日々雑感  ~ 青亀恵一

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ワーキングプア 2

2006-12-15 08:16:57 | スポーツ
ワーキングプア 2

NHKの放送で、格差社会の実態を報じた「ワーキングプア」の第2弾が先日放映された。
「いざなぎ景気」超えといいながら、庶民にはその実感が無い。
企業もようやく、正規社員の重要性を認識し始め、雇用に動き出したが。
まだまだ、先行きは不透明である。

「ワーキングプア2」では、次のような事例・実態が報じられた。

■ 小学生の子ども二人を抱えた母子家庭、昼と夜の仕事をし、睡眠時間は4~5時間。
収入は、合計で、18万5,000円。 児童扶養手当の月4万円も、2年後には半分に。

■ 一月の収入、8万円。  父が病気で倒れ、進学をあきらめた。 姉妹で、父を療養しながらのアパート暮らし。

■ 夫婦経営の零細企業。  服の仕上げのプレスの仕事。 売り上げが今年は、260万円。  一昨年の半分。  早朝の調理のパートで、家計を補てん。

■ 公園の掃除の仕事をする76歳の老人。  妻が介護施設に降り、出費がかさむ。  年金でけでは暮らせない。

■ 空き缶広いの8076歳の老人。  以前は、公園の掃除の仕事をしていた。  月5万円の収入が、難しい。


このような事例が、特殊な事例であるかといえば、そうではない状況である。

今は、元気で過ごしている世帯でも、
その働き手の誰かが病気になったり、
事故やその他の事情で働けなくなったら、
直ぐに、同じような生活状況になる世帯は少なくないのではないか。

セーフティネットの生活保護施策に関しても、そのような貧困層に十分対応できる状況ではない。
かてて加えて、生活保護にあった母子加算や高齢者加算が無くなる。

確かに核家族化によって、家族相互が助け合うシステムが壊れつつあるが、
それは、個々の考えに依るものではなく、時代の大きな流れの中で発生したものであり、
そのようなことに対する時代対応の施策がとられなければならない。

政策というものは、今の時代への対応と、
将来への時代対応を見越した準備を伴うものでなくてはならない。

今は、社会にしても、政治にしても、弱者への対応が十分ではない。
特に、企業においては、社会弱者の弱みに付け込み、
それらを犠牲に、成り立っている。
大企業の大きな増益増収も、そのようなものによってもたらされて結果である。


労働と対価という、基本的な認識が崩れている。

今は、労働とその対価は、労働内容によるものではなく、
その労働形態によって、差別されている。

派遣社員や期間労働者や日雇い労働者は、
対賃金で働かざるを得ない状況に追い込まれている。

資格が取りたくても、日々の生活に追われて、それを修得することができない。
また、資格をとっても、それを活かして働く職場がない。

労働内容ではなく、労働形態による賃金格差が、そのまま、社会格差へとつながり、
それが固定化しつつある。
派遣社員を長期的に雇用するように、3年の制限を撤廃することも論じられている。

しかし、
それは、安い労働力を固定化し、引き続き使いやすいようにするとともに、格差の固定化をより進める施策である。
雇用の形態で労働を評価する考え方を、国レベルから直さなければならない。

労働の対価は、仕事の内容と成果によって考慮されるという
ごく当たり前のことを、再認識するとともに、
最低賃金のあり方も見直しを進めることも必要である。


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