父の脊索腫治療記~重粒子線治療、頚椎後方除圧固定術~転移

脊索腫で重粒子線治療を受けた父の記録です。
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49 頚椎後方除圧固定術再手術前

2013年05月18日 14時47分40秒 | 頚椎後方除圧固定術
父の担当医から電話がありました。
やはり、再手術をするとの事。

ただ、前回と同じことは出来ないので、
別の方法も考えていること。
新たな義肢を考えていること。

「以前、娘さんから頂いたお手紙の中にあった。」
そ、その節は、大変失礼致しました。
「いえいえ、よく勉強されているな、と思いました。」
「今回、あの中にあった装具(義肢)を考えています。」

以前、
重粒子線によって脊索腫の動きは当分封じられたものの、
父も私も、
第2頚椎骨折による全身麻痺または即死が恐ろしく、
早めに骨折しない方法をとって欲しいと思い、
手術を希望しておりました。

しかし、
最終的には、頚椎の固定術をしなければならないが、
重粒子線治療も受けて、骨も再生しないし、
患者は不便を強いられ、とても勧められる手術ではないとの事で、
手術を拒まれていました。
それは、もしや『見放された』ということか?と思い、

ネットで探した手術と、
いくつかの義肢のコピーをつけて、
烏滸がましいことですが、
不躾ながら、
手術または義肢装着のお願いを手紙にしたためました。
(この時は、ムチウチ用のソフトカラーだったからです)
その手紙の中に入っていた義肢を今回検討して下さったそうです。

結果的に、
装具師と話しあい、別の装具を作ることになりました。


大学病院の医師の勤務時間は長く、
朝から晩まで、病院に詰めています。
外来患者を多く抱え、
入院患者も抱え、
週2日は手術。
カンファレンスがあっても、
一人の患者について、じっくり検討する時間は、
ほとんどないように思います。

電話をいただいたのは、手術7日前の夜でしたが、
この時点で、具体的な手術方法は決まっていませんでした。

翌々日、新たな装具が発注されていました。
出来上がるのは、1ヶ月半後。

患者にしなければならないこと、
今、出来る最善の策を考え、実行する。
医師は僅かな時間に決定しなければなりません。

患者家族の意見も考慮して下さったこと、
父のために試行錯誤して下さっていること、大変感謝しております。


しかしながら、
手術の説明を受けると、
それでも手術を受けるべきか、迷います。
外科手術のリスクは高く、
本人への負担も大きいです。


今回は、
頭蓋底から第7頚椎に橋渡ししたインプラントを止めていた、
頭蓋底のスクリューが外れしまったための再手術です。

頭蓋骨は2層と言っていいんでしょうか?
前回は、表層面までスクリューを打ったそうです。
今回は、それでは強度が保てないので、
2層目まで打つ。
その先は、硬膜ですから、傷つけると髄液が漏れるかも知れません。
その先は、静脈ですから、傷つけると脳外科手術が必要になるかも知れません。
開頭してみないことには、分からないそうです。

そんなリスクを負ってまで、再手術をする必要があるのでしょうか?


再手術のための検査で、新たなことが分かりました。
なぜ、頭蓋底から、
スクリューが外れたのか?

脊索腫に浸潤された第2頚椎が、潰れ、頭部が前に倒れた、ためでした。
頭蓋底のスクリューを骨で覆い尽くす前に、
潰れた頚椎側(インプラントの反対、顔面側)に頭部が傾こうとして、
スクリューが抜けたようです。

昨年2月に、第2頚椎が潰れ、頭が左前に傾いてきたのを確認しましたが、
その後、5月の固定術以降も、
浸潤した頚椎は、僅かな重みで潰れ続けていたんですね。

このため、新たな装具は、
前方の顎を支え、前後の動きを抑える「アドフィットUDブレイス」が選ばれました。
ハローベストの後に装着します。
ハローベストに比べ、精神的には楽になると思いますが、
装着期間は、相当長くなりそうです。


再手術を受けて、
インプラントを確実に固定(骨で覆い尽くす)しなければ、
浸潤した頚椎は、更に潰れていくのでしょう。


一つ質問をしてみました。
前方除圧固定術は、受けられないのですか?

answer
「下方の頚椎なら、橋渡しして上下で固定出来ますが、第1頚椎の上は脳です。」
「現状では、これ以上の手術はありません。」


父は、「なぜ、手術の1週間も前から入院するのか?」と言っていましたが、
この間、主治医は直前の検査結果を検討し、
多くの事を決め、打ち合わせ、手配します。
私とも何度かお話して下さいました。
聞いたその場では、うなづくだけですが、
帰って考えて納得することが多いように思います。
施術前に納得できることは、心強く思います。

人工呼吸器の挿入について、麻酔科の医師より説明がありましたが、
これはもう一度確認しておきたい事があります。
かなり困難だとの事なので、
最悪、気管切開で可能なら、そうしてもらいたいと提案するつもりです。


手術前の1週間は、とても忙しく感じます。


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