arata-tokyo-jp's blog(Henry Nagata)

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「癒し系のCD」を信じますか?

2004年07月28日 11時30分33秒 | エッセイ
最近では「癒し系のCD」というものが、世の中に沢山出回っています。
さも「このCDを聴けば、必ず癒されます」・・・とでも言いたげに。

以前から考えていた事なのですが、実は私はこの「癒し系のCD」というものを、あまり信用していないのです。
癒し系のCDは私の家にも沢山あるのですが、今では全く聴いていません。
それらは癒しにはならずに、聴いていると逆にイライラして来るからです。

人の心は毎日変わるものです。
今日ユーミンの「コルベット1954」という曲を急に聴きたくなったかと思うと、次の日にはフリー・ジャズやシェーンベルクの音楽を聴きたくなり、また数日立つと今度はサン・サーンスの「白鳥」を聴きたくなるといった具合です。

自分が癒される為には、「聴きたい瞬間に、聴きたい音楽を聴く事が出来るか」という事が、一番重要な事だと思います。

大自然の小川のせせらぎや、潮騒、鳥の鳴き声のCDなども、癒されるのは最初だけでしょう。
何故かといいますと、「録音された自然」というものは既に自然ではなくなっているからです。
鳥の鳴き声なども、CDをかけて10分くらいになると鶯が鳴くとか、「予測」が出来てしまいますし、音程も一緒、鳴き方も「ワン・パターン」で、自然の生きた鶯とは全く違います。

大自然というのは、予定通りには行かないものなのです。
天気予報にしても、数十年も前からTVで放送され、研究されているのもかかわらず、当たらない事が多いのです。
詳しくは分かりませんが、一番当たる確立の高い梅雨時でさえ、70%くらいの確立だと聞いた事があります。

この様に大自然というものは予測出来ないものですから、予測出来てしまうような自然や音楽というものは、皆イライラするだけで癒しにはならないのです。

音楽でも文学でも学術的な本でも、優れたものというのは、繰り返し味わっても、その度に新鮮な感動を味わう事が出来ます。
つまりこれは、「予測出来ない」という事なのです。
言い換えれば良い意味で、一般大衆の予測を裏切っているのです。
優れたものというのは、ある部分一般大衆の予測を裏切りながら、予定通り一般大衆を満足させるのです。
分かりやすく言いますと、例えば推理小説でも、読者の思い通りの結末になるような出来では読者は満足しないのです。

上野駅の近くを通りますと、鳥の鳴き声が聴こえて来るのですが、これが全く不自然で、何度も聴いているとイライラして来るのです。
もし駅で「癒し効果」を考えるのならば、マイクを大自然の中に置きっ放しにして、リアルタイムで大自然の音を駅に流すようにすれば良いと思います。
これならば予測される事はありません。

今日は「癒し」について考えてみましたが、この様に世間一般では「常識」と思われている事が、自分の「素直な心」で判断した場合には、世間一般の考え方とは大分違って来るというような事が、世の中には沢山あるのではないでしょうか。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
サブリミナル・・・ (あらた)
2005-09-25 02:41:55
sari さん、こんばんは。

お久しぶりです。お元気でしたか?

コメントをどうもありがとうございます。



サブリミナル効果ですか?

何か前に聞いた事があるような気もするのですが、今度調べてみましょう。
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Unknown (sari)
2005-09-25 02:26:53
久しぶりに遊びに来ました。癒し系CDについてのコラム、とっても面白かったです。私も何枚かCDを持っていましたが、やっぱり大自然には敵いませんよね。私も殆ど聴いていません。でも、一つだけ気に入ったCDがありました。今は手元にないんですが、船が海の上を走っていて、時折、ギーギーときしむ音だとか、カンカンだとか、波の音だとかが、入ってるCDでした。何でこれを聴くと落ち着くのか、分からなかったんですけれど。もしかして、サブリミナル効果CDだったんでしょうか?サブリミナルについては、どうですか?お時間あれば、またこのことについても、書いていただけると嬉しいです。また遊びに来ます。
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