想像力

2005-07-22 03:04:30 | コラム
年齢×20万円の年収があると、一応、勝ち組サラリーマンらしい、というのが某掲示板の情報らしいです。22歳で440万円、30歳で600万円という感じです。

近頃、国民総中流社会が終わるとか、勝ち組負け組とか、そんなフレーズが良く耳に入るようになりました。これらの評価軸は主に年収をつかっているような気がします。

年収軸でみると、おそらく理系の技術職なんかは「勝ち組」率が少なそうな感じです(これはソースがないですが)。文系社会と呼ばれる日本で理系を選んだことは果たして失敗であるか。

広告代理店や金融の給料が高いのは、客にも上司にも取引先にも頭を下げるという行為を強いられるため、そんな彼らの自尊心を給料によって補填するというのが理由だそうです(ソース中井)。それらの仕事は激務であるとも聞きます。よく言われるように、幸せと高い給料は必ずしも相関関係にあるとは言えなそうです。

管理職で無い技術者が、自信のキャリアに意外と満足しているという話を聞いたことがあります(こちらもソースを忘れました)。プリクラのマニキュア版をつくったカシオの社員は、そのことに誇りを持ち、合コンでもネタにしてるとか(これは確か日経産業がソース)。一般的に言えることではないかもしれませんが、エンジニア職には学生であるぼくらにはわからない魅力があるのかもしれません。もしそうであるなら、総じて勝ち組負け組を収入軸で判断するのはやはり間違いであります。だから理系を選択したことが一概に間違いであるといえるはずはないです。

まぁ、世の中に対して高い価値を生み出す能力の指標として時給なんかが見れると面白いとは思いますが。

一方幸せという軸で勝ち組負け組を判断しようとすると、ファクターが多くて難しいです。バランスが重要であり、何かがかけていてはダメで、何かだけが突出していても幸せとはいえません。人生の巧者はそのバランス感覚に長けています。

何が言いたいのかわからない文章になってしまいましたが、つまり幼いときから潜在的に「勉強が出来てよい大学を出てよい会社で高収入を得ると幸せだ」という明快で視野の狭い規範を刷り込まれてきたひとたち(小生も)は、人生を主体的にうまく楽しんで幸せになるためのバランス感覚育成が弱い気がします。

人生の巧者はその時々にある選択肢の中から良い選択肢を選びます。それは、おのおのを選んだ結果起こる未来を想像する能力があるからだと思います。

勝ち組負け組指標はとりあえずおいといて、豊かな想像力を持って人生を巧く楽しめる人間になりたいものです。