カタチあるもの

宇宙、自然の写真をメインに撮っていますが、時々、読書、日常出来事について書きます。

海の向こうに光芒が見える

2016-01-29 20:06:14 | 写真_自然

 

 12月、1月と晴れない日がずっと続いていましたが、めずらしく休日の夕方に青空が広がりました。

 海岸道路を車で走っていると、雲の隙間から陽の光が海に注いでいます。太陽は1億5千万キロも離れているというのに、まるで雲のすぐ上にあるような感じがしました。

 曇りと雪の日が続く北海道日本海側では、太陽の光を感じるだけで気持ちが明るくなり、青空を見るだけで気分が違ってきます。太陽の光には、すべての波長の光が均等に含まれているそうです。単なる光として捉えると物理現象ですが、その光に何かを感じる、心に響く、明るい気持ちに変えるなど、人の心に直接響く波長も含まれているんでしょうか。

 

 


NGC6946とNGC6939のペア

2016-01-26 20:11:02 | 写真_宇宙

 

 

 左上の星の集まりがNGC6939(16,000光年)、右下の銀河がNGC6946(22,500,000光年)で、ケフェウス座に位置しています。

 ケフェウスは、エチオピア(今のイスラエルからエジプトです)の王でカシオペアが王妃、娘の王女がアンドロメダです。カシオペアの高言がもとでアンドロメダを生贄に差し出すこととなり、ペルセウスがアンドロメダを救うという物語がギリシャ神話に描かれています。このような話を聞くと星座はギリシャ時代を起源としているように思いますが、実は今から5,000年ほど前のメソポタミアに住んでいたシュメール人やアッカド人が起源のようです。さらに古くは、10,000~15,000年前の旧石器時代に星座を描いた壁画がフランスに残っているそうですね。

 今のように正確なカレンダーがなかった時代、1年という季節の周期があることがわかっていても、感覚的にしか把握できなかったため、ある程度正確な季節の運行を把握するために星座が必要だった様な気がします。ですが、科学のなかった時代、神話で語れている神は人々の中で現実の存在だったように思います。今とは見ているもの、見えているもの、現象の解釈が違っていて、夜空の星とギリシャ神話があたりまえのことのように関係していたのかもしれません。

 

 

 


NGC6992 はくちょう座 網状星雲

2016-01-22 19:59:28 | 写真_宇宙

 

 

 田舎で夜空を眺めると、本当にたくさんの星を見ることができます。なんとも言えない宇宙の広さを感じるのですが、望遠鏡とカメラを使った天体写真も田舎の夜空とは違った広さを感じます。写真に写っている背景の星を見ていると、なんとなく遠近感が感じられて立体的に見えるような・・・・、宇宙が近くなったような。感覚的なものですが。

 NGC6992は、前回ブログアップしたNGC6946と対になっている網状星雲です。NGC6992の写真を見ていると、宇宙の中で誰かが大きなマッチを擦って、その時の煙が広がっているように見えますね。広がっているガスの色は、元素の違いに起因しているそうで、硫黄と水素と酸素、って、やっぱりマッチの成分も関係しているようです。ちなみに、マッチを擦ってからすでに数万年経過しているようですが・・・。

 生まれてからずっと光が映し出す世界を目で感じてきたわけですが、星の世界の写真に限らず、もっと色々な角度から自然を写してみたいと思っています。

 

 

 


NGC6960 はくちょう座 網状星雲

2016-01-19 20:05:06 | 写真_宇宙

 

 はくちょう座の右翼の先端付近に位置しています。数万年前の超新星爆発の名残と言われていて、今も円弧状に広がっているようです。

 星雲を拡大してみると、全体的に青く糸状の星雲が主体ですが、ところどころ赤い星雲もらせん状に絡まっていて、まるでDNAの二重らせん構造のようです。 細部から画面全体に視点を移すと、宇宙を飛んでいる鳥のようにも見えますね。

 ちょっと宇宙の芸術性を感じます。

  たくさん見えている星も、それぞれに遠い・近いがあって宇宙空間の中では立体的に分布しています。また、星それぞれに色もあります。星色を活かしながら立体感を感じる写真に仕上げたい。それが目標です。

 北アメリカ星雲、ペリカン星雲、サドル付近の散光星雲、そして網状星雲、はくちょう座には魅力的な散光星雲がたくさんあります。今年の夏もはくちょう座の散光星雲を色々と撮りたいですね。

 

 

 


M34 ペルセウス座 散開星団

2016-01-16 21:31:53 | 写真_宇宙

 

 M34は、光害の少ない夜空ならば肉眼でも見ることができる明るい散開星団です。約1,400光年の距離で100個程度の星が集まっています。散開星団の広さは7光年、地球から7光年以内には3個の恒星しかありませんから、かなりの星密度ですね。

 ペルセウス座は奥さんであるアンドロメダ座とともに秋が見頃の星座です。アンドロメダ銀河、ペルセウス座の二重星団など双眼鏡でも十分に楽しむことができます。って、季節の超先取りか3ヶ月遅れの話ですね。ですが、星の世界では夏の星座がすでに夜明け前に登ってきていて、気の早い方は写真に収めているというような季節を先取りする世界でもあります。

 

 星の世界では、毎年、同じ運行が正確に繰り返されていてほとんど変化はありませんが、数千年、数万年単位で見ると星座の形も大きく変わっているそうです。動いていないようで確実に動いている、私たちとは違う時間スケールですが、宇宙にも成長や進化があるのかもしれません。

 

 

 

 


NGC7023 アイリス星雲は青と茶

2016-01-14 21:38:25 | 写真_自然

(再処理画像)

 

 夜空を眺めるとW型をしているカシオペア座が有名ですが、そのお隣に一般的にはマイナーなケフェウス座があります。NGC7023はケフェウス座の中にあり青いアイリスのような星雲です。

 この青い星雲の周りには分子雲と呼ばれる光を通さない雲が広がっていて、星雲だけを見ると青い花のようでもあり、周りの茶色い分子雲も一緒に見るとそうでもないような不思議な美があります。

 星雲は、星が超新星爆発を起こして星としての一生を終えた姿なのですが、新しい星が生まれるゆりかごにもなっています。星は生まれ変わりを通して永続しているんですね。

 

 

 

 


IC1396 星の世界

2016-01-11 17:05:27 | 写真_宇宙

 (再処理画像)

  

 写真に写っている星の数、数えてはいませんが数千個は写っていると思います。その星々の間をぬって散光星雲や暗黒帯が広がっていて、はくちょう座のサドル付近と同様に華やかな領域です。

 この星の光は、数年から数千年もの旅をして私のカメラにたどり着いた光、そう考えるとなんだか神妙な気持ちにもなってきます。

 写真に写っている星、ひとつひとつに私たちの太陽系のような世界があるかも・・・・(妄想満開)。 いつの日か、星の世界まで簡単に、そして安全に行く方法が開発されたならば、すごいことになりますね。

 

 

 


はくちょう座 サドル付近

2016-01-08 20:44:02 | 写真_宇宙

 

 はくちょう座の十字になっている中心星(γ星)を通称サドルと呼ばれています。写真の中で輝いている星がサドルです。サドルの周りには赤く光る散光星雲が多く、とても華やかな領域です。

 目で見た範囲では夜空に星が見えるだけなんですが、望遠鏡を使い、カメラで長時間露光をすると、まったく違う夜空が見えてきます。夜空にはこんな風景が隠されているんだ!!とつくづく驚かされますね。

 普段、見慣れている日常の風景や生活もじっくりと、よくよく見て、感じて、取り組んでいくと、今までとは違うものが見えてくるのかもしれない・・・・・って思いますね。

 

 

 


M29 7~8個の散開星団

2016-01-06 21:11:16 | 写真_自然

 

 

 画面中央付近の小さな柄杓型の散開星団がM29です。この散開星団を発見したシャルル・メシエは7~8個の散開星団とコメントしたそうですが、散開星団としては規模が小さく、これよりも規模の大きな散開星団でもメシエナンバーが付いていない散開星団も多いです。赤・青・ピンク・黄色、天の川の中に位置するため、星の数が多くカラフルな領域です。赤い星雲がもう少し明瞭に出てくれるともっと良いのですが、ノーマルカメラでは限界があります。

 何気ない星の集まりのような写真ですが、宇宙を天の川を自然の中で見ているような感じがして好みの写真ですね。

 

 

 


IC5146 はくちょう座 まゆ星雲

2016-01-04 20:21:23 | 写真_宇宙

 

 写真下の方から暗黒帯が上の方へと続き、赤いまゆ星雲のところで止まっています。まるで暗黒帯のゆりかごの中にまゆ(コクーン)星雲があるようですね。 まゆ星雲の中心にやや明るい星がありますが、周辺の星とともに星団を形成していて、若い星が生まれている現場でもあります。

 赤い星雲は超新星爆発した星の名残、若い星の集まりは、超新星爆発という星の死から始まった新たな星の誕生です。星の世界にもとてつもなく長い時間をかけた星の死と誕生があるんですね。

 

 

 


M101 反時計回り回転

2016-01-01 15:14:43 | 写真_自然

【M101 再処理画像】

 

 新年 あけましておめでとうございます。 北海道は穏やかな元旦を迎えています。

 昨年は趣味として天体写真を始めたことが大きな変化でした。4月から雪が降るまでの9ヶ月間に30タイトル以上撮りました。子供の頃からの夢の実現、うれしかったですね。今年も天体写真を楽しみながら質の向上目指していきたいと思います。

 M101は、よくよく見るとスワスティカに似ていますね。スワスティカも反時計回りと時計回りの二種類あり、時計回りは「まんじ」としてお寺の紋章、反時計回りは印象が悪いですがドイツのナチスの紋章であるハーケンクロイツとして使われています。この紋章は古くはダビデの時代やアメリカインディアンでも使われていたようで、アメリカインディアンは癒やしや治療の象徴として使っていたそうです。銀河という宇宙の基本単位が回転しているということは、回転という物理的現象が存続にとって重要な意味を持っているのでしょう。