陽が沈む頃、風車も赤く染まっていた。
我が家の庭に咲いているゲラニウム、ピンクとムラサキの花が咲く、ピンクに焦点を合わせると優しい雰囲気になり、ムラサキに焦点を合わせると攻撃的な感じがする。背景は白、花が浮かび上がる。
夕方、西の空を見ると雲が広がっている。今日はダメかなと思いながらも海の方へ向かってみる。うろこ雲が2層に広がり、その奥には青空も見えている。太陽は雲の向こう側に沈もうとしている。いつものことだが静かな夕暮れ時。
朝、起きてみると道路が濡れていた。夜半に雨が降ったようだ。どんよりとした曇りでちょっと迷ったが、日課にしている朝の散歩に出かけた。
マクロレンズで野草を撮りながら歩いていると、終盤を迎えたタンポポの綿毛から水滴が雫となって落ちていた。水滴の重みで綿毛は下を向いているが、繊細な綿毛を滴る水滴になんとも言えない透明感を感じた。
地球に水が安定的に存在するようになってから地球に水がなくなるまで、永劫の時を雲は常に変化しながら進んでいく。もう中間点まで達したのだろうかなどどと雲を見ながら考えてしまう。
陽が沈み国道へ戻ってみると、北へ向かう道路は真っ直ぐ延び走る車の姿はなかった。右側に風車の縦列、左側に赤く染まる利尻富士が見えた。北の風景は単調だが素朴な美しさがあると思う。