モグリッチョのフィールドノート

八丈島の自然などを紹介しています。

モノアラガイ

2008年03月02日 | 貝類
学名: Radix auricularia japonica
 
 
 池や沼に生息し藻や落ち葉、死骸などを食べ、殻高:20mm 前後に成長する淡水産の巻貝の仲間です。眼の後方に尖った耳のような突起(触角?)があり、このような軟体部や貝殻の形状が、八丈島の海に生息しているウミウシの仲間のヒメタマブドウギヌに似ているような気がします。分布域は北海道、本州、四国、九州と広範囲に及んでおり、繁殖力も強いようですが、河川改修工事や生活排水による水質の悪化などの環境変化、サカマキガイなどの移入種との競合により個体数が激減し、準絶滅危惧(NT)に指定されています。しかしながら、このような環境悪化が時として進化を促すようなことがあるようです。モノアラガイは有肺目モノアラガイ科に分類され、鰓(エラ)ではなく肺呼吸するそうなので、水中の酸素濃度が低下しても水面で肺呼吸するとのことです。カタツムリなどの陸生の巻貝の仲間もこうのような進化を遂げてきたのでしょうか? 自然淘汰…不思議。

 八丈島のような離島でモノアラガイが海を渡って自然繁殖をしたとは考えにくく、人為的に持ち込まれたものが自然に放たれ、自然繁殖をしているのではないかと思われます。とは言っても、カタツムリなどは鳥に丸呑みにされても、消化されずに生き残る個体が稀にいるようです。

 また、モノアラガイはカワニナも餌にするそうなのでホタル水路に移入されれば、ヘイケボタルの餌として放たれているカワニナが激減あるいは全滅する可能性もあります。しかしながら、ヘイケボタルの幼虫はモノアラガイも餌にするそうなので、ヘイケボタルが八丈島からいなくなってしまう心配はなさそうです。
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