りんご探しに

2018年04月13日 14時19分27秒 | マーロックの日記

                                  ポ   ポ

                                              ゥゥゥゥゥ  ・・・・・

               モグ  モグ

葉っぱが来た・・・

風にのって、トラックの荷台まで飛んできたらしい。

「・・・」

風が来る方にレトリバーが座っていて、風よけになってくれている。

もうごはんを食べ終わったようで、黒猫も来ている。

トラックの屋根には、リフと斧さんとスコップさんがいる。

地面にある長テーブルでも、ハットさんやカールさんたちが食べている様。

少し風が強いし、トレーラーの中で食べている人が多い。

おいしいガーリックライスの上に、おいしい牛ステーキ。

あらかじめカットしてあって、食べやすい。

          パク

空木箱を、テーブルとイスに使っている。

       モグ

わざわざハシゴを上って、レトリバーはここに来た。

りんごが食べたいのかもしれない。

               シュヮ

オレンジジュースを飲む。

シュヮっとする。

            カラン

食べ終わったプレートに、スプーンをのせた。

「・・・・」

リフや斧さんは、まだ食べている。

「行こう」

「?」

「クゥン」

トレイにプレートをのせて、キッチンまで運ぶ。

その後で、荷台に行ってリンゴを食べよう。

木箱にたくさん詰めてあるから、ひとつ食べてもバレることはないだろう。

              ギィ

金属のハシゴに足をかけて、下りる。

「・・・」

黒猫とレトリバーも、来る。

                 ギィ

         トン

トレーラーのキッチンが見える窓のうち、一つが細長くて少し出っ張りがある。

窓を開ければ、中と外でものの受け渡しが簡単にできる様になってる。

      ジャリ

そこに向かう。

ちょうど窓が開いていて、外の長テーブルで食べるつもりらしいヘテロがトレイを受け取っている。

木の枠付きトレイで、枠が取っ手にもなっている。

                  

「いただきます」

              

ヘテロがトレイをもって、去る。

「マロックさん」

中にいたバレッタさんが、私に気付いた。

「ごちそうさま」

「はい」

            カタ

トレイを置いて、バレッタさんに渡す。

トレーラーの中は明るい。

「・・・おかわりありますよ」

「今日はいらない」

「そうですか」

       

来た方に戻る。

荷台の中に、たくさん木箱がある。

今回は大人数ですばやく木箱に詰めたから、どこに何が入っているかをすべて把握しているわけではない。

でも、果物は知ってる。

「クゥン♪」

後ろ見る。

ついてきたレトリバーが、窓を見上げてる。

バレッタさんが手を伸ばしているから、それに答えている様である。

「リンゴたべたらおこられるよ」

「クゥン」

「・・・・」

「・・・」

黒猫は、少し離れて私が来るのを待ってる。

                            パタン

             

窓が閉まって、レトリバーが追ってくる。

荷台にはメジロもいるだろう。

たぶん、りんごをつつきたいと思う。

私は、その期待に応える必要がある。

          

                          ―――    

長テーブルやトレーラーから、にぎやかな声。

私の動きには誰も気づいてはいない・・・・

         ・・・

                                         ヒュルルルル  ・・・・・・

                             ポォ