goo blog サービス終了のお知らせ 

濡れてシビれて

日々のキーボードと電子楽器と音楽を自己満足で語るブログ

エムワン回顧録 ■■KORG M1

2013-05-12 15:25:58 | 楽器・機材

※本ブログ記事は、2016年末より新ブログに引越し中です。よろしかったらそちらも読んでみてください↓

 「キーボーディスト、脱初心者を目指す <http://kblovers.jp/>
 


---

体力低下に悩む今日この頃のAndyです。


今回ご紹介する1台は、1988年発売、KORGのワークステーション・M1です。
国産シンセの銘機中の銘機ですね。僕が初めて入った音楽スタジオに
常設してあったのもこれでした。



シンセサイザー史上最も売れた機種と言ってよく、今でも古い貸スタジオとかに行くと
現役でお目にかかれることがあります。当時としてはリアルな音源を搭載していたと共に、
現在のワークステーションの源流を作った革新的な一台といっていいでしょう。


スペックを見てみましょう。
 鍵盤数:61鍵
 音源方式:PCM音源(ai Synthesis System)
 エフェクト:独立2系統ステレオ・デジタル・エフェクター
 シーケンサー:8トラック
 最大同時発音数:16音
 マルチティンバー:8トラック
 波形容量:4MB(16bitサンプリング)
 定価:248,000円
  ※別売のROMカードにより音色追加可能


音色で特筆すべきなのが、「Piano 16'」という名の音色ですね。本物のピアノとは違って
硬いアタックと抜けの良さが特徴的です。これがのちに“M1ピアノ”と呼ばれるほどの個性を確立しました。
そして後のコルグ製シンセサイザーには大抵、この音色名の音が収録されるようになりましたね。


このピアノ音色、色気がなくやたらとゴツゴツしていて、バッキングなどで刻むのには適していますが、
バラードだろうが何だろうが一時期全世界で使われていたような気がします。
それほど定番になった音色なのですね。

オルガン音もしかりで、「M1 ORGAN」という音色名で搭載されているシンセも多いと思います。


技術の進歩により、ハイ・サンプリングな音色ライブラリーを装備しているのが当たり前となった昨今、
いわゆる高音質な音を出すシンセは世に多くありますが、存在感のあるサウンドを装備した
シンセはそれほど多くはありません。スペックだけでは語れない音がM1にはあるような気がします。


さて時は経ち、2005年にはソフトシンセで「M1ソフトウェア・シンセサイザー」として、
2010年にはNintendo DSで「M01」として復刻されました。


どちらもまだ使用したことはないのですが、概ね好評みたいですね。
特にソフトシンセの方はオリジナルに非常に近い音が出るとの評判です。


まー本家の方はビンテージでも入手困難なわけでもないけど、
ソフト音源で鳴らせればお手軽だし、(まだ聴いたことがない)ROMカード音源も内蔵されてたり、
本家M1で搭載されていなかったフィルターのレゾナンスなんかも
装備されているみたいなので、一度実際に導入して音色を吟味してみたいところです。


なお、僕が思うに、いわゆる「M1 PIANO」の音色名で本当の“M1ピアノ”サウンドが出るのは
M1だけだと思います。音にコシがあり、あの“コクン”とした打鍵に伴って発音される
独特な音は、その他の“M1ピアノ”にはない、唯一無二のオリジナル音色だと思うのです。


そんなわけでちょっとだけアツくなってしまいましたが、
M1はそれだけ記念碑的なシンセだと思います。


古いスタジオやライブハウスで実物を見かけたら、ぜひ触って音を確認してみましょうー。
KORGの歴代ワークステーションをちょっとでも触ったことがある人だったら
すぐに操作できるはずですよ!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿