ロロロロロ ・・・・・
「このまま行くのか?」
「うん」
「森だね」
森がみえる・・・
お日様が出てきて、僕らはまた出発した。
ポールさんの車を先頭に、僕らののっている大バスとトラックとトレーラーが追っている。
ノッポさんが運転する大バスの運転席の近くに、人が集まってる。
正面のガラスはとても大きくて、前がよく見えるのだ。
僕は、ノッポさんのイスの背もたれにのってる。
「ミャ~」
しまネコは、ガラスの前。
あそこはよさそう。
「車通れるの?」
「うん」
ゴトン
バスはたまに揺れる。
もう道はアスファルトでもコンクリートでもないけど、それっぽい感じにはなってる。
だからグラグラ揺れたりはしない。
周りには木や草が少しずつ増えていて、僕らが向かう先には大きな木が並んでる。
「・・・」
まだ少し先だけど、あの木たちは大きすぎると思う。
「セコイアだね」
「はい」
「大きい」
「お昼は森で食べようか」
「そうですね」
「ニャ~」
バスが森に入る。
ト
僕は後ろの背もたれに移る。
ロロロロロ ・・・・・
前の窓じゃなくても、横の窓からでも木が見えるから。
――― ・・・・
「クゥ」
少し暗くなった。
影の部分が多くなったから。
ゴトン
大バスも揺れるけど、影もゆれる。
「♪」
たのしい。
トン
男がいた。
本を置いて、窓の外見てる。
クゥ ♪
チワワは通路でクルクルしてる。
立ち上がっている人間が多くて、楽しいのかも。
パチ
ニャ
背もたれから垂らしていた僕のシッポに、手がふれた。
「ふふふ♪」
コニがいる。
僕が窓の外を見ている隙に、近づいたみたい。
パタ パタ
シッポでたたいてあげる。
「♪」
「ニャ~」
よろこんでいるみたい・・・・
―― ・・・ ♪ ♪
ロロロロロ ・・・・・
クゥ ♪