「心躍る」
「何時まで続くこの暑さ!!」扇風機に叫ぶも「いづまでーーずずくぅーーごのあずさぁーー」と自動変換。
椅子に腰かけ、テーブルにグラスを置き天然水のペットボトルを手に取り注ぐ。
つけっぱなしのテレビから、今日も大変なニュースが流れていた。
天然水をいれたグラスを傾け、無防備に胃に流し込んでしまった、もちろん咽た。
何気ない時間の中にも自然に「後ろ向きな情報」が流れ込んでいる、こんな環境で未来に向けて「夢」を語ろうにも、
思いつくはずはないよなと、普通に呟いている自分に気がついた。
先日、待ち合わせの時間が先方様の都合で少し遅れたので、コンビニで時間を潰すことにしたが、
綺麗に配置された商品達はキチキチと並んでおり、トンでもない異質な商品が僕の前に現れる事なく、
1分も徘徊する事が出来なかった。
雑誌コーナーの前で立ち尽くし、選んでいるふりをする手段しか思いつかなかった。
しかし、この本達もまた、キチキチと並んでおり、ふりをするのには無理だった。
店内で1分、駐車場の喫煙場で煙草を吹かすも2分、合計3分程度しか時間を潰すことができなかったので、
Bossのカフェオレでも飲んでもう一本吸う事にした。
入口の自動ドアを抜け、先程の雑誌のコーナーの前をだらだら歩きながら、何気に横を見ると「理論的思考quiz」
「俺だよ、さっきあんた無視したろ、気がつけよ、呼んでんだからさ!!」
なんて言うわけもないが、その声に反応したかのように無意識で手とってページを捲ろうとする自分に気がついた。
「明日は雨が降るか、誰の予想を聞く?」
石川さん「50%なら当たります。」山下さん「75%もあたります。」阿部さん「10%しか当たりません」
表紙に出題されているクイズを読み込んだ。
こんなのクイズにもなってないじゃんと思いつつ小さな声で「山下さんで決まり!!」なんて言いながら、解答のページを探す。
凄く難しい感覚を持って解答し答え合わせをするとドキドキするが、そんな気持ちも湧かず流れるように解答のページを読んだ。
「なるほど!!そんな発想ななかったな!!」勿論小さな声で叫んだ。
正解は阿部さん、理由は10%しか当たらないとするならば90%は外れる、故に晴か天候不順で言えば反対を信じれば90%
位の確率で当たるから!!だそうだ。
「へぇーなるほど」が止まらなくなり即決で購入し、読みふける事になった。
思い込みが視点の盲点生むという簡単な理屈だが、あっさりと引っかかってしまった自分が面白くて、
久々に「心躍る」気分になれた。
駐車場に座り込み、Bossのカフェオレの飲みかけを置き、手帳に手順や解答例を書き写し「そっかぁ!!」「なるほど!!」
と無邪気に戯れていたら、後ろから日傘をさしのべるクライアントさんに気がつき振り向くと
呆れた笑顔は優しく微笑みながら「お待たせしました」と言ってくれた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます