

潮井戸
静岡県菊川市 潮海寺
東遠州 菊川市は、茶畑と里山の広がる町です。
その菊川には、1300年前の奈良時代に行基が創建し、平安時代の征夷大将軍 坂上田村麻呂が帰依し、寺領を寄進した古刹、潮海寺があります。

潮海寺 山門
東海道の南に石高に換算すると約3000石相当の寺領を有し、田村麻呂 寄進の七堂もの伽藍に75の坊院と、東海地方でも最大の規模を誇りましたが、度重なる兵火により衰退を余儀なくされました。
潮海寺の東には、潮井戸という潮海寺の由来となった井戸があります。
潮井戸は名前のごとく ほぼ塩水のことで、この井戸から汲み上がる水は、海水37パーセント、淡水地下水67パーセントの水質調査が出ています。
菊川は静岡中部地方の内陸部にあたり、一番近い海は遠州灘で、距離は約15キロ程で、海水が影響しているとは考え難く、これは地中深くに堆積する化石海水が地下水と混ざり塩水となり井戸に含まれると考えられています。
潮井戸は幕末の安政大地震により地層が変化し、北側の地からも噴出する様になりました。
この井戸水は、3年に一度の7月に行われる潮海寺 八坂神社 祇園祭の神事でのお水取りに使われます。
