ってしまった。
結衣は僕の寝顔に人差し指をペロッとなめそのまま額に差し込んだ・・
「ご苦労さん、少しは休んでね・・」
と、つぶやきながら・・。

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起こり

2022年06月12日 | pink spider

第十話「鬼族」
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「起こり」
_______________________________

「連れて行きなさい・・」
「どうやって連れて行くんだい・・」
「結衣のようになれるわけもないだろうしさ・・」

菊姫は社の中の拠り所である「石」に映し出された・・立体映像でしかない。
封印されてたわけだから動けるわけもない・・
白い着物で手はだらっとだらし伸びきった髪は腰まである時折風に吹かれて、
目らしきものが見えたり見えなかったりしている。
ビジュアル的に凄くおどろおどろしいのだが、
僕等のやり取りをお見ながら微笑んでいるように感じるのは僕だけだろうか・・。

「ひひひ・・おじいちゃんからの伝言なんて聞いてる・・」
「猫さん知っていればもっと早くにここに来てたと思いませんか・・」
「なんかさ呪文を代々伝授されてるとかさ・・」
「ないですょ、そもそもご先祖のおじぃちゃんがそんな凄い人だったって今知ったくらいですから・・」
「でも連れていかないと真名井神社に行っても意味がないわけでしょ・・」
「あっそうだ、あきちゃんあれだ!あれだよ!!」
「あれってなんなんですか、あれって・・」
「結衣と鬼族と戦った時のあれだょ・・」
「え・・般若心経を上げるってやつですか・・」
「でも、あの時は無我夢中でしたし、しかもゆきさんもいたしね・・」
「どうやってこうなったか・・全然覚えてないですょ・・」

結衣は横目で僕等のやり取りを聴きながら知らん顔をして楽しんでいるようだ。

「人生はなんでもそうだけど考えていてもさ、妄想の領域から出る事なんてありえないなんだょ・・」
「全ては因果応報!実践して見なきゃさ、次のヒントも生まれないってもんだ!!」
「取り合えず、あれだ、そそ、あれ、般若心経からやってみようぜ!!」

「そうですね、とりあず般若心経からですかぁ・・・」
「猫さんってなんか雑ですね・・ほんと・・」
「馬鹿野郎!雑ってなんだ!名案だょ名案!」
「閃きの天才と呼びなさい!!」

「はぁ・・・なんだかんだと言って僕がやるわけですからね・・」
「じゃ行きますょ・・ほんとに良いんですね・・ほんとに・・」

少しずれかけていたズボンを引き上げベルトを締め直した。
その次いでにお尻をボリボリ搔きながら片手を菊姫の前に差し出し・・

菊姫は両肩を少し揺らしながら頭を少し上下している・・

「え、笑いをこらえてますょ!!猫さん・・あってます本当に!」

「なんだって般若心経は万能のお経と呼ばれていて、あのお釈迦様から頂いた有難いお経や・・」
「間違うわけがないだろう」
「いやね、猫さん菊姫さんが言うには、解放の呪文であるって言ってましたょ・・」
「そうかぁ、じゃ般若心経でないか・・もう少し聞かせてもらおうか。」
「ちょっとわからんのですが、なんでも無に帰すお経だといっていたような・・・」
「ほな、それは般若心経に決まっているやないか・・」
「般若心経は万能のお経やからね、ほな、般若心経で決まりや」
「でもね、菊姫さんは解放されて、邪は消えていますから無に帰す必要なないと思うのですが・・」
「そうかぁほな般若心経でないかもしれせんな・・もうちょっと聞かせてもらおうか・・」

「あんたら!!ミルクボーイの漫才もじって遊んでないでささっとせんかい!!」
結衣の不意打ちの突っ込みにみゆきも思わず爆笑してしまった。

結衣は急に真面目な顔になりあきちゃんに言った、
「成仏された悪意のない者に対してのお経は構えてはだめですょ・・」
「不意に相手の心に届くようにあげなきゃ相手は邪に帰ってしまうのよ・・」
「つまり、武道で言う、、起こり、、のように・・」
「あれ何時あげたの?いつ読み始めたの?という風に・・」
「助あげようとか、なんとかしなきゃと考えて初めてはいけないの・・」
「相手の目を見て、体の動きを見て、心の隙にそっと入るように届けるように・・」

その言葉を聞くとあきちゃんすっと存在感が薄れていった、空気のような、
とても爽やかな風になったように透明感があるのに物体として感じれない存在になっていた。

頭の奥の方から急に囁き声がはじまった・・
「魔訶般若心経・・・」
構える暇もなく、動く事も出来ないまま般若心経しか聞こえない・他の雑念を考える時間も暇も与えない・・
静かで心の中で響き始めた。

菊姫は映像から立体になり始めた・・すると、ポンと社の石から産まれた子供のようにはじき出された。

「これは、、起こり、、という間合いなの・・」
「業を幾多となくこなし、お経を鍛錬した者しか成しえない技なのょ・・」
「覚えておいてね・・・」

なんか僕からすると、結衣が二人になったような感覚だったが・・ま、いいかと思ってしまった。
「さ、真名井神社の神様がお待ちでしょうからいきましょうか?」
素直に「うん」と車に乗り込むあきちゃんと僕は少しほっとした。

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