攻撃は最大の防御なり

50代おやじの適当なブログです。

デモンズソウル読み物 「侵入者」

2009-11-11 00:00:00 | デモンズソウル読み物
「すみません、ガル・ヴィンランド」
「ご無事で」

アストラエアがデーモンとなった力によりこの腐れ谷は均衡を保っていた。
既に獣と化した物達が生き長らえていられるのも彼女のお陰であるが、彼らには知る余地も無いのだろう。
最下部の腐敗人達はそんなアストラエアを崇め、不思議な呪文を唱え続けていた。
死を恐れることは無いが、何もない無機質な時間がこの谷には流れているのであった。
そう、あの男がこの谷に侵入して来るまでは・・・

「戻ってください、デーモンを殺す者よ」
「ここは、神に捨てられた者たちが寄り添う場所です」
「あなたが奪うべき何物も、この地にはありません」
「お願いです、戻ってください」

ガル・ヴィンランドはその血筋に誇りを持っていた。
ヴィンランド家の家宝である武器、防具を身に纏っている彼は正に無敵であり、臆すること無く侵入者に立ち向かっていく。

「やはり、戻れはしないか」
「どうしても彼女を害そうというのであれば、仕方ない」
「この地の底で腐り落ちるがいい」

侵入者は驚くほど軽装で、竿状の武器を持っている。
この地にこのような格好で来るような奴に負けるはずがないとガル・ヴィンランドは思っていた。

侵入者の攻撃が暗銀の盾で弾かれる。
その瞬間、盾が炎で覆われた。

どうやら奴の武器には炎を伴った力があるようだ。
その後も侵入者は彼の隙をついて容赦無く攻撃を続けてくる。
背後にいるアストラエアを死守する為に、彼は自由に動けない状態で戦いを続けていた。

「貴様等は、なぜ我々を害そうとする?」
「もとより、貴様等が捨てたものであるのに」
「我々は、ただひっそりと生きているだけだ」

その言葉を無視するかのように、侵入者は巨大な包丁のような武器を取り出していた。
ガル・ヴィンランドが必殺の一撃を繰り出そうとプラムドを振り上げた瞬間、侵入者は懐に飛び込んで来る。
重い甲冑を身に纏っている彼にとってそれに対処するのは不可能であった。

侵入者の刃が後ろから彼の心臓を貫く・・・



「ズンッッ!!」



鈍い音と共にガル・ヴィンランドはその場に崩れ落ちた。


「アストラエア様・・・私は・・・あなたを・・」

彼の断末魔の悲痛な叫びはアストラエアの元へは届かない。
最期に彼はアストラエアの方を振り向こうとするが、冷徹な侵入者はそれすら許さなかった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿