攻撃は最大の防御なり

50代おやじの適当なブログです。

デモンズソウル読み物 「聖女アストラエア」

2009-10-30 00:00:00 | デモンズソウル読み物
「アストラエア様、お気を付けて・・・」

銀色の甲冑に身を包んだ屈強な騎士が女性の手を引いていた。
その騎士は見る者を圧倒するかの様な巨大な槌を軽々と担いでいる。
それと対照的に華奢な女性の手を引く様は不思議な光景であった。
女性は常人でも判る様な聖なるオーラを放っており、
騎士の甲冑に反射しその歩みと共にキラキラと揺れていた。

「この辺りは酷いですね。神は何故この物たちに苦行を与え続けるのか・・・」

その女性の名は「アストラエア」

ボーレタリア王国の”正義”を司る第六聖女である。
ボーレタリア王国の八人の聖女達は国王「オーラント」に仕えていたが、
かの国王の暴走により濃霧に包まれてからというもの主を失った状態でいた。
しかし、”死”を司る第四聖女が魔の手に落ちたのをきっかけとして、
アストラエアはその”義”のなす所の世界を救う為、旅立つ決心を付け今に至る。

彼女に同行している騎士の名は「ガル・ヴィンランド」と言った。
ボーレタリア王国屈指の騎士一族ヴィンランド家の末裔である。
ヴィンランド家は古くより聖女達に仕える第一神殿騎士の家系であった。
本来であればヴィンランド家の頭首である彼の父が同行すべき所であるが、
彼の父は病に臥しているため若輩の彼が同行することとなった。

谷を下るアストラエアの周りには十名ほどの腐敗人の姿があった。
アストラエアを先導する者。又在る者はアストラエアの背後を見守るように歩みを進めていた。
世界が濃霧に包まれた時、大半の腐敗人達は自らを失い獣と化した。
しかし、少数ではあるが若干の知性を残した腐敗人もおり、
アストラエアと接触する事により、その聖なる輝きに導かれて行った。
この腐れ切った谷を安全に下れる理由として彼らは一役買っている。
もしも彼らが居なかったらガル・ヴィンランドと言えどもアストラエアを守り切れる自信は無かっただろう。
又、谷を下るごとにその腐敗人の数は増えて行った。

ふとアストラエアが歩みを止める。そこにはこの地に足を踏み入れたであろう勇者の古びた遺体があった。

「さぞ苦しかったでしょう・・・安らかにお眠りなさい・・・」

アストラエアは異形の者と化した勇者に深い祈りを捧げた。

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1 コメント

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Unknown (ななし)
2012-10-19 23:26:35
ますますアストラエアに萌えた....
主、こんないい物を書いてくれてありがとう
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