バスの中

2018年04月03日 13時39分08秒 | 黒猫のひとりごと

                                            ロロロロロ  ・・・・・

「このまま行くのか?」

「うん」

「森だね」

森がみえる・・・

お日様が出てきて、僕らはまた出発した。

ポールさんの車を先頭に、僕らののっている大バスとトラックとトレーラーが追っている。

ノッポさんが運転する大バスの運転席の近くに、人が集まってる。

正面のガラスはとても大きくて、前がよく見えるのだ。

僕は、ノッポさんのイスの背もたれにのってる。

「ミャ~」

しまネコは、ガラスの前。

あそこはよさそう。

「車通れるの?」

「うん」

                ゴトン

バスはたまに揺れる。

もう道はアスファルトでもコンクリートでもないけど、それっぽい感じにはなってる。

だからグラグラ揺れたりはしない。

周りには木や草が少しずつ増えていて、僕らが向かう先には大きな木が並んでる。

「・・・」

まだ少し先だけど、あの木たちは大きすぎると思う。

「セコイアだね」

「はい」

「大きい」

「お昼は森で食べようか」

「そうですね」

「ニャ~」

バスが森に入る。

             

僕は後ろの背もたれに移る。

                                       ロロロロロ   ・・・・・

前の窓じゃなくても、横の窓からでも木が見えるから。

                  ―――  ・・・・

「クゥ」

少し暗くなった。

影の部分が多くなったから。

                 ゴトン

大バスも揺れるけど、影もゆれる。

「♪」

たのしい。

           トン

男がいた。

本を置いて、窓の外見てる。

   クゥ ♪

チワワは通路でクルクルしてる。

立ち上がっている人間が多くて、楽しいのかも。

         パチ

ニャ

背もたれから垂らしていた僕のシッポに、手がふれた。

「ふふふ♪」

コニがいる。

僕が窓の外を見ている隙に、近づいたみたい。

            パタ  パタ

シッポでたたいてあげる。

「♪」

「ニャ~」

よろこんでいるみたい・・・・

                   ――  ・・・    

                                              ロロロロロ  ・・・・・

       クゥ ♪


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