2weekアキュビューが下ろして2日で破れた悲しみ。こんばんは管理人です。
さらい屋最終巻読みました。
以下感想とも言えぬ呟きです。もっそりネタバレしておりますので未読の方はご注意下され。
鬼平や。鬼平が居る。(読後最初の呟き)
正直ちょっと何もかんも上手く行き過ぎじゃね? と思ってみたりもして、悪事を重ねてきた人たちにしては待ってる未来が明るすぎるっていうか、誰一人今までの罪を悔いている描写がない(お縄になったイチさんだって贖罪という印象は受けなかった)だけに何の禊もないままに未来だけ用意されてしまった感が拭えないというか、前巻までの展開であっちからもこっちからも追い詰められてこれをどうやって落とすんだろうとドキドキしていた手前このラストはぶっちゃけ少々肩すかしだったような気がしなくもないというか、まぁ色々思うところはありつつあのどん底状態からハッピーエンドへ持っていこうとするとこれが一番ベストな落とし所になるのかなとお前何様的な事を考えてみたりもして、でも誰か死ぬラストを望んでいたわけじゃないからこれが義理と人情と鬼平の世界だと思えば充分アリなのかもとか思っちゃったりしてる。そんな、君の顔が見たかったから。(混ぜるな危険)
個人的にはラストの大団円より、町方に雪隠詰めにされていく描写の方に惹かれました。
瓦版に五葉の名が出て、松の足取りを辿られて、近江屋から政へと繋がり、交渉役の存在は既に町方に知られてるしで、周囲にどんどん火が点いてく感じ。火の手に追われて梅の店に集まった(というか追い詰められた)、この逃げ場のない感じ。上手いなぁ。
銀太の働いていた店を襲ったのはイチさんの集団で、おたけさんはその時奪った金で身請けされ自由の身となった。お互い全く知らないまま運命の糸がこんがらがっている感じというか。一言で因果と言ってしまえば簡単だけど、この「お互いがお互いの足に知らぬうちに枷を付けてる」感じがなんか堪らなくぞわぞわします。上手いなぁ。
政の成長っぷりが半端ねえ。
背を丸めて歩いていた浪人が、刀を捨てイチさんと江戸を出る時のあの背筋の伸び様ときたら。
お前猫背キャラはどうした。
もしや猫背は刀が重すぎた所為だったりしたのか(笑)。
「刀はなくともお守りいたす」の辺りはどこかホモホモしい感じがしたけどまぁそこは気付かなかったことにするとして(笑)。イチさんが弱くなった半面、政の男っぷりが際立って見えた。
背負っているものが重すぎて、その重さ故にイチさんは周りで支えようとする人たちの手が見えていないんだよなぁ。というのは常々感じていました。
五葉のメンバーや姐さんはもちろん、イチさんを追い詰めるべき立場の八木様や仁までもが、イチさんを助けたいと思ってる。
イチさんが幸せになるにはまずそのことをイチさん自身が気づくことだと思っていたので、こういう目に見える形でイチさんの前に突きつけることが出来て、何というかイチさん的には目の前で、パン、と手を叩かれたような心持ちだったんじゃないかなぁ、とか思ってみたり。
もうね、八木様や仁や姐さんが私の目にはオカンに見えた。
道を踏み外した子を何とか更生させようとするオカンたち。
なるほど桂屋は少年院であったか。
っていうか仁死ななくて良かった。
仁はね、桂屋に再就職するといいと思う。(教官として)
取り敢えずイチさんは飯食ってもうちょっと強くなれ。話はそれからだ。
あとお絹ちゃんが天使すぎてどうしようかと思った。「絹は俺がいなくても大丈夫だ」とか抜かしてる梅はお絹ちゃんにプチ家出されて半狂乱になればいいと思う。
そして松に捧げたいオフィスあるある。 → 帰ろうと思っている時に限って仕事を頼まれる。
金と利用価値だけで繋がっていた五葉の面子が、各々ちょっとずつ何かを失って、その代わりに同じ「未来」に向けて一歩を踏み出せた。その未来では、拐かし集団が「家族」へと昇華していることを祈りたいです。
という感じ。
飽くまで個人的な感想でした。
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>M来恵様
どこの一族にもいますよね、ちょっとアウトロー的なおじさん。他の親戚連中からはちょっと煙たがられてる系な。でも子供には受けがいい。まぁ大抵ろくでもない事しか教えてくれません(笑)。さらい屋さんは昨日届きました。一読後の感想が↑でございます。ちと辛口だったかな? ラストのイチさんと政はもうどこへでも勝手に行ってくれという感じでした何だあの二人の世界(笑)。団子食わせ合うのも大概だと思ったが、まさかそれ以上の砂糖袋が投下されるとは(笑)。最後の最後になって銀太が好きになりました。ええ子や。
拍手のお侍様も有難うございました。シチさんがキュウのナンパに成功した時の必殺の口説き文句。「ちょいとお兄さん、そこの茶店でアタシと戦の話でもしませんかい」 これぞキュウゾウホイホイ。
愛のツッコミございましたら→