経営者

2005-01-21 05:45:43 | Weblog
三洋電機、05年経営計画で太陽電池の世界シェア3割へ

三洋電機の桑野幸徳社長は20日、大阪府守口市の本社で会見し、05年の経営計画を発表した。事業では、自身が開発から携わってきた太陽電池について「2010年に生産能力を(04年度比15倍の)1ギガワットに高め、世界シェア33%を目指す」と強気の見通しを語った。またデジタル・デバイス関連事業とエネルギー・環境関連事業に注力するこれまでの路線を一層推進。加えて新潟県中越地震で被害を受けた新潟三洋の早期の復興をあらためて強調した。

三洋電機の社長が技術出身だったということはこの記事を読んではじめて知ったが、今回の記事の発言を読んで、もっと技術出身の経営者が増えるべきだと思った。

まず、知識に裏打ちされた自信が感じられる。世界シェア33%は強気というふうに表現されているが、自分にとっては頼もしいことだと感じる。また、高尚な理念が感じられる。確かに環境問題に取り組むということは時代の流れに沿っており、21世紀のメーカーはこの分野を無視して収益は見込めないが、自分にはそうでははない部分も感じられた。研究者、技術者は、自身が開発する技術にかけては『この技術を使って世の中をこう変えたい』という理念をもっているはずだ。その理念は、(技術者の給料体系から見ても)純粋で、世界を支えるものだ。そういう意識をもつ人だからこそ、自分は今回の発言に対して高い理念を感じた。

先日学校の授業で日米メーカーの新技術に対する姿勢の話を聞いた。内容は産学連携にかかわる話であったかと思うが、日本企業は新技術として持ち込まれたものに対し、「他はやっているのか」とたずね、全くの新規だと敬遠するのだそうだ。この風潮は今でも残っているという。これでは画期的な製品が生まれにくいし、世界のトップを走るべき国としてそぐわない。

技術出身の経営者であれば、純粋にその技術の将来性について捉えることができるのではないか。理念だけで飯は食えないが、その技術から開ける人類の新しい未来像への理念が、そうした日本的姿勢を改善するのではないか。

技術と倫理

2005-01-21 05:11:01 | Weblog
盗撮:救急隊員が病院でスカートの中を 東京消防庁


東京消防庁西新井消防署の救急隊員(31)が20日、患者を搬送した病院で女性2人のスカートの中をカメラ付き携帯電話で盗撮しようとしたことが、同庁の内部調査で分かった。警視庁竹の塚署は、自首した隊員から都迷惑防止条例違反(粗暴行為)の疑いで事情を聴いている。


どうも、最近はこのような報道が多い。一般的に、「こんな立場の人が」と思わせる人たちが起こす、なんとも情けない犯行である。教師なんかはもう耳慣れしてしまった。

ところで、どうして最近はこうもレベルの低い犯罪の報道が増えているのだろう。
原因として考えられることは
①こういう犯罪が増えている。
②こういう犯罪の報道は数字が取れる。
両方が関係していそうだ。

②については、現在はまだこの手のニュースに新鮮味が残っており、ショッキングな感じがあることが理由として考えられる。消防士というのは、ある意味新しい。

①について、今回の犯行に使われたのはカメラ付き携帯とのことだが、昔なら秋葉原とかでしか購入できないような小型カメラが携帯に搭載されることで広く普及し、犯行への障壁が低くなったと考えられる。そもそも、こういう欲求は誰にでもあるもので、理性や実行の可能性などある程度の障壁が犯行を防いでいたと考えられる。
エロにかけるパワーはすごい。ビデオもネットもエロのパワーで普及したとのこと。今後さらに高度な技術が開発されれば、それに伴いエロの技術も高度化するだろう。現在の技術、倫理観の状態での犯罪発生の平衡点が現在の程度であるとすると、この調子でこういう犯罪が増えるだろう。

種々の問題を語る際にしばしば科学技術の発展が(恩恵は無視されて)悪者となる。しかし、人間が文化的活動をおこなう限り止まらないことなのだから、悪者にすることは無為なことだ。それより、改善策について積極的な検討をおこなうことが重要である。つまり、技術発展を止めるのではなく問題解決のための更なる技術開発を検討したり、技術を使う人間自体の知的レベルをあげるということである。

社会生活において倫理観は不可欠であるが、それらを「不条理」ととらえがちな社会になってしまった。子供に倫理観を教えるべき親世代はすでに怪しいが、今後ますますレベルが低下しそうなことを考えると、日本人としてのプライドをかけてすぐにでも改善しなければならない問題だ。